14章 ジャネットとシンディ
冬休みが終わり、新学期になりました。
リックのクラスである初等部の4年B組では、担任のカール先生が転入生の紹介をしていました。
ジャネット・カーマイケルはエリック・カーマイケル弁護士の12歳の娘で、礼儀正しくかわいらしい女の子です。勉強もできてダンスも上手なジャネットは非の打ち所がないので、転入早々学院中の注目を集めました。
リックはとなりの席に座るジャネットのことを警戒していました。ジャネットを妹のロッティに近づけたくなかったのです。
放課後、リックはジャネットに声をかけられました。
「ごきげんよう、いい天気ですね。どちらへ行かれるんですか?」
「妹を探しに行こうと思ったんだ。」
「では、私もご一緒していいですか?あなたの妹にもごあいさつがしたいので。」
「大丈夫、1人で行けるよ。」
リックはそう言って、ハリーが持って来たナッツのぬいぐるみを見せるためにロッティを探しに行きました。
「ふふ、つれない方ですね。あら?あの方は…。」
リックを見送ったジャネットは、ふとセーラを見つけました。ジャネットはセーラとローラに近づいてこう言いました。
「あなたたちは原石…。それも磨けば、かなりの輝きを放つものです。」
それだけ言うと、ジャネットはその場を去りました。ジャネットが何を言おうとしたのかがわからず、呆然とするローラにセーラが言いました。
「前に会ったことがあるのだけど、不思議なことを言うわよね。」
台所にも新しく雇われたメイドが働いていました。シンディ・キッドマンはベッキーと同い年で、ただ無気力に命じられたことをしていました。ベッキーはシンディに立ち直ってほしかったので、常にシンディのことを気にかけていました。
だからベッキーは、こんなことを言っていました。
「シンディ、あんたはアタシを知らないかもね。けど、アタシはあんたをよく知ってるよ。あの頃、どん底だったアタシは…あんたをずっと、見上げてたの。正直、嫉妬もしたよ…おかしくなりそうなくらい。だからアタシは…今のあんたをほっとけないの。」
シンディはミンチン学院のメイドとして働く前は、ティーンエイジャーの女の子を中心に人気のガールズバンド「メルティベリー」でボーカルをしていました。所属していた事務所とトラブルを起こして脱退した後は、考えることを放棄して生きていましたが、本当は未来をつかみたいと願っていました。
ある日、院長室にアメリア先生が1枚の紙を持って駆けこんできました。その紙には「ミンチン学院を襲撃する」と書いていました。
「お姉様、これはきっと脅迫状よ!差出人にはノワールローズとあるわ!」
「放っておきなさい。ただのいたずらよ。」
ミンチン先生は冷静に言いました。もしこれがいたずらだったら、かなり悪質なものです。
「生徒を危険な目にあわせたくない…私はどうすれば…。」
アメリア先生は、ローズノワールがミンチン学院を襲撃しに来ないことを祈ることしかできませんでした。




