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はじまり
「さて、そろそろ目覚めのお時間だね。満足はできたかな?」
「はい。色々と、ありがとうございました」
言い終わると同時に、意識が少しずつ遠のきはじめる。
「それは良かった。エリカ、スズをよろしくね」
「言われなくとも!」
覚えているのは、そこまで。そこからは、あたまがふわふわしすぎて、おもいだせない。
☆ ★ ☆
ジリリリリ。
この目覚まし時計の音も、聞き慣れてきた。
「ふあぁ…ぁ」
もう少し寝ていたい欲を抑えながら起きると、隣にはすやすやと眠るエリカの顔が。
「むにゃむにゃ…もうたべられないよぉ…」
一体、エリカは夢の中で何を食べているのだろう。
そう思いながら、私は二度寝した。
やさしくて、あたたかい。そんな日々の、はじまりの1日。




