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出会いは唐突なんです。

今回の試みは初めてとなりますがこの三人のこれからを進行ペースが遅いこの作者共々眉間にしわを寄せながら細長い目で応援してください。どうぞ、これからよろしくおねがいします(汗)


爽やかな朝。

窓の外では心安らぐ小鳥達のさえずりりが歌を奏で。窓にかかるカーテンを開けるとそこには見る者全てを癒すであろう新緑に見渡す限りの平原を心地よい太陽の恩恵が降り注いでいた、そう動けば心地よい爽やかな汗をかき、森林の木陰に立たづめばひんやりと爽やかな風が通り抜ける。そんな事を外に出ずとも想像させるくらい澄んだ空気が窓から吹き抜ける。そして忘れてはいけない。俺の朝は一杯のアールグレイから始まる。これを聞いてせせら笑う者も居るかもしれないが俺にとってはこれこそが至高の瞬間、この瞬間が有るか無いかでは俺の一日は天と地ほどにも変わってしまう。そして朝のフレンチをたしなめたのち、俺は最高の衣に身を包み、愛車に乗り込み仕事場へと向かう。


それが俺の求める最高の生き方だ。だ、が、実際の世の中はそんなには俺に甘くはなっかたようだぁ、世間は俺の今か今かとせめぎ立てる才能には見ずくれず。しまいには全て機械に任せる様な時代になっちまった。だが俺は諦めない世間が今は機械に頼り切っているがその時代もいつかは終わり、その時こそ機械への依存で生活をしていた慌てふためく人民達を救うのがこの天才的頭脳を持つ神に選ばれし最強無敵サイケデリックな名探偵 志之寺しのでら 龍紀たつのりなんだからな!



まあ、今の暮らしに満足していない訳ではない。

金は無くとも理想の暮らしに近づけるし不満も無い。

有いつ不満が有るとすれば今の世の中、時代が俺にあってないという事。

そう、そんな事を思っていたのが昨年の今頃。二千二十七年七月の三十日午前十一時四十二分五十六秒の事だった。



クソ不快な朝

窓の外では都会の雑踏ざっとうひしめきあい、窓のブラインドを開ければ窓一面のコンクリートの壁が拡がっている。去年まではこの窓からでも東京フライングツリーが望めたのだ、が・・・・。去年の暮の事である。


突如大手株式会社真宮寺コーポレイションの一大企画として『東京浅草を一望できてフライングツリーと同じ高さで見る世界』というコンセプトであれよあれよという間に半月で建設されたのがこのコンクリートの壁の正体、『民営高層マンション癒倶奴裸志瑠ゆぐどらしる』なのだ。なのでこの壁は『壁』と言うより緻密にデザインされた『壁面』というのが正しい名称なのだと思う。だがこの再俺にしてみればこの部屋に・・・・事務所に差し込む太陽光の一切を遮断した・・・・してくれた壁など『壁』で十分なのである、という結論に至る。


勿論商店街の自治体と徒党を組んで建設反対運動にも参加した。

だが最初は近所の八百屋の加藤君、次に魚屋の正志おじさん、さらにその次は事務所の前の精肉店の智子おばさん、最後には商店街のマドンナ、九条 火土子さんまでもが独りまた一人と真宮寺グループに買収されていったのだ。


そして俺はと言うと。

最後まで果敢に戦っかったさ。

そして企業も諦めて俺の所にいつしか交渉には訪れなくなり、今の状態に至る。

決して、断じて決死って企業の救済処置に乗り遅れた訳ではない・・・・・そう後悔はしていない、断じてである。あえて自分はこのフライングタワーが望める・・・望める様になるかもしれないこの事務所を守り抜いたのである、勇者である、そこでブルーになったこの気分を晴らすために日光は無くとも建物と建物の間を吹き抜ける風の恩恵にあずかろうと窓を開ける。


車の排出する排気ガスの匂いと共に真夏の湿った生ぬるい風が頬を撫でる一生忘れられそうにない風を受けると直ぐに窓を閉めた。


気分は一向に精神の最低ラインを走行中・・・そん中ふと時間を見る。時計の液晶画面は十一時四十二分五十六秒を映し出していた。


「い・い・し・に・ご・ろ・・・・・・・・・・・・・・・!!余計な御世話だぁあ!!!」


余りに腹が立ったので時計の命である単三電池を二本摘出してやる、これで動けまい。


我ながらやる事の余りの小ささに圧巻であります。


そして寝間着を脱ぎ一張羅いっちょうらの袴に袖を通し事務所の扉を開け、自分の席に座ると電気ケトルの中に昨日から入れっぱなしのお茶をスイッチを入れ再度加熱する、ふつふつとお湯が沸き始める。


この待ち時間を利用して給湯室に愛用のコーヒーカップを取りに行く。余りの自分の無駄のない動きに惚れ惚れする、時間は無いのだ早くコーヒーカップを取って戻らなければお湯が沸騰してしまう。沸騰して何が困るかといえば猫舌である志之寺 龍紀本人が困るだけなのだが。


だが本人は必至である、何を隠そう猫舌だから。

隠せてないし別に誰も知りたくないのだが事実龍紀は猫舌なのである。


洗面台から余り汚れていないコヒーカップを選ぶと軽く水でゆすぎ、沸き立とうとしている電気ケトルのスイッチを止めるためにカップ片手に給湯室からスリッパでペタコンペタコンと慌てて出る。


目指すはあの一番奥の大きな探偵マイデスク!そこに一直線に歩み寄り座ると同時にケトルの電源を切るだけのはずだった。


しかしその予定は限りなく大きく変更しなければならないようだ。


給湯室から探偵デスクまでの間に依頼者用の古びたソファーが有るのだがそこには長身の黒い燕尾服を着た男がしれっと座り。奥の探偵デスクには、いつもは自分専用の探偵デスクのはずが何故か今は謎の少女に占拠されている。はっきり言おう、驚きがかくせません。・・・・・と


「ど・・・・どちら様でしょうか・・・?」


すると探偵デスクに座っていた少女が椅子をキィ・・とこっちに向けると指をさしこう言った。


「おい探偵、仕事の依頼だ。簡潔に解決してわたしを喜ばせあがたてまつれ」


だそうだ。

依頼を解決するのはともかく何故崇め奉らないといけないだろうか、そんな事を考える。


そんな沈黙の中、もんもんと水蒸気を吐き出すケトルの電源スイッチが『カチリ』と元の位置に戻る音だけが響き渡るのであった。

いかがでしたでしょうか?できれば楽しんでこれからも見てほしいです。そんなこんなでこの物語は始まる訳なんです。

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