表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/26

おしまい

 いつからだっただろうか。

 他者に意見を言わなくなったのは。

 いつからだっただろうか。

 視界がモノクロになったのは。

 いつからだっただろうか。

 食事の味がしなくなったのは。

 いつからだっただろうか。

 …声を出せなくなったのは。 


 ずっと、誰かの言いなりだった。そうじゃないと、怒られるから。

 父の言いなり。母の言いなり。先生の言いなり。同級生の言いなり。上司の言いなり。同僚の言いなり。

 それでよかった。その方が、怒られたりしないから。何もかもが上手くいくから。

 だから、できる限り“自分”を封印した。

 物を見る事に意味を見出そうとしなかった。

 物の味に意味を見出そうとしなかった。

 声を出す事に意味を見出せなくなった。

 誰に何を言われても、動いた。

 色の判別が付かなくて怒られても。

 食事会を断って『付き合いが悪い』と言われても。

 働いて、働いて、働いて。

 倒れた。


 お父さん、お母さん、ごめんなさい。子どもの1人も残せなくて。

 職場の皆さん、ごめんなさい。仕事たくさん残してしまって。


 こうして、私の人生は終わった。

 …はずだった。




 目が覚めると―――知らない部屋だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ