表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/14

第1章 第7話 「拳に宿る絆とミスリル!ガントレット強化作戦」

ボルドの作業場――

「朧牙」を完成させたあと、俺はあることを思い出していた。


 


(……そういえば、ミスリル。まだ渡してなかったよな)


 


俺はカバンから、銀色に光る鉱石――**ミスリル鉱石(極小)**を取り出し、テーブルに置く。


 


「これ、鉱山で見つけたんです。ミスリル鉱石……本物です」


 


「ミ、ミスリルだとォォォ!?」


 


ボルドが目を剥く。


 


「どこでこんなもんを!?……本物じゃねぇか、クソッたれ!!」


 


ユイ「それ売ったら、銀貨何百枚になるのよ!?いや何千!?ちょ、ちょっと私に――」


 


「ダメです!!」


 


「うう……」


 


ボルドは、ミスリルを手に取り、じっと見つめた。


 


「この量じゃあ……剣も鎧も作れねぇな。

精錬しても使えるのはほんのわずか……ガントレットくらいか」


 


その時――


 


ボルドの視線が、アリスの手元に向いた。


 


「嬢ちゃんのガントレット……ボロボロじゃねぇか」


 


アリスが驚いたように腕を引いた。


 


「ま、まぁ……今のやつ、けっこう前から使ってるし……」


 


俺は迷わず言った。


 


「だったら――ボルドさん。

アリスのために、このミスリルで新しいガントレットを作ってもらえませんか?」


 


「えっ……いいの? そんな貴重な素材なのに……」


 


アリスが戸惑いながら俺を見つめる。


 


「アリスの拳は、俺にとって――最初の仲間の“証”みたいなもんだ。

だったら、ちゃんとした装備で支えたいんだ」


 


ボルドが、無言で笑った。


 


「……やれやれ、また火を入れることになるとはな」


 


彼はカチッと火打ち石を鳴らし、炉に火を灯す。


 


「よし……行くぜ。俺の炉とハートが、火を吹くぜ!!」


 


アリス「か、かっこよ……」


 


ユイ「ツッコミが追いつかないわよ……」


 


***


 


数時間後――

完成したのは、銀と黒を基調にした小型の拳用装備。


 


【鑑定結果】

名称:蒼閃の籠手ガントレット

レア度:★★★★

効果:物理打撃+15%、魔力斬撃強化、魔法防御UP

備考:ミスリル製の小型拳装備。リクの仲間・アリス専用として鍛えられた一品。


 


「うわぁ……すごい……」


 


アリスが、それを両手で包み込むように持ち上げた。


 


「これでまた、もっともっと強くなれる。ありがと、リク」


 


「うん。……でも、調子乗って殴りすぎるなよ?」


 


「任せて。ちゃんと、全力でぶっ飛ばすから!」


 


「意味ちが――あいたッ!」


 


ガントレットで軽く拳骨を入れられた。

でも、ちょっとだけ嬉しかった。

次回:「町でお買い物?ギルド前で事件発生!?」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ