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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

さて、お茶を濁してみようか。

ヒトリ

作者: 軋本 椛



   僕は一人です

   一人

   たった一人

   暗闇のなか一人で立ってます


   僕は一人です

   一人

   たった一人

   家族は静かに眠ってます


   玄関にはおばあちゃん

   その側にはおじいちゃん

   リビングにはおとうさん

   寝室にはおかあさんが


   僕は一人です

   一人

   たった一人

   物心ついたときからそうでした


   僕は二人です

   二人

   もう一人

   彼は家族に愛されてます


   蔑んだ目で見られず

   暴力も振るわれず

   外で寒さに凍えることなく

   家のなかで温かく育ってます


   僕は一人です

   一人

   たった一人

   いつもお腹が空いています


   僕は一人です

   一人

   たった一人

   気づけばそれが当然でした


   窓から漏れる家の明かり

   聞こえてくる笑い声

   夜が明けると繰り返される暴力

   全て全て大嫌いです


   僕は一人です

   一人

   一人ぼっち

   世界がとても憎く思えた


   僕は一人です

   一人

   たった一人

   家族が羨ましいのです


   だから初めて命令に逆らい

   首に繋がれた鎖を外し

   初めて玄関を開けて

   僕は可笑しく嗤いました


   僕は一人です

   一人

   たった一人

   おばあちゃんが悲鳴をあげました


   僕は一人です

   一人

   たった一人

   おじいちゃんが気づきます


   とてもとても煩いので

   いつも僕を殴る棒で叩きました

   五月蝿く喚いて騒ぐので

   手に持った棒を振り上げます


   僕は一人です

   一人

   たった一人

   でも少し満ち足りた気がします


   僕は一人です

   一人

   たった一人

   ちちもははも煩くなりました


   しんと静かな家の中

   赤い棒を引き摺って

   時々足を止めながら

   もう一人を探します


   彼は一人です

   一人

   たった一人

   彼と僕は同じです


   僕等は二人です

   二人

   たった二人

   “同じ”は仲良くするべきです


   彼は震えてます

   何が起きたか解らず

   赤い僕を見てきます

   そして僕を否定しました


   僕は一人です

   一人

   たった一人

   きっとそれで良いのでしょう


   僕は一人です

   一人

   一人きり

   僕以外は誰もいません


   暗闇の中立ちつくし

   とんと静かな家の中

   涙というものを流して

   遠いサイレンを聞きました




   ………僕は一人です


   独り






 分かるか分からないか位に表現を抑えて考えてみました。

 …難しいっすね、この形式。

 読み終わったら「意味わからんっ!」と一刀両断してみましょう。

 分かった人は手ぇ上げてー(-o-)/

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