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121.ティルラ様とリベア様の日常

――さて、眠ってしまっタティルラ様に代わってワタシから。今から語ルのは、グラトリア家で過ごすティルラ様とリベア様の日常のほんの一部です。


 全部ヲ語るには、少々時間ガ足りませンからね。


 え、ワタシですか? ワタシはティルラ様の魔力から生まれタお二人ヲ見守る思念体のヨウナものです。故に身体ナンてありませンし、存在そのものがあやふやデ今後もお二人の物語に関わる事はありません。一度間接的に関わっタといえば、ティルラ様に呼ばれてリベア様にお仕置きヲしたときでしょうか。


 アレ以来、少しダけ意識がハッキリしてます。ティルラ様が眠っている間、限定ですが。


 ワタシに出来る事はタダ二人の事を見守り、こうしてティルラ様の中デ見タ光景を思い浮かべルだけ。


 視点はもちろん、ワタシのご主人様であるティルラ様です。なにせワタシはティルラ様の魔力ナノですから――


◇◆◇◆◇


 今はリベアと二人で話しながら文字のお勉強中です。


「リベア。そこ、字を間違えています」

「あ、ほんとだ。すみません……読むのは簡単なのに書くってなると大変ですね」


「リベアは村育ちですから仕方ないですよ。村では文字が書けなくても不便ありませんし、自分の名前さえ書ければそれで十分ですからね」


「だけど学院に入学するなら絶対必須ですよね?」


「そうですね。ですがリベアは覚えがいいですし、字も綺麗です。徐々に慣れていけばいいと思いますよ。あ、そこまた間違えてます」


「え、どこですか……あ、こことここか」

「はい、正解です」


 皆さんとの話し合いで、まず最初に決まったのがわたしとリベアの学院入学。こちらの条件を王家側に書面で伝えると二つ返事で返ってきました。


「その代わり入学のタイミングはずらすようにって言われましたけど。こればっかりは在校生に変な勘繰りをされない為にも必要な措置ですね」


 弟子が順風満帆な学校生活を送れるかどうかは、わたしにかかっています。頑張りませんと!!


「疲れました……」


 リベアは羽ペンを置いて、「うーん」と大きく伸びをします。


「少し、休憩にしますか」

「はい、そうしましょう!」


「じーっ…………」

「な、なんですか?」


「そりゃ」

「んひゃっ!」


 あ、かわいい声。


 休憩がてらに脇腹をつつくと「やめてくださいっ! そういうのは夜にお願いします!!」と可愛く怒られてしまいました。


「師匠のえっち……です!」

「そんな事を言うリベアの方が変態なのでは?」


「私はいいんです! 弟子ですから!!」


「じゃあわたしもいいですよね? あなたの師匠ですから」

「それとこれは話が別ですっ!」


 ぷりぷりと怒りながら立ち上がるリベア。その拍子にスカートが大きく捲れ上がってしまいます。


「あっ……」

「あらら。もうちょっとで見えちゃいましたよ?」

「~~~ッ!!! 見ないでくださいぃっ!!」


「あ、ちょ、リベア勘弁――」


 恥ずかしさで顔を真っ赤にしたリベアに思い切りビンタされました。痛かったです……。


「まったくもう……師匠ったら油断も隙もないんですから……」

「ごめんなさい。でも、可愛い弟子の下着の色を知りたいと思うのは当然の事でしょう?」


「なっ、師匠、今日どうしちゃったんですか! いつもと違いますよ、それじゃあ魔法が上手なただの変態さんですよ!」


「え〜酷い言われようです。いつもならもっと距離を取っていたって?」

「ううっ、はい」


 この子、わたしにあれほど熱烈なアプローチをしておきながら自覚ないんですか。なるほどなるほど。



「……――リベア、わたしを本気にさせたのはあなたでしょう?」



「――っ、ずるいですよ師匠は……もうっ、話を戻してください! えっと、私は転校生とかではなく、来年の春頃に行われる試験を受けて、それに合格したらその年の新入生と一緒に入学するんですよね?」


 …………。


 弟子と戯れるのもここまでにしておきましょうか。


 ここまで悪ノリしてなんですが、案外わたしから攻めるのもアリですね。ちょっと楽しかったです。


「はい。時期が時期ですし、その方が都合がよいかと。急な転校生と急な大賢者登場は目立ちますから。特にわたしは新年度に合わせるように強く言われています。大人の事情でしょうね。リベア一人だけなら先に入れますけどどうします?」


「――師匠がいない学院に価値はありません」


 あら〜、即答でした。そんな気はしてましたが、この子、本当にわたしにしか興味ないんですね。嬉しいんですけども。それではダメなんです! 将来わたしみたいな、引きこもりコミュ症魔法使いになってしまいます!!


「そういうと思ってました。まあ試験勉強する時間も必要なわけですし、受験まで約3ヶ月。丁度いいくらいですかね」


「あの師匠。質問なんですが、新年度入学なら別に師匠と時期が被っても大丈夫じゃないんですか? 他にも入学する人はいっぱいいますよね?」


 これが普通の生徒と先生なら、リベアの言う通りなんの問題もありません。


 しかし、あいにくわたしは大賢者であり、彼女はその大賢者の弟子です。


 どう考えても普通人枠ではないのです。


「リベアが試験を受ける王立魔法学院フィルレスムは王国の中でもトップレベル。そして特別枠で受験する平民はリベア、あなた一人だけです。もうお分かりですね?」


「な、成る程……ちなみに今まで平民の合格者は……?」


「調べた限りだと、現生徒会書記。三年生のマリア・ティンゼルさんのみです」


「わ、わぉー……試験、難しいですか?」


「わたしが言うのもなんですが、かなり難しいです。試しに過去の問題集を解いてみましたが正答率8割ほどでした。やばいです」


「何も勉強していないのに8割取れる師匠が凄すぎて、やばさが全然伝わらないです」


「魔法使いとしてはそこそこのシーヴ婆にやらせたら4割程度でした」

「いつの間に……というかあの人、魔法統率協会の上の方に属していたぐらい凄い人なんですよね? それで4割って……やばくないですか?」


「やばいと思います。ちなみに合格点は9割です」

「師匠もしっかり落ちてるじゃないですか」


「はい、落ちちゃいました」

「…………」


 てへぺろっと誤魔化してみますが、冷ややかな目で弟子に見つめられます。


 あ、キツイ。話題逸らそ。


「こ、ここの試験。調べによると毎年半数以上の人が落ちてます」


「逆に言えば半分は受かってるんですね」


「そ、そうなりますね」


「試験内容は全員同じなんですよね?」


「一般枠と特別枠の違いは、貴族的なお作法の試験があるかないかですね――」


 ここまで言って、試験の話をしたのは悪手だった事に気付きます。


 恐る恐るリベアの方を見ると『デリカシーがない』とでも言いたげな顔で、こちらを見つめておりました。


 彼女がそんな反応をするのも当然です。


 わたし達は試験の内容を巡って、この間初めての“ケンカ”をしたばかりでしたから。


ここまで読んで頂きありがとうございます!


「面白い」

「続きが気になる」

「リベア可愛い!」


と思ったら、広告下↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです。


感想も待ってます!

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