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第1話賞金ハンター ヴァン登場

屋敷の奥から、白煙がゆらりと立ち上っていた──。

続けざまに、ドォン!! と爆音。炎が噴き上がり、夜空を赤く染める。

爆煙を切り裂くように、二つの影が跳ね出た。長身の男と、黒く艶やかな毛並みの黒猫。


◆爆炎の中を駆ける二人

黒猫のベルベット・ノアール──通称ノエルは、走りながら耳を伏せて叫ぶ。

ノエル「も〜っ!! なんでいつもこうなるのよ!!」

男──ヴァンは手に持ったの大型銃をリロードしながら、全く悪びれない様子だ。

ヴァン「仕方ねぇだろ!この 屋敷迷路みたいになってて、覚えられるかよ!」「……だから出口が無いなら、作るんだよ!」

悪びれるどころか、爽やかに笑っている。

ノエル「はぁ……方向音痴がここまで来ると逆に尊敬するわ」

呆れ返って横目で見るノエル。

だが次の瞬間、ノエルはぴたりと立ち止まり、尻尾をピーンと立てた。

ノエル「……警備兵、まだいるみたいよ」

ヴァン「マジかよ、面倒だなぁ……」

気だるそうにつぶやくヴァンの前に、警備兵たちが駆け込んでくる。

ヴァンは銃器を構え、引き金を引いた。

ボンッ!!

発射された特殊弾が白い煙をまき散らし、周囲を一気に覆い尽くす。

ヴァン「へいへい! さっさといくぞ!!」

白煙の中へ飛び込む二つの影。そのまま夜の闇に紛れ、消えていった──。


◆・繁華街

人の笑い声と音楽が混ざる賑やかなテラス席。その雰囲気にまったく似つかわしくない、怪しい風貌の男と黒猫が座っていた。

ヴァンはノートPCを開き、画面を睨みつけている。

ヴァン「ったく、この街は事件だらけで……どれから手ぇつけりゃいいんだ?」「……おい、聞いてんのか?」

声を向けられたノエルは、テーブルに丸くなって完全に寝たふり。

ヴァン「チッ!普通の 猫のフリしやがって」

この街では政治に深く関わり始めた──ボッテルガの台頭とともに治安が急激に悪化していた。軽犯罪は野放し、裏通りは荒れ放題。警察も困ってるとのこと。

ヴァン「そろそろ金も尽きるし……高額賞金のターゲット捕まえねーとな」

だるそうにスクロールしていると、ある記事が目に止まった。

ヴァン「ん……? 少女連続失踪事件……」

今週だけでさらに5人。この一ヶ月で14人の少女が消えた。

ヴァンは好物のパイを頬張りながら記事を読み進める。

記事のコメント欄─“ギャング組織との繋がりが噂される成金商人ボッテルガが怪しいのではないか。

警察も調査するものの、証拠は一切掴めず、捜査は難航。”

ヴァン「……へぇ。やっぱり怪しいじゃねぇか、成金商人さんよ」

口角をゆっくりと吊り上げる。

その表情を、ノエルは半眼で面倒くさそうに見つめていた。。

ヴァン「よし。ちょっくら様子でも見に行ってみますかね」


◆夜・ボッテガ屋敷前

巨漢の衛兵が巡回し、外壁には監視ドローンが飛び回っている。屋敷は、やけに厳重すぎた。

ヴァンは木陰から屋敷を見上げ、鼻を鳴らす。

ヴァン「ここがボッテガの屋敷ね〜」「悪いことして儲けてますよ〜って臭いがプンプンするぞ」

ノエルは尻尾を振り、ため息。

ノエル「どう見ても普通の屋敷じゃない。感知センサーやトラップだらけよ・・・」

ヴァンは不敵な笑みを浮かべ『何を隠してやがるんだ』と小さく呟く

そして──二人は屋敷の闇へと潜り込んでいった。


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