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おやつ
私はコソコソ逃げ回る息子を捕まえて聞いた。怒らないよ。ちゃんと正直に言えば許してあげる。
「ねぇ、ママのおやつ全部食べちゃったんかなぁ?」
「ん〜。あるで。ママの分もちゃんとあるで」
大好物のお菓子をちゃんと残しておいてくれる息子の優しさに心がポカポカと温かくなり私は彼をギュッと抱きしめた。
「ありがとう。何処にあるん?」
「えっとね〜。コンビニにあるで」
そりゃそうでしょうともね。
そんな息子はもうすぐ三歳になる。
少しずつ悪知恵がついてくる年頃です。可愛いんですけどね。




