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101.やってきた事

「は……はひっ……はぁ……」


 ヘコヘコになったリベアが、息も絶え絶えに、怪我しないように設置したクッションと同化していました。


 少しやり過ぎた気もしますが、白い手にやられている時の「そこっ、よわいんですっ! ふひゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ――」みたいな弟子の可愛い声を聞けたので満足満足。


 これぞ師匠の特権ってやつですね。こんなにしても弟子なので訴えられたりしませんから。


「よく頑張りましたね。丁度5分です。一人で立てますか?」


「むりですぅー。師匠、手を貸してくださーい」


「しょうがないですね」


 くすぐり攻撃を耐え切ったとは言えませんが、魔法で抵抗する事なく最後までやりきった事には素直に讚称出来ます。


 彼女のへろへろな手を掴もうとして少し触れると、うひゃあっ! ずいぶん過敏に反応されてしまいました。


 どうやら5分間ずーっとくすぐられていたせいで、身体が敏感になっているようです。


「ううっー……。せっかくの師匠と手を繋げるチャンスがー」


「まあまあ。これくらい魔法でどうとでも治せます……か、ら?」


 リベアをくすぐっていた白い手の一本が、異空間から現れ、わたしの肩を叩きます。


 おやおやー?


 ちょっと魔力を込め過ぎたのかもしれません。こんなに自由度がある魔法ではない筈です。本当は細かい作業を肩代わりさせる系の魔法ですから。


「あ、どうも」


 白い手が一本の杖を渡してくるとなにやらわたしの魔力を通じて、彼? 彼女? の意思を伝えてきます。


 ふむふむ。どうやら誤って異空間に持ち帰ってしまった事を謝りに来たようでした。なんて礼儀正しい腕なんでしょう。


 別に異空間に持ち去られた物は、わたしの【次元収納】から取り出せるから問題ないんですけど、いい腕さんですね。機会があったらまた召喚? してあげましょう。


「ところでウデさん。どうしてリベアの杖を取り上げたんですか?」

『――――――』


「なるほどなるほど。教えてくれてありがとうございました。リベア〜」


「は、はぃ〜!」


「もう少し、敏感なままでいましょうか」


「え、え。あ――ひゃぁんっ!」


 問答無用で彼女の手を取り、そのまま目的地へと向かう事にしました。


 ウデさんの話によるとお仕置きの途中で、わたしが目を離した隙に魔法を使って逃げ出そうとしたので取り上げたとの事でした。


 いやーウデさん有能ですね〜。


「離したかったら離してもらっていいですよ?」

「ずるいっ!」


 ここで手を離さないのがわたしの弟子です。くすぐったさとわたしと手を繋ぎたいという想いが葛藤して、「ぐにゅぬぬぬー」と変な顔になっていました。


(かわいい)


 無事に彼女を助け出せて本当に良かったです。


◇◇◇


 少し時を戻して、リベアを見失ったわたしが、どうやって彼女を見つけたのかについて語りたいと思います。


 知らない土地、入り組んだ地形。気配がどんどん遠くなる弟子。


『また行き止まりですか! もうこの辺一帯を吹っ飛ばしてしまいましょうか。その方が手っ取り早いですし、幸いリベアの大まかな位置は分かっているので巻き込まないようにすれば……』


 焦っていたわたしは大賢者にあるまじき発言をしつつ、真面目にそれを実行しようとしていました。


 そんな時です。後ろの建物から出てきたおばあさんがわたしに声を掛けてきました。


『昼間っから物騒な事を言ってる奴がいると思えば、あんたシャルティア様の隣にいた子かい。大きくなったねー。あん時は娘を助けてくれてありがとう』

『えっと、すみません。どちら様ですか?』


『覚えていなくてもしょうがないね。あん時はまだあんたもちっさかったからねー。あたしもシャルティア様の見送りに行きたかったけど身分が身分でねー。弟子のあんたに言うのもおかしいけど、ご冥福をお祈りするよ』


 口早に喋るおばあさん。どうやら昔立ち寄った際に師匠が助けた方のようでした。


『あのすみません。今、弟子を探していてゆっくり話をしている余裕が……』


『弟子? あんたのかい?』


『はい』


 事情を話すとおばあさんは真剣な顔になって、一本の細い路地を指差しました。


『魔法使いの格好をした女の子ならさっき少年を追いかけてそっちの道に入っていったよ。この辺はごろつきが多いからね。早く行ってあげな』


『ありがとうございます』

『いいんだよ。あたしもシャルティア様にはずいぶんお世話になったからねー』


 わたしは走りました。そしてごろつきに囲まれた弟子を発見したのです。弟子はわたしのために怒ってくれていました。

 それがすごく嬉しかった。


(――師匠、繋がりましたよ。あなたのやってきた事は無駄じゃなかったんです。ごめんなさい。わたしが間違っていました。過去の師匠の行いのお陰で、今わたしは自分の弟子を助ける事が出来るんです!!)


 そうしてわたしはリベアの元に駆けつけるのでした。


◇◇◇


(だから少し刑を軽くしてあげました)


 リベアは気にしない事にしたようですが、わたしは襲ってきた男達を吊し上げて、様子を見にきていたおばあさんに託しました。


 どうやらおばあさんは若い頃、結構やんちゃしていたらしくこういう荒事には慣れているとの事でしたので、わたしも安心して任せられました。


(簡単な魔法も使えるようでしたしね)


 先程焼き芋を焼いていた人がいた所まで戻り、そこからもう一度やり直します。教えてもらった通りの道を行くと、そこそこな魔力を感じました。


(この探りづらい気配。間違いない。ババアです)


 小さな店の前に一人の老婆が座っています。紫色のフードで顔を隠している為、表情はよく分かりません。


「師匠。この人が……」

「はい。探していた情報屋です」



「ようこそ。しがない魔女の店へ……ひっひっひー」



 しゃがれた声。薄気味悪い魔女にわたし達は歓迎されるのでした。



ここまで読んで頂きありがとうございました!!


「面白い」

「続きが気になる」

「リベア可愛い!」


と思ったら、広告下↓の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです。


感想も待ってます!

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