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転生魔王様のゆるふわ保育園経営日記  作者: 櫻木サヱ
魔王、保育園に転生する

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3/11

園児たちとのはじめての触れ合い

「……ここは……戦場か?」

転生初日の混乱から一夜明け、魔王マオはまだ半分呆然としていた。

園児たちは相変わらず元気いっぱいで、朝の自由遊びの時間には、砂場、積み木、絵本コーナー、室内滑り台、全ての遊具をフル活用。


マオが一歩踏み出すと、3歳の男の子が小さなスコップを持って駆け寄ってきた。

「園長、見てー!お城作ったの!」


見ると、砂場に小さな泥の城がそびえ立っている。

「……これを……倒すのか?」

魔王は条件反射で手を上げ、闇の魔法で一掃しようとした瞬間、サクラに軽くツッコミが入る。


「園長、それはやめてください。壊さなくていいんです!」


慌てて魔法を止め、砂の城に手を触れると、園児たちの無邪気な視線が刺さる。

「園長、怖くないんだ!」

「魔王なのに優しい!」


……いやいや、優しいんじゃなくて単に制御不能になっただけなのだが。

マオは頭を抱え、魔王としての威厳を必死に取り戻そうとする。


しかし、園児たちの攻撃は止まらない。

積み木タワーを倒すのは日常茶飯事、絵本を抱えて走り回る、紙吹雪を投げまくる――

まるで小さな暴風の中で戦っているようだ。


その時、0歳児の赤ちゃんが突然泣き出した。

魔王は条件反射で魔力を放ち、泣き声を封じようとするも、サクラにまた制止される。


「園長!泣いてる子は抱っこで安心させるんです!」


抱っこ……?

魔王、抱っこなんてしたことがない。

腕を差し出すと、泣き出した赤ちゃんが無邪気に抱きついてくる。

……意外と重い。しかもかわいい。


「……この……小さな人間ども……手ごわい……!」

魔王の声は震えつつも、心のどこかでほのかな達成感が芽生える。


午前中の遊びが終わる頃には、マオは完全に泥だらけ。

マントは砂まみれ、名札は傾き、髪の毛には紙吹雪が絡みついている。

それでも園児たちは笑顔。

「園長、明日も遊ぼうね!」


その無邪気さに、魔王は思わず小さく呟く。

「……世界征服よりも、こっちの方がずっと……難しい……だが……面白い……」


こうして魔王は、園児たちとの初めての触れ合いで、自分の力ではどうにもできない“笑顔守護の戦い”に身を投じることになる。

世界を恐怖で支配していた頃のマオからは想像もできない、泥だらけで笑いに満ちた日々の始まりだった――


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