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第27話 デート 隼人視点

「気分転換に出かけない?」


星羅さんがそう言った。


「もちろんです。」



そうして俺たちは、ショッピングモールに向かった。



ショッピングモールに着いて、まず入ったのはセレクトショップだった。


「私の服、選んでもらってもいい? 自分じゃ、何が似合うのかよく分からなくて」


「俺で良いんですか?」


「もちろん」


そう言われた瞬間、喉の奥がかすかに震えたのを自覚した。選んでいい? 本当に?


彼女のために選ぶ服。彼女に似合うもの。彼女に着てほしいと思うもの。

――全部、自分の中にしまっていた願望だ。



星羅さんはなんでも似合う。悩みながらも、黒の帽子と白のパーカー、ゆるっとした黒のズボン。ベージュとブラウンのトップスにスカート。



後者は星羅さんの好みとスタイルに合った組み合わせ。


前者は、俺の瞳の色が際立つように意識した。


試着室から出てきた星羅さんを見た瞬間、視界が少し歪んだ。心臓の鼓動が、耳の奥でざわめいた。女性ものの服の近くは気まずいと思っていた気持ちも吹き飛んだ。


可愛い。似合ってる。


それしか言葉が出てこなかった。


こんなに可愛い星羅さんを他の誰にも、見せたくない。この可愛さも、この笑顔も。


できるなら、俺の部屋に閉じ込めて、外に出したくないと思った。



やっぱり買わないと言われる前に支払った。「絶対着てくださいね」と言ったら頷いてくれた。嬉しさで呼吸が浅くなった。




次に、アクセサリーショップに入った。高級ブランドだと彼女は驚いていたけれど、それでいい。彼女にはその価値がある。いや、それでも足りないくらいだ。

星羅さんは可愛いから、大学で他の男の目を引く。

そこで、事前にオーダーメイドしていた、ブラックダイヤモンドのネックレス。


もちろん、俺の瞳の色。それに、石言葉は自信と成功、魔除けの力、そして、不滅の愛。



星羅さんはずっと驚いていた。

その表情が、あまりにも可愛くて、ずっと目に焼きついて離れない。


今夜、何度も思い出してしまうだろう。可愛い。



俺のも選んでもらった。全部オーダーメイド。



すると星羅さんはラピスラズリのネックレスを選んできた。


無意識だろうか、星羅さんがセレスティアだった頃の瞳の色。石言葉は、真実・幸運、そして永遠の誓い。可愛い。


その言葉を知っていて選んだのなら――彼女はもう、逃げられない。


それを俺につけてくれた瞬間、心の中で誓った。


(二度と逃がさない)


たとえ、どんな形になっても。どんな結末になっても。


彼女が望む世界ごと、俺は全部抱きしめる。


――そして、誰にも渡さない。



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