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偽の王  作者: 田中正征
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2話

麗人はおもむろに門の裏側へと回り込むと思いっきり門を押した。彼女の顔は烈火の如く真っ赤になっている。それでも門は開かない。そうして数分格闘したのち彼女はこちらに小走りで戻ってきた。これ以上ないほど爽やかな笑顔なのでさぞ良いニュースがあったのだろう。

「すまない!君戻れないや!」

突如放たれた爆弾発言に私の思考は止まった。

何言ってんだこいつ、とも思ったし本気で一発だけ殴らせてほしいとも思った。

終わりを悟ったかのような満面の笑みで呆然と立ち尽くす彼女をどうしてくれるんだとゆすっていると突如後方から何かが崩れる音がした。そこまで遠くという訳ではなさそうだが遠方で何かが起こったようだ。この後で彼女はハッと我に帰ってはこう言った。

「君は命を賭してでも元の世界に戻りたいかい?」と。

きっと命懸けで何かをする以外に自分が元の世界に帰る方法はないのだと悟った私の返事は早いものだった。

「当然だ」

「今の音の元凶を倒せば君は元の世界に帰れる。倒せなければ死ぬ。いいね?」

私には事の重大さはそこまで分かっていないが彼女の反応を見る限りきっと一刻を争う事態なのだろう。

私は一体どんな大変な出来事に巻き込まれてしまったのだろうか。

そんな事を気にしていると彼女も察してくれたのか今の状態について音の出所に行くまでに詳しく話してくれた。

彼女曰く今自分達のいるこの場所は狭間と言うらしく大体3.5次元にあたるほんのちょっとだけ高い次元に存在している世界らしい。この世界と私の元の世界を繋ぐものがあの大きな門だそうだ。そしてこの世界にはある特殊な血を継ぐ人間だけが入場する事が可能で、今まで彼女はその血筋の人間以外を見た事がなかったので、何も事情を知らずにここへ来た明らかに見た事ない顔の人間を見て驚いていたそう。本来この"あの音の元凶を倒せ"といったミッションもその血族の人間のみに課されるものだそうで突如迷い込んできた私の事は無条件で出せるだろうと門を押してみたら出せず、結局ミッションをクリアするまで出れないなんて事になってしまったらしい。それからこれを会って最初の方に話したのは私が不具合で狭間に入場しただけにどこまで話して良いのか分からなかったから、だそうだ。試練を越えるからには部外者と言って何も話さない訳にもいかないので今になって色々話してくれたようだ。これから一体どうなるのだろうか。

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