親子でのゲーム大会
園内は朝から興奮に包まれていた。
今日は「親子でのゲーム大会」――障害物競走、玉入れ、ミニリレーと、園児と親が力を合わせて競う日だ。
「……本日の任務……力加減……慎重……いや……豪快……」
魔王マオは黒マントを翻しながら、園児たちと親たちを見守る。
戦場では力が全てだったが、ここでは力加減が大切――しかし、魔王にとってそれは未知の領域だった。
まずは障害物競走。
園児たちは元気いっぱいにスタートラインへ。
「よーい、ドン!」
マオは瞬間魔力でスタートを助けようとするが、勢い余って風のバリアが発動。
園児たちが一斉に飛び跳ね、親たちも巻き込んで大混乱。
「園長ー!止まってー!」
サクラとケンジは必死で制御する。
それでも園児たちは楽しさ全開で、障害物を飛び越えたり、くぐったり、泥まみれになりながらも笑顔を絶やさない。
次は玉入れ。
「……魔力使用……いや、ここは……手加減……」
マオは紙吹雪の魔力で玉を誘導しようとしたが、親たちのチームにも飛び火。
玉が空中で舞い、園児も親も大笑い。
「園長、豪快すぎます!」
「でも面白い!」
園児たちは笑いながら玉を拾い、さらに投げる。
最後はミニリレー。
魔王は自分の魔力を使わず、園児と親が自分の力で走るのを見守ることに決める。
だが、リナが転びそうになった瞬間、魔力が反射的に発動。
「……危険……回避……!」
リナは無事バトンを渡し、親も笑顔で応援する。
レースが終わると、園内は歓声と笑い声に包まれた。
園児も親も満足の笑顔。
「園長、ありがとうございました!」
マオは泥まみれの手を拭いながら、小さく頷く。
「……守る……笑顔……そして……混乱もまた……楽し……」
魔王の目には、戦場での冷徹な光ではなく――
笑顔を守る優しい光が宿っていた。
親子で笑い、園児がはしゃぎ、魔王も巻き込まれる――
今日のゲーム大会は、ゆるふわ保育園の“混沌の楽しさ”を改めて教えてくれる日となった。
こうして園内イベントは無事終了。
しかし魔王の冒険はまだ続く。
次回は「魔王流演劇発表」で、園児たちの無邪気な発想に翻弄される戦いが待ち受けるのだった。




