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童謡
小学校一年生の娘と歌った。
一年生になった〜ら
一年生になった〜ら♩
友達百人できるかな〜
百人で食べたいな
富士山の上でオニギリを♩
あぁ……、昔歌ったなぁ。でも百人も一度に頂上に登れないって、この歌の矛盾点に笑ってたっけ。
「ちょっと待って!」
娘が唐突に歌を止めた。
「ところでもう一人は何処に行ったの?」
僕は人間の暗い部分を見てしまったようで背中が寒くなるのを感じた。
この歌はまだ小学一年生には早すぎるのかもしれない。
子供の歌う童謡にこそ、真相が隠されているのかもしれません。




