バカップル。
「寒いねぇ」
「そうかぁ?」
「肌が寒いよ。」
「が、いらねぇよ」
「夜景見たい」
「いきなりだな」
「ねっ、見にいこ!」
「でも夜景ってさぁ。」
「なに?」
「東京電力の人が見たら、ヨダレもんだぜ。」
「電気屋さん?」
「電気使えば、金はいるんだから。」
「なんかロマンチック」
「そうか?」
「自分の作ってるものが見えるんだから。」
「ロマンチックかな?」
「じゃ花火みたい」
「花火かぁ」
「綺麗でしょ」
「でも花火ってさぁ」
「なに?」
「熱くねっ?」
「見てるのは熱くないよ。」
「暑い夏に熱くねっ?」
「遠くだから」
「花火がなかったら夏は暑くないんじゃないか?」
「そうかなぁ」
「なんで夏なんだろ?」
「夜寝れないからじゃない?」
「だいたい9時に終わるじゃん」
「アンコールって騒いだらシカトされた。」
「いつ?」
「去年」
「オレもだ。」
「夏ってスイカうまいよね」
「カブトムシレベルだな。」
「ねぇタカシ?」
「ん?」
「あの人見て!」
「あの人ってあの人?」
「カンコーヒー飲んでる人。」
「サラリーマンかな?」
「大変そうだね。」
「そうだな。これから仕事なんだろうな。」
「カンコーヒー何本目かな?」
「一本目だろ?」
「そうかなぁ?だって仕事だよ?」
「ん?」
「仕事とはいえ大変そう。」
「あのさぁ。」
「ん?」
「あの人、カンコーヒー飲むのが仕事じゃねぇから。」
「えっ?」
「スーツ着てたら仕事中って意味じゃないかんな」
「そうなの?」
「タップンタップンなるだろ?」
「スーツ暑そう。」
「サラリーマンだからな」
「半袖のスーツってないのかな?」
「ないよ」
「なんで?」
「蚊にさされるから」
「そうだね」
「ってかさっき肌寒いって言ってなかった?」
「まだ飲んでるよ」
「そうとう甘いんだろうな」
「微糖かな?」
「あれコーヒーじゃなくね?」
「あっ!オレンジュースだ。」
「ジがたりねえよ。」
「やっぱ仕事だよ。」
「それは違うって」
「ライバル社かな?」
「考えすきだって。」
「大変そうだね。」
「ってかさぁ」
「なに?」
「朝6時だせ?」
「あの人早起きだね。」
「俺らもじゃね?」
「タカシが5時に駅って言ったじゃん」
「夕方のつもりだった」
「5時だけじゃわからないもん」
「ごめんな」
「なんでタカシは5時に駅きたの?」
「スケジュールに間違えていれた」
「私達ってさぁ」
「ん?」
「バカップル?」