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まほう
「まずは魔力の流し方からね。一度感覚掴んじゃえばすぐ出来るようになるよー」
そう言って、エリカは私の両手を持った。
…ん、
「なんか、流れてる…」
「その流れてるのが魔力だよ。はい、今度はスズがやってみて」
「えっ、あ、うん」
さっきの感覚を思い出しながら…あ、こんな感じかな?
「すごいすごい!一発で出来ちゃった!」
「えっ…ぇへへ…」
褒められるの、いつぶりだっけ。喜び方、忘れかけてたな。
「次は…魔力を、こう、ボールみたいにしてみて」
「こう?あっ…」
すぐ壊れてしまった。
「そうそう!それを維持できれば、魔力操作の基本はバッチリだよ」
出力を上げつつ、型を作って、オーバーフローしないように…
「ふぬぬぬぬぬ…」
「あれ?段階飛ばしてない?結晶化してない?まぁいっか、此処まで出来れば操作はどうにかなるだろうし」
「…っはー!ぜぇ、ぜぇ…息止まってた…」
ゴトン。
「…あれ?何か落ちた?」
「うん…凝縮し過ぎて結晶になった、スズの魔力が」
「…え?」




