表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
159/191

157.一番弟子

ここでの一番弟子の意味は「弟子のなかで最もすぐれた者」になります。

 翌週、私の病気は悪化していました。


「……師匠に会いたい、会いたいです」


 もはやベッドから起き上がる事さえ億劫です。これも全部師匠が悪いのです。


 初めての弟子だからかもしれませんが、師匠があんなにも私を可愛がってくれるから……あの天然人たらしが私をその気にさせたのです。


 室内だというのに帽子を目深に被り、その鍔をキュッと掴みます。

 最近は寝ても覚めても師匠のことばかり考えてしまいます。


(ずっと師匠の一番弟子でいたいな。だけど有名な魔法使いはみんな複数弟子を取るって授業で言ってたし、師匠もいつかは私以外の子を……ああもう考えちゃだめなのに!)


 師匠のことを考えると身体が熱くなって心臓がドキドキして止まらなくなります。


 私はいつの間にか師匠のことが好きになってしまいました。それを自覚したのはいつからでしょうか?


 最初はただの尊敬の念だったのですが、今では師匠が側にいないだけで寂しいと思ってしまいます。師匠は今何をしているのでしょう? もう寝てしまったのでしょうか? それともまた魔法の研究をしているのでしょうか? 


 師匠の事を考えるといてもたってもいられず、師匠の声が聞きたくなってしまいます。


(もう近くまで来ている筈なんですけど……)


 港町で師匠が私を追いかける時に使った魔力探知の方法は教わっていますが、師匠の隠密スキルが高い為か全く感知できません。でも確実に近くには来ている筈なんです。


 それは何故かって? 私の師匠センサーがそう言っているからですよ!!


「ううっ〜。師匠のせいで何にも手が付きませんー」


 そんな私の様子をヴァネッサが巷で話題の恋愛小説片手に呆れた顔で見ています。私がこの状態になっている時は大抵師匠絡みだと分かっているのでしょう。


「リベアが休日だらしないのはいつものことだろ……ってなんだよその目は、おい、やめろよ!」


 他人事ですねー。まーそうなんですけど、でもちょっと腹が立ったので意地悪してやります!


 私は彼女に軽く抱きついた後、パッと離れます。


「……師匠じゃなかった。師匠はこんなにスラッとしてないです」


「あ……? それはあたしに喧嘩売ってると捉えていいのか?」


 彼女は本を置いて立ち上がり、クイクイッと手招きします。野蛮ですねー。本当に貴族様なんでしょうか? まぁ、根っからの貴族様だったらこの部屋に入り浸っていないでしょうし、私もこうして仲良くなることは無かったでしょうね。


「喧嘩は売り買いできるものではないですよ。馬鹿なんですか? あ、馬鹿でしたね。すみません」

「てめぇ……」


 不遜な態度が取れるのも彼女が元平民だという事を知っているから。ニーナちゃん相手には絶対できない対応ですね。立場的にも人柄的にも。


 私がやれやれと肩をすくめるジェスチャーをすると彼女の額に青筋が立ちます。


「自分が成績上位だからって、ほぼ最下位のあたしを馬鹿にするんじゃねー! あたしだってなー、家の恥にならないよう頑張ってるんだよ!!」

「でも結果がついてきてないようですが?」


 胸を抑えるヴァネッサ。追い打ちが効いたようです。

「うぐっ」


「ヴァネッサには魔法の才能がありますから。そっちを伸ばしていけばいいんですよ。私もどちらかと言えばそうですし」


「やっぱ特待生様は違うねぇー。それなら成績上位はニーナに譲ってやれよ。上位三名はいくらか貰えるんだろ?」

「貰えますけどそれは出来ません。師匠の弟子として三位以下という恥ずべき成績を故意に取るわけにはいきませんし、それに手を抜いたらニーナちゃんは怒りそうですから」


「まあそういう子だよな。今日も働きに行ってるんだっけか?」

「ですね。師匠探しのついでに様子見てきますね」


「おう」


 部屋を出てふと思いました。なぜヴァネッサはこうも毎度うちの部屋に来るのか。やっぱりルームメイトのドロシーさんと上手く行ってないのでしょうか? 二人とも価値観が違い過ぎて衝突しているのかもしれませんね。


「…………ま、別にいいですか」


 それからの記憶はありますけど、あまりありません。寮を出た後はただひたすら師匠を探して街を歩き、ニーナちゃんの元まで向かっていました。


(師匠師匠師匠師匠……あれ、今すれ違った人もしかして師匠? あ、違う。間違えた)


 私には道ゆく人が全員師匠に見えてきました。


 ですがそこで奇跡が起きたのです。


(あの髪色、匂い、ちょっと猫背気味の歩き方。印象に残りにくい不自然な感覚。これは認識阻害! って事は本物の師匠だ!!)


 私はその師匠っぽい人に思いっきり抱きつきました。


「師匠!!」


 これで間違っていたら大問題ですね。だけど私の感覚は間違っていませんでした。


「――参りましたね。なんでわたしだと分かったんですか? バレない自信があったんですけど」


 そっと頭を撫でながら師匠が言います。ずっと聞きたかった師匠の声です。


 ガバッと顔を上げると師匠の顔が目の前にあり、私は慌てて顔を伏せます。


(ち、近い……!)


「ん? どうしました?」

「い、いえなんでもないです」


 師匠は不思議そうに首を傾げています。可愛い。


「それでどうしてここにいるってわかったんですか?」


「師匠センサーですよ! 師匠の事ならなんでも分かります!!」

「そうでしたか。流石はわたしの一番弟子ですね〜」


 そう言いながら私の帽子を取り、優しく微笑んでくれます。


「あ……」

「やっと顔が見えました」

「うう……恥ずかしいので見ないでください」

「嫌です。折角会えたんですから。もっとよく見せてください」

「あう……師匠ずるいです」


 師匠を認識した事で、私に対する認識阻害の効果は切れていました。

 つまり今、この世界で師匠を見ているのは私だけです。


「うう、師匠〜! 本当に会いたかったですー!」


「わたしもですよ。リベア」


 少し意地悪だけど、優しい笑顔。それは紛れもなく本物の師匠でした。


ここまで読んで頂きありがとうございます!


胸の大きさの順番はフィア、ソフィー、リベア、ティルラ》》》ケイティ、ヴァネッサ、アリスちゃんです。


「面白い」

「続きが気になる」

「リベア可愛い!」


と思ったら、広告下↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです。


感想も待ってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ