昌也のリア充生活(?)1日目
「寂しいよぉ、昌也ぁ」
そう、単純に寂しいのだ。
昌也がリア充になってしまえば、きっと人生初のリア充に酔いしれ私たちにかまってくれなくなるだろう。
俺はちょっと彼女のところに行かねばならないので忙しいんだ、とか言いそうで腹が立つ。殴ってやろうか。
そんなのいやだ!
そんなの昌也じゃない!
と気がつけば、いつの間にか昌也の方は事が終わっていたらしく、4階から降りてきたところでばっちり目が合ってしまった。
申し訳程度に軽く会釈しにっこり微笑んでみると昌也は大きくため息をつき、その間に部外者がいるとも知らず例のハーフは降りてきて……
「めっちゃ美人んんんn!!wwwwww」
きれいな金髪に青い瞳透き通るような肌、so beautiful.
眩しい、眩しすぎるぞ、目が、目がああああ
と、その美人は告白を聞かれていたショックか目を潤ませ顔を真っ赤にしていた。
なんか頭のてっぺんから吹き出しそう。じゃなくて、
「ご、ごめ」
だだだだだだだ、ガンッ、ぼてっ、ドンッ、
物凄い勢いで走っていき、あちこちぶつかりながら美人はその場から逃走した。
「で、どこから聞いてたんだ?」
「昌也が告白されたとこ!」
あきれたように問うので、精一杯元気よく答えってやった。
「...うん?あ、うん」
「なんだ昌也?何か腑に落ちないような顔をしているが」
「昌也、こいつたぶん...」
「だろうな」
「何だよ!二人で耳打ちして!私には聞かせられない話なのか?まさか、もうそんなところまで...///」
「康介、ここはこのままで様子を見てみようと思う」
「まぁそれがいいだろうな。光崎、次体育」
「やばい、」ダダダダダダダダダダ
その場に残ったのは、男子二人の不敵な笑みであった。
「おい昌也くんや。とうとう今日からリア充ライフ、放課後デートですかな」
「は?」
「いやいや、さっきからあそこでこちらをちらちら覗きながらそわそわして立っているではないか」
「はい?」
そこには佳世の言う通り、例の美少女が校門前で立っていたのである。
ちなみに康介は、明日の練習試合に備えてか今日の練習は早めに終えて先に帰った。
「別に俺を待ってるってわけじゃないかもしれないだろ」
「そんなはずはない。君を待たずしてどうしてあんなに顔を赤らめる?」
「う、うーん」
そうこうしているうちに、校門はずんずんと近づいてき、それとともに美少女との距離も縮まる。
あと数秒、いや、もうそんな時間はない。
このまま黙ってやられてしまうのだろうか。
緊張で汗が滴る。
心臓の音も徐々に早まってゆく。
これはもしや、不整脈?もしくは更年期か?
やばい、俺もそろそろ病院に通わな
「おい」
「貴様また心を読んだな」
「実況はいらないし、病気でもないわ。更年期とか俺いくつだよ」
そして私たちはその存在をすっかり忘れていた。
気づけば校門などとうに過ぎ、電車に乗っていたのだっだ。
LINE
佳世< あ、美少女あの後どうしたんだろう )
昌也< うん、忘れろ )
-昌也のリア充生活(?)1日目終了-
そろそろ設定崩壊しそうでびくびくしてる。