幼女爆誕です
一年振り。お待たせしました。
幼女が現れた。コマンド選択。
湯気の濃い風呂場は視界を悪くしている。だか鍛え抜かれたロリコンにとってはなんの障害にもならなかった。
「お兄さんと遊びませんか?」
青年は突如として現れた幼女にそう語りかけた。その一択意外にする理由が分からない。
「ははは、やはりお主は変わらないな」
幼女は笑い出し、悠椰の顔に寄った。目と鼻の距離。
「つーか、会ったことあるっけ? 俺?」
幼女に見境ないお兄さんは優しく笑いかけた。
「そうさなあ、『アマさん』と伝えれば分かるか?」
「······」
「鳩が豆鉄砲喰らったような顔とはまさにこのことじゃな」
と、ロリィタが笑うと。
「ロリっ娘神様降臨キターーーー」
悠椰が筆頭に壊れた。現実を受け止められなかった。精神的にグロッキー。
「ちょっと、悠椰?!」
楓は必死に悠椰を現実に引き留めようと声をかける。
「いやー、今までは余り深く考えなかったんだけどさ、もうここまで超常現象見せられると、俺の脳スペックじゃ限界」
悠椰が意外と現状を簡単に飲み込めてないことを知って楓は内心ホッとしていた。しかし、ここでリタイアは困る。
「ごめん、何言いたいのか、全く伝わんないけど。取り敢えず起きて! お願い!」
「ははは、やはり愉快じゃなあ······そうじゃ、まだ身体を洗っておらんかった」
「僕が流します!!」
悠椰が復活した。
「あんたはダメ!」
本日四度目。腹パンチ。
「ひでぶっ」
悲鳴とともに湯船に吹き飛んどんだ。
結局アマちゃんと楓が交互に体を流し合うことになった。
「お前らはよくこの状況で寛げるな」
もう金輪際目潰しもとい暴力等を喰らいたくないので大人しく二人の反対を向いて体を見ないよに話しかける。
「そう? 私は今は楽しいけど?この娘の頭を洗うの」
「髪の毛は洗いたくない、ゴワゴワするう〜痛い目がー」
シャンプーを嫌う幼女は名台詞を口にしながら暴れる。
「洗ったほうがいいわよ。さっぱりするから、ね?」
「······うん、分かった」
幼女は楓の言うことを素直に従う。『おねちゃん属性もえー』なんて悠椰が考えてると楓が口を開いた。
「ところでアマちゃんってさどうして私達の前に現れたの?」
「それは俺も気になる」
一人手を上げる悠椰。
「それはお前たちの試練を手伝ためじゃ」
「試練?何なんだよそれ…」
「アマに聞かれても困るの!それに"十年"前から決まってたこと!何よりもお前たちに口止めされてるのじゃ〜!」
十年前? 口止め? 謎が謎を呼ぶとはこのこと。自称優秀な、彼は悩見込む。
「私達が口止めしたの?」
首を傾げる楓。
それを聞いて幼女は頷いた。
「一番の目的は上から眺めておったが進展が全く無いので降りてきのじゃ〜」
「要するに助っ人ってことか」
「うむ」
「てか、ちょっとまて!!それよりお前!今日はどこに泊まる予定なんだ?!」
神社にでも泊まるのか。と予想していると。
「この家」
「今なんて言った? この家に泊まらせて欲しいとか言わなかったか?」
「言った」
「アマちゃんそれは一縷千釣な行為よ。あの変態と生活を共にしちゃ駄目。もし良ければなんだけど家に来る?」
「行きたい!」
「俺も!」
「なんでアンタも来るのよ」
「楽しそう!」
「子供か!」
「でもよう、酒匂家あいてんの?」
「問題無いわ、桜さんも帰っちゃったし」
「違う、家の鍵開いてる?」
「あ」
突然ここに飛ばされたことを思い出した。鍵は持ってない。
家は今は閉まっている。
「どうしよう」
「どうしたらいいのじゃ……」
二人の視線を背中ら強く感じる。
「………はあ、分かったよ、分かりましたよ」
悠椰は投げやりな気分で返答した。
「おお、良いのじゃな?」
「紅葉に確認とってからな」
「ありがとう樵」
「そういうの良いから。俺先出るから」
詰まるとこ照れ隠しだった。
「あーはいはい」
悠椰は桶を使って股間を隠し、風呂を出た。
はあ、疲れた。
風呂で寛ぐつもりが想定外の疲弊。それより今は事情を紅葉に伝える事を優先し、急いで着替えた。
その後紅葉に降りてきてもらい、バスタオル姿の二人に会ってもらった。特段驚きもせず、二階に服を取りに行った。
子供用と母親の服や下着をあら方担ぎ、脱衣所まで肩にせよって運んでいた。
勿論、俺も手伝うよ、と聞いたが。だめーー。と言われのでリビングのテーブルで大人しくしている。
「樵〜あがったわよ」
楓は濡れた髪をバスタオルで拭いていた。風呂上がりだからか、頬が火照っている。
「湯に浸かるのは何百年ぶりか……」
遅れてロリ神様も戻ってきた。二人共とも身軽なパジャマ姿。
「真似できねえ不潔さだな」
「バカ言え、神様じゃぞ体が汚れるわけ無いじゃろ」
「それより、紅葉はどったの?」
「紅葉ちゃんならから」
と口にすると紅葉が現れた。彼女はそこはかとなく元気がない。
「どうした? なにがあった?」
「わしが説明してやろう。幼女のワシに彼女が使っている服が着れたと言うことじゃ」
「ア、アマちゃん?! 何を口走ってるの!?」
紅葉が慌てて幼女の口を塞いだ。何やら怖い。
話が途中で途切れてしまった。妹の発育情報は確実に手に入れたい。しかし妹が嫌がることはもっとしたく無い。その為、胸の発育云々の話は一先ず置いておこう。
「今更になって悪いが、紹介するよ」
「知ってるよ、神様なんでしょ」
「なっ、それを」
「二人が教えてくれたんだよ」
楓とアマさんはそっぽを向いて口笛を吹く。
おい、何してくれてんのよ。
「なんで伝えたんだよ」
「口止めされなかったし」
「ぬしがそんなに怒るとは思わなかったし」
「………」
そう言われると何も言い返せないけど。
「俺は、こいつを巻き込みたく無かったんだ」
「樵……」
「お兄ちゃん、私は仲間外れにされるより良いかなって思うよ、だからさ二人を許してあげてよ、ね」
「紅葉がそう言うなら」
「樵お兄ちゃんは優しいですねぇ」
「ですねぇ」
アマさんも合わせてからかう
「お前らな〜寝ろ!」
話し合いは照れ隠し半分怒り気味半分の悠椰が強制終了に追い込んだ。
楓、アマさん、紅葉の三人は紅葉の部屋で、俺は自分の部屋で寝ることになった。
最後まで読んで頂きただきありがとうございます。