恋、とは一体...
翌朝、私は当然康介に問うこととなった。
何を。
もちろん昨日の疑問を晴らすために決まっている。
本当にあれは康介だったのだろうか、、、
いやいや、まさかそんなはずはない。
康介が輝いて見えたことをここまで否定するのはかわいそうな気もするが、これは仕方ないことだ。
何度も言うが、康介の見た目はぱっとしない地味系男子だ。
そう考えているうちに、難しい顔になっていたのだろう。
「どうしたんだ。なんか悩み事か?」
「いいや、少し考え事をしていてな。実はだな、、、」
バスケをやっているときの康介がとても輝いて見えて、まさに少女漫画にでてくるようなモテるやつに見えたこと。おまけに康介のまわりに花が見えたとか。
これが本当に康介なのか?
私には、今の康介の雰囲気とかけ離れて見えるのだが、、、
諸々、昌也に話してみた。
そして昌也から返ってきた答えはこうだ。
「お前それ、、、恋なんじゃね?」
恋、、、
「それは101.6%ないな。」
「地味に上限ぶち破った1.6%は何なんだよ!それ、お前テスト何点ー?俺120点!とか言う小学生と同じだからな!?」
「いくら幼い女の子が大好き、通称ロリコンだからといって、私を小学生に見立てないでくれるか?いや別にロリコンを否定しているわけではない、幼い子は可愛い。いやいや、ロリコンをきもいとは一言も言って–––」
「やめろっ!そういう意味で小学生提示したんじゃねーし、俺が惨めになってくるわ!まず、俺はロリコンではない!俺が愛するのは、清楚系もしくはツンデレの女子高生、そして年上のお姉さんだ!年上のお姉さんに男の子だね、ふふ、って言ってほほ笑んでもらいたい!」
「昌也、一つ忠告をしておこう」
「何だよ、俺の考えに文句でもあるのか」
「その話、二次元の、と前置きしておかねば、ただの健全な男子高校生だぞ」
通学路の緑に変りつつある桜の木から、雀が一斉に飛び立った。
「どわあああああ、俺としたことが、、、俺には二次元しかないというのに、、、」
「そろそろやめないか。周りの視線がさすがの私でも痛い」
こちらをちらりと見てはコソコソ話し出す通学途中の二人組とか二人組とか二人組とか二人組とか、、、
「リア充爆発しろよ、、、」
「いや、リア充さん目の前にいるのに、どんだけ恨んでんだよ」
「私は別に恨んでなどいない。最近よくTwitterなどで回っている画像があるじゃないか。リア充共は、フラれるというリスクを背負いつつも勇気を出したゆえの結果であるからして、リア充は尊敬に値する、と。私もその考えには賛成なのだよ。よって恨んではいないぞ」
「はいはい、そーですか。俺にはその勇気が足りていないということですか。いいですよねー、リア充経験者さんは」
「昌也、うるさいぞ」
とは言うものの、恋という感情がどのようなものなのか私はまだ知らないからして、こうもはっきりとは否定できない。
ただなんとなく、違うだろうなと思っただけだ。
恋という感情の知識だけならある。
本を読むのが好きだからな。
特定の異性に好意を寄せる、惹かれる、だったかな?
これがまた、友達に寄せる感情とは異なるっていうんだからわかるわけがない。
しかし、恋とは前頭葉が麻痺しているのだろう?
恋は盲目、とかいう言葉もあるように、人間の頭を異常にするとは恐ろしいものだ。
これはまさに病だな。
病、、、恋の病か、うん。
そんな都合のいい病にかかってみたいものだ。
「昌也、ところで君は恋とやらをしたことがあるのか?」
「っはぁ!?何だよ急に」
「叫ぶな右耳が痛い。いや、私はただ聞きたいだけだよ。何せ経験がないものでね。情報は多い方がいいだろう?」
「そうかよ。恋だろ?そりゃまぁ、、、な、、、」
「ふむ。恋をすれば現実でも顔を朱色に染めるのか、なるほど、耳まで赤くなると。」
「やめろおおおおおお!!!その冷静な解説が余計に恥ずかしいわ!」
「まぁまぁ、いいではないか、青春ではないか」
と話していると、いつものようにひょっこり「おはよう」と康介が現れた。(現れたというか、この場合は私らが話に熱中して周りを見ていなかったからである)
康介の周りにお花はない。輝いてもない。
いつもの康介だ。
冷静に考えていると、右隣からこぶしが飛んできた。
「痛い」
「見すぎ、普通にきもい」
「うぃっす。康介、君はバスケ部か?」
「そうだけど」
「ほう…」
しばらく、いや、かなりの時間待たせてしまってすみません。
途中まで書きかけてはいたんですけども...
また時間見つけて投稿していきます