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幼少期1-2
幼稚園に入園した。
私立で、キリスト教系の幼稚園だった。
いまはもう連絡がとれない友人と出会う。
いつも一緒になんでもやっていた。同じものを同じ熱量ですきだった。そしておそらく、自分と同様に極左だった。彼らの中には正しさがあった。
自分は彼らの正しさに耐えきれず連絡先を消した。
きっともう会うことがない、自分のファーストキスの相手。
えんぴつの芯を集めて、それを通貨として遊んでいた。牛乳を飲むだとか、ドリルをやるだとか、お菓子と交換とか、そういう経済圏が自分によって形成されていた。最も価値が高いとされていたのは虹色の色鉛筆だった。
当然、胴元の自分がいちばん儲かった。内部の経済圏で。そう、得ることへの貪欲さは昔からだったんだ。