ポエム
僕にも春が来た
今まで単調だった時計に歯車が一つ増えたことにより複雑に、だが軽快に回り始めた
夏になり歯車が増えた時計は以前より滑らかに時を刻んでいた
多くを共にし、ぼくらはこの時間がずっと続くと思っていた
その時は突然来たように感じたが、予測していたようにも思えた
潮風で歯車が錆び、噛み合わなくなったのだろう
今思えば互いが被害者でもあり、加害者であったのだろう
歯車が一つ消え、元に戻ったはず時計はなぜか乾いてた音をたてて時を刻んでいた
僕は虚無であり、無為に生きていた
失ったものを数えたところで時計は今を刻むだけだ
いつかまた春がくると信じ、僕は真っ白な冬を歩んでいる