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俺の願いで青春がグズグズです  作者: 怠け太郎
14/15

自宅で唐突な混浴です

混浴っていいよね。

 

 紅葉が風呂から上がり、全裸、全裸、全裸。紅葉に服を着ろと急かすが「夏は暑いー、服は着たくないー」と追いかけっこ。その果てに走り回った俺は小指をテーブルの角にぶつけて涙目。悪いと思った妹はT-シャツだけだが着てくれた。


 笑えないお巫山戯が終わると夕飯のカレーを一緒に食べた。美味しいと言った紅葉の笑顔は素晴らしかったです。


 夕飯が終わると紅葉はアイスを冷蔵庫から取り出して二階に上がった。自分の部屋に行ったのだろう。


 俺も食器を片付けて風呂に入った。季節外れの蜜柑のいい香りがするお風呂。夏とは言え気持ちが良いい。


「ふあああーきもちえええ」


 お風呂に悠椰の声が反響する。


 湯につかり、極楽、極楽。温まりにながら、今日の出来事を見直した。


 酒匂に振り回されて、ようやく辿り着いたショッピングモールで手錠プレイ。その後現れた少女によってショッピングはお開きとなった。家に帰り、父親との会話から見えた酒匂との繋がり。そして神社。


「神社か······となると、近くだと杉川神社かな」


 杉川神社は歩いて数分の距離にある小さな神社だ。今でも参拝やお守りの返納などで稀に訪れたりする。しかし昔俺が遊んでいた記憶がない。ほかにも、四人ので遊んでいたって、点も気になる。


「それにしても意外だな、俺と酒匂に繋がりがあったなんて···」


 収穫はひょんなとこから湧いたが、俺たち『問題』が円滑に解決するに越したことはない。


「ふああ、あ、ねむ······」


 最近やたら眠たくなることが多いい。やはり、夜更かしは身体に悪いのだろうか。


 突然の睡魔。そして倦怠感と脱力感に襲われ、瞼が重たくなる。理性で堪えることを逆上せた頭は働かず、眠りについた。



 ――――――痛み


 だけじゃない、水面を叩きつけたような大きな音。そして脳裏に残っているこの柔らかさ。何が起こってる? 早く状況を把握しないと。


「うぇ?」


「えっ?」


 目を開くと目の前には知っている女が肌を晒して悠椰に騎乗していた。


「なんで、は、はだ、はだ、ええええええええ!?」


 黒髪ロングと整った顔出し、そして揉んだことのある二つの双丘が揺れている。


「ごめんっ!」


 そう唐突に現れた楓が口にすると手をチョキの形に変形させて悠椰の両目を攻撃した。

 

 悠椰は視界が突然暗くなる。


 目潰しだった。


「イッッたい、目があああああああああああ」


 反射的に両目に手を被せる悠椰。


「樵!?」


「いきなり何すんだよ!!」


「だからこっち見るなっての!!」


 もう一度目潰し。駄目押し。


「いったい、目がああああああああああ」


 目を手で覆う、浴槽での暴れる悠椰。


「目開けないで! 今何も着てないから!」


 恥ずかしいそうに語る楓。


「はあ!? なんで服着てないんだよ、それに俺のうちになんでいるんだ!!」


「知らないわよ、私だって自分の部屋にいたの!!」


「お兄いい?大丈夫?大きな音がしたけどー」


 妹の声が二人を緊張させる。


 この混浴を見たら、きっと酷い誤解をするだろう。


「大丈夫なのー?」


 酒匂も察してくれたのか黙った。


「す、すまん、滑っただけだ」


「おっけー、死なないようねー」


「お、おう」


 紅葉が二階に戻るのを足音で確認する。


「ふう、危なかったあああ」


 脱力と共に堪えていた空気を口から吐き出す。


「あんたね、紅葉ちゃんにきょどってたら怪しまれるでしょう」


「仕方ないだろ、おれだって急にお前が現れて焦ってんだ」


「だあ、かあ、らあ、こっちを見るな!!」


 三度目の目潰しが悠椰にヒットした。


 お互いの裸体を見ないように配慮した結果、お互いに背を向けて体操座りをしていた。


「もう目、開けてもいいよ」


「その、ごめんね、いきなり暴力的なことして」


 暴力的というか目潰しって急所を狙った暴力なんですけど。


「まあ、俺も良いもの見たし」


「え、なに?」


「いや、いいよってこと」


 綺麗な双丘を見たなんて口が裂けても言えません。


「······」


「······」


 酒匂の白い背中が見えるが出来るだけ見ないように配慮して、悠椰も楓の反対側を向いた。


「······これも、『願い』の所為なのかな······」


 楓がぼそり呟く。


「そうだ、発見があったんだ」


 悠椰が思い出したように口をを開く。


「発見? どんな?」


「父親からな、俺と酒匂が昔会ってた。と聞いた」


「それ、本当に?」


「俺の両親からの情報だ、ある意味俺より俺のことを知ってるって」


「そうね、親父さんなら信じて良さそう――――」


「どう言うことだって······とうした?」


 話の途中で、楓が黙る。急に黙った楓でに少々不安になりながらも声をかける。


「もしかしたら、親父さんことだったんじゃない?」


「······何が?」


「神様が言ってたんでしょ? 『過去を知るものに聞け』って」


「ああ、あるほど。これが······つまり親父の情報は自称神からの助言ってことになるな」



「そう言うことじゃな、お見事ーお二人さん」


 ――――――――――――え?


最後まで読んでいただき感謝です。

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