表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

異世界で主人公になる方法

作者: ミリやう

  

 俺の人生はつまらない。


 先が、将来が最初から決まっているようなそんな人生だ。


 俺には小説や漫画の主人公みたいに、沢山のピンチが襲ってくることは無ければ、特別な力もない。


 だけど俺はこの世界の主人公になりたい。


 傲慢な人間だ。




 --




 俺は毎朝6時に起きる。

 

 敷布団と掛布団を畳んで、部屋を出る。


 2階の自室から1階に降りて洗面台に行って、顔を洗う。


 少し長い髪の毛の寝癖直しをしたらワックスで髪をセットする。


 寝間着から高校の制服に着替え朝食を食べる。

 

 水筒に水を入れ、おにぎりを4、5個弁当箱に入れる。


 忘れ物をしていないか確認して、靴を履き、玄関のドアを開けて外に出る。


 ドアに鍵をかける。


 電車に乗って3駅先の学校の最寄り駅に行く。


 学校に着いたら6限の授業を受けて、所属している文芸部の活動をしたら、また電車に乗って帰宅する。


 帰宅したら自室の勉強机で課題をする。


 課題が終わったら、外に出て2キロ程走る。


 それが終わったら、風呂に入って、夕食を食べて、ニュースを観て、自室に行く。


 明日の予定を確認して眠りにつく。


 そしてまた6時に起きる。


 毎日毎日同じようなことの繰り返し。

 

 きっとこのままじゃ死ぬまで同じような毎日を送っていくのだろう。


 どんなことでも良い。


 俺のこの退屈で窮屈で最初から全部決まっているような人生を変えてくれるようなことが起こってくれ。


 俺はずっとずっと願っていた。


 何かに願っていた。


 願ったところで何も起きなかった。


 当たり前だ。


 それでも主人公になりたかった。


 だから願い続けた。


 そして84才で俺の人生は幕を閉じた。


 死ぬ間際でさえも願い続けた。


 その願いが、いや執念が実ったのか俺は転生した。


 俺は前世の記憶を持ったまま、魔法が世界の中心である異世界に。


 こうして俺の2回目の人生は幕を開けた。


 


--



俺はつまらない人間だ。

 

つまらない人間って、分かってるのに、願ったって何も叶わないことだって分かってるのに。


現実逃避をしている俺はどこにでもあるラノベのような妄想をしている。



ーー



こんなにもつまらない人間の俺はこの世界にはいらない。


いや、このつまらない世界に俺がいるべきではない。


ーー


俺は朝四時半に起きる。


 


 敷布団と掛布団を畳んで、部屋を出る。




 2階の自室から1階に降りて洗面台に行って、顔を洗う。




 少し長い髪の毛の寝癖直しをしたらワックスで髪をセットする。




 寝間着からお気に入りの服だけど周りにはセンスないねと言われた服に着替え朝食を食べる。


 


 水筒に水を入れる。




 忘れ物をしていないか確認して、靴を履き、玄関のドアを開けて外に出る。




 ドアに鍵をかける。




 電車に乗って自分の一番好きな場所、辛いことがあった時によく行っていた場所に行く。




 気が済んだら、また電車で移動する。



景色が良い建物に行く。



屋上に行く。



フェンスを乗り越える。



下を見ると車や人が小さく見える。



今までのことを思い返す。



辛いかったこと。



悲しかったこと。



苦しかったこと。



嬉しかったこと。



楽しかったこと。



顔を上げて空をみる。





「ははっ。つまんねえ人生だった。」





フェンスから手を放す。



体が下に下に落ちていく。



それがとても気持ちが良い。



次に目が覚めたら俺は異世界に転生してて、魔法の才能があって、沢山の仲間が出来て、最高の日々を送る。



あぁ、とても、楽しみだ。



体が下に落ちていく。



凄い衝撃と共に俺のところに持って来てくれ意識は途切れた。















 


 


 


 

最後まで読んで下さりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ