第1章 第13話 「死霊術師の影!結界の“核”を守れ!」
森の外郭、静まり返った空気が不気味にリクたちの肌を撫でていた。
魔獣の気配は感じられない。だが、異常な魔力の“淀み”だけが、はっきりとそこにあった。
「……ユイ。何か感じる?」
「うん……これは魔獣じゃない」
「まるで、結界を外から削るみたいな……そんな、気持ち悪い魔力」
リクはすぐに【鑑定】スキルを起動し、周囲の魔力の性質を探る。
《鑑定結果:死霊術式・遠隔侵食型呪刻》
《属性:瘴気/術者:不明/目的:結界の弱体化・浸透》
《発動状態:継続中》
「やっぱりか……結界を、外から壊そうとしてる」
アリスが険しい表情を浮かべる。
「これ……誰かが仕掛けてるね。魔獣なんかの仕業じゃない」
その時、ユイが目を見開いた。
「……見て、あれ!」
彼女が指差したのは、結界を構成している石柱の一つ――
そこに、微かだが“ヒビ”が走っていた。
「まずいッ!」
ユイが急いで駆け寄り、補助結界を展開して石柱を支える。
「このままだと……街全体の結界が崩壊する!」
リクは冷静に周囲を見回し、魔力の流れを読み取った。
「核がある。死霊術の“刻印の中心”が……見えた」
「どこ!?」とアリスが叫ぶ。
「座標、北東80メル。岩場の奥だ」
(※“メル”ってこの世界の距離単位で、たぶん地球で言う“メートル”に近い)
リクは走りながら脳内で補足した。
「了解ッ!」
アリスが飛び出し、岩壁に強烈な拳を叩き込む!
ドガァッ!!
崩れた岩の向こうに、骨と呪刻で構成された不気味な“魔法陣”が浮かび上がった。
「これが……死霊術師の刻印か」
ユイが震える声で言った。
「……これ、今も“遠隔操作”されてる。誰かが、私たちの結界を蝕もうとしてる」
リクが魔法陣を見下ろしながら静かに言った。
「これは……“警告”だ。次は、もっと直接的に攻めてくる。――街が、本気で狙われてる」
その瞬間、森の奥から“カラカラ……”と骨がこすれる音が微かに響いた。
誰かが笑ったような気がした。
次回予告:
第1章 第14話「スカル=ヴァルム、侵攻開始!死霊の軍勢を迎え撃て!」




