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あたたかさ  作者: 猫じゃらし/大鋸屑
0日目

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おしまい

 いつからだっただろうか。

 他者に意見を言わなくなったのは。

 いつからだっただろうか。

 視界がモノクロになったのは。

 いつからだっただろうか。

 食事の味がしなくなったのは。

 いつからだっただろうか。

 …声を出せなくなったのは。 


 ずっと、誰かの言いなりだった。そうじゃないと、怒られるから。

 父の言いなり。母の言いなり。先生の言いなり。同級生の言いなり。上司の言いなり。同僚の言いなり。

 それでよかった。その方が、怒られたりしないから。何もかもが上手くいくから。

 だから、できる限り“自分”を封印した。

 物を見る事に意味を見出そうとしなかった。

 物の味に意味を見出そうとしなかった。

 声を出す事に意味を見出せなくなった。

 誰に何を言われても、動いた。

 色の判別が付かなくて怒られても。

 食事会を断って『付き合いが悪い』と言われても。

 働いて、働いて、働いて。

 倒れた。


 お父さん、お母さん、ごめんなさい。子どもの1人も残せなくて。

 職場の皆さん、ごめんなさい。仕事たくさん残してしまって。


 こうして、私の人生は終わった。

 …はずだった。




 目が覚めると―――知らない部屋だった。

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