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ひかり

「まぶしっ………ぇ?」

 ……………世界って、こんなに鮮やかだったんだ。自然と涙が零れ落ちた。


「えっ!?色の判別がつくようになった!?おめでと〜!!」

 エリカにその事を伝えると、案の定、私よりも喜んでいた。

 ずっと色覚が機能していなかったから、ついつい周りをきょろきょろと見てしまう。暖かい木目調のテーブル、綺麗な光を放つ魔法陣、真っ白なシーツ…あ、涙の跡がある。まだ認識は少し鈍いけど、目に見えるどれもが新鮮に映った。

「この調子で味覚も取り戻せるといいね〜」

 そうだった。色覚だけで全部取り戻したつもりで居たけど、まだ味覚もあるんだった。

 でも多分、すぐ取り戻せるよね。

 自分が前向きな思考を出来るようになった事には気付かずに、私は朝食の準備をし始めた。

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