月宵
虫のささやきも聴こえないほどに静かな夜。
縁側にふたつの影。
ひとりはわたし。
もうひとりはあなた。
あなたの温かい左腕が、わたしの肩を抱きよせる。
それに応えるように、わたしはあなたの肩に頭をあずける。
傍らにはお盆がひとつ。
杯がふたつ。
あなたの分と、わたしの分。
だけど、杯には手を触れず、
わたしの冷たい手をあなたはずっと握ってくれている。
冷たい手とは裏腹に、
わたしの顔は酔ったかのように熱くなっていた。
虫のささやきも聴こえないほどに静かな夜。
縁側にふたつの影。
ひとりはわたし。
もうひとりはあなた。
あなたの温かい左腕が、わたしの肩を抱きよせる。
それに応えるように、わたしはあなたの肩に頭をあずける。
傍らにはお盆がひとつ。
杯がふたつ。
あなたの分と、わたしの分。
だけど、杯には手を触れず、
わたしの冷たい手をあなたはずっと握ってくれている。
冷たい手とは裏腹に、
わたしの顔は酔ったかのように熱くなっていた。
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