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みにくいアヒルの子
おとぎ話シリーズ 10
醜いアヒルの子は白鳥となり、飛び立った。
僕はもうアヒルなんかじゃない!
これから美しい白鳥としての人生が始まるんだ!
しかし、仲間であるはずの白鳥からは余所者として攻撃され、命からがら逃げた。
ボロボロの彼が見たのは蔑んでいたはずのアヒル達である。
仲間を見捨てた僕に向かい、笑顔で手を振っているのが見える。
僕のことを赦してくれるのか?
彼の目から涙がこぼれ落ちた。
あぁ、僕には帰るべき場所があるんだ。こんなに嬉しいことはない。
わかる人にしか分からないと思いますが……。




