第1章 第12話 「迫る闇!ミルティ防衛戦、始動」
ギルド内は、いつもとは違う緊迫感に包まれていた。
ざわめく冒険者たち。
受付カウンターの前では、職員たちが次々と任務用の地図や伝令を走らせていた。
ギルマス・ガルド=ブラントの声が、ギルドホールに響き渡る。
「聞け! ミルティ周辺に魔獣の群れが現れた!」
「状況は未確定だが、異常個体が紛れている可能性が高い」
「よって本日より、全ランク冒険者に対し――防衛任務を発令する!!」
一斉に緊張する場内。
そして、ガルドの視線がリクたちに向けられた。
「お前たちには、“外郭偵察任務”を頼む」
「魔獣の進行ルートを確認し、異常があれば即座に報告しろ。……任せられるのは、お前らしかいねぇ」
その言葉に、周囲の冒険者たちがどよめいた。
「Cランクで外郭偵察?」「あいつら……どんな任務受けてきたんだ?」
だが、リクたちはまっすぐにギルマスを見据え、深く頷いた。
「了解。全力でやります」
──数時間後。
町の外、森の外縁部。
風が止み、空気が重く、音ひとつしない不気味な静寂が広がっていた。
「ここまで静かなのは……逆に怖いね」
アリスが呟く。
ユイは目を閉じ、周囲の魔素の流れを感じ取っていた。
「……いるわ。前方、森の中に複数体……いや、群れ」
「でも、なんか……誘導されてる感じがするのよね」
「誘導……?」
リクは、以前森で見つけた魔法陣を思い出した。
「またあの“呪刻”かもしれない。罠の可能性もある……」
その時――
茂みが揺れ、魔獣の一体が姿を現した。
まだ距離はある。だが、こっちを警戒している様子はない。
「様子見か……それとも偵察役か?」
リクは静かに剣を握りしめた。
ここが“戦場”になる可能性は高い。
仲間たちも、すでに構えを整えていた。
「アリス、ユイ。準備は?」
「いつでもいけるよ!」
「回復と結界は任せて」
「よし――始めよう。防衛戦、第一段階。開幕だッ!」
次回予告:
第1章 第13話「暗躍する死霊使い!敵の目的は“結界破壊”!?」




