第1章 第5話 「希少鉱石とミスリルの煌き!? 鉱山探索でチートが光る!」
ギルドからの新しい依頼――
それは「廃鉱山の素材探索」だった。
「また雑用系かと思ったけど……素材って、意外と金になるんだよねぇ〜」
ユイ=ロゼリア、白衣の天使(ただし金にうるさい)が目を輝かせる。
「今回は鉱石とか魔素結晶がメインらしいね。危険度は中ってとこかな?」
「モンスターも出るけど、探索メインっぽいわね。下手したら地味かも」
「いやいや、こういう地味回……じゃなくて依頼から伝説って始まるんだって!!」
俺――小鳥遊リクは、
なぜかめっちゃテンション高めで鉱山の入口に立っていた。
***
鉱山内部は、想像よりも広くて暗かった。
所々に崩れた壁や、採掘用のカートの残骸が見える。
でも、魔素の残滓がまだ感じられる……つまり、素材は残ってる!
「じゃあ、鑑定スタート!!」
俺のスキル【鑑定】が光る。
【鑑定結果:魔素鉄鋼鉱石(未精製)】
《レア度:★★★/魔力を帯びた鉄。ミスリルの下位互換だが、扱いやすく広く流通している》
「おお……これは売れる!」
「その辺の壁から一瞬で見つけるって……あんた、ほんと何者なのよ」
「草むしりマスターです!!!」
「その設定まだ引っ張るの!?」
その後も俺たちは奥へ進み、魔素鉄鋼や魔素結晶を次々と採取。
ユイが「これで換金いくらになるかな〜」と目をキラキラさせ、
アリスが「素材なんて蹴り飛ばせないから地味だわ」とボヤきながらも進んでいく。
そして――
「ん?」
俺の鑑定が反応した。
【鑑定結果:ミスリル鉱石(極小)】
《レア度:★★★★/魔法耐性を持つ希少金属。主に装飾品や高級防具の素材となる》
「え、これ……ミスリル?」
何気なく掘ってた岩壁の隙間から、銀色に輝く鉱石がポロリと出てきた。
「ミ、ミ、ミスリルゥゥゥゥゥッッ!?」
最初に叫んだのはユイだった。
その顔、めちゃくちゃガチで驚いてる。
「ちょ、リク!?今、ミスリルって言った!?それほんとにミスリル!?偽物じゃない!?え、鑑定で間違いないの!?」
「うん、間違いなく……これ、ミスリル鉱石」
アリスも絶句した顔で岩壁を見つめる。
「ミスリルって、国レベルで買い取るって話聞いたことあるけど……マジで出るの!?」
「っていうか……そんなの、普通の冒険者が掘り当てるものじゃないでしょ!?
それ、出る確率0.0001%とかじゃないの!?なんで掘ってんのあんた!?」
「いや……なんか“光ってる気がして”」
「【なんか光ってる気がして】でミスリル掘るなああああああ!!!」
ユイの叫びが鉱山内に響き渡る。
「もう確定だわ……リク、絶対何かヤバいスキル持ってるでしょ……」
「草むしりスキルです(真顔)」
「お前それ墓まで持ってくつもりかッ!!」
***
その後、追加で魔素鉄鋼と魔素結晶も採掘し、
モンスターを1体だけ倒して探索は無事終了。
「……ってことで、今回の素材、鑑定と計算含めて全部で――」
「え!?銀貨200枚!?やば!!ミスリルの破壊力すご!!」
「ふっふっふ……金の匂いがする依頼、最高〜〜〜♪」
「俺は……なんかもう疲れた……」
鉱山探索――終了。
だが、この素材は次なるイベント――
鍛冶師との出会いに、繋がっていく。
次回:「職人の目を覚ませ!チート鑑定が導く最強の刀」