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MSW  作者: 景雪
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自殺志願者

 次の日、俺は早くも一人で鈴木の相手をさせられた。

 マキちゃん、ひどいよ。一人でこんなババアの世話はやだよ。

 「先生、屋上から飛び降りるのと、ロープで首をくくるのと、どっちが楽ですか?」

 「窓でも開けましょうか」

 「やだ。いやだ」

 「でも、閉め切っていると空気が濁るし」

 「空気が見えるの? 先生」

 「いや、見えないけど」

 「嘘つき。先生の嘘つき! 出てって!」

 こうして俺は鈴木に三十秒で追い出された。仕方がないので、昨日マキちゃんと訪問した十人ばかりの病室を適当に回り、どうでもいい会話で時間をつぶした。


 翌日、鈴木の病室をまた訪問する。

 「先生、屋上から飛び降りるのと、ロープで首をくくるのと、どっちが楽ですか?」

 しめた。昨日のことは忘れているか、少なくとも根に持ってはいないな。

 「どっちも苦しいよ」

 「生きてる方が苦しい」

 「そんなことはないよ」

 「何で?」

 「いいことだってあるよ」

 「例えば?」

 「うーんと……そうだな……」

 「出てってよ!」

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