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めざめ
知らない天井。電球でも蛍光灯でもLEDでもない、光の玉が辺りを照らしている。
服も、見たことない服。近代ヨーロッパの服だろうか。高校で使った資料集で見たのが確かこんな見た目だったと思う。
…
ベッドって、こんなにふかふかだったっけ。
「あ、目が覚めた?おはよ〜」
知らない女の子の声。私は急いで飛び起きた。
「わっ!?どうしたの?」
ベッドを勝手に使っていた事を謝ろうとしたが、酷く掠れた呼吸音が漏れて、喉が痛んで咳き込むだけだった。
「あっ、無理に喋らなくていいよ。上手く喋れない事とか諸々は神様から聞いてるから。ベッドは全然気にしないで」
迷惑かけないように、と思っていたけれど、どうやら神様とやらに先回りされていたようだ。
これからどうなるのだろう。
「神様から伝言預かってるから読み上げるね。『お前さんは自分を殺しすぎだ。いわゆる異世界の方でゆっくりできる場所を用意出来たから、そこでしっかり休みなさい』…だってさ」
………これから、本当にどうなるのだろう。