手作りおやつ作り大会
園内は朝から賑やかだ。
今日は待ちに待った「手作りおやつ作り大会」。
園児たちはエプロンをつけ、魔王マオも少し気合を入れて黒いマントを肩にかける。
「……本日の任務……甘味……創造……そして……混乱制御……」
魔王は深呼吸し、材料の前に立つ。
小麦粉、卵、砂糖、チョコチップ――
戦場とは違うが、心臓は少し高鳴る。
園児たちは目を輝かせ、サクラやケンジに手順を確認しながら準備を始める。
「園長ー!これどうやって混ぜるの?」
リナが小さな手でボウルを押さえる。
マオは指先に魔力を集中させ、小麦粉をふわっと舞わせてみせる。
「……ふむ……均等に混ぜる……魔力活用……」
しかし魔王の魔力は強力すぎて、粉が一気に空中に舞い上がり、園児たちは紙吹雪と見紛うほどの粉まみれに。
「園長ー!粉が顔に!目に!」
「わー!服も真っ白!」
園児たちは大笑いしながら、粉まみれの顔で作業を続ける。
サクラは小声でツッコミ。
「園長……控えめに……」
魔王はうなずくが、つい魔力を少し増幅してしまい、チョコチップが空中散布される。
「……これは……爆発的喜び……いや、混乱……」
園児たちはチョコチップを手でキャッチしたり、口に運んだり、大はしゃぎ。
マオも小さな手に粉をつけながら、笑顔を見せる。
「……魔力より……楽しさ……大事……」
しかし、ハナが卵をひっくり返してしまい、床に広がる白と黄身の海。
「園長、どうしよう!」
魔王は素早く紙吹雪の魔法で卵を固定し、混乱を最小限に抑える。
園児たちは「すごーい!」と歓声をあげるが、マオは心の中で冷や汗。
さらに、ユウトとリナがチョコチップで小さな投げ合いを始め、笑いの嵐。
サクラとケンジは必死に捕まえながら、「園長……魔力使いすぎです」と呆れ顔。
数十分後、粉まみれチョコまみれのおやつが完成。
園児たちは大喜びで試食し、親たちも笑顔で見守る。
「園長、さすがですね!」
魔王は泥まみれの手を拭い、誇らしげに頷く。
「……守る……笑顔……甘味も……」
こうして手作りおやつ大会は、粉まみれ・チョコまみれ・紙吹雪まみれの爆笑ハプニングに包まれながらも、園児たちの満足と笑顔で無事終了。
魔王マオは、甘い香りの中で静かに心を温める――
戦場での冷徹な支配力ではなく、笑顔を守る魔王の力がここにあるのだと感じながら。
遠足に続く園内イベント――
魔王の奮闘は、今日もまた小さな混乱と爆笑の嵐を生み出したのだった。




