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 それから私はフリーター登録に必要ということで、ギルドに所属している鑑定士さんに能力を診てもらうこととなった。


 ギルド内にある応接室に通された私は高そうなソファーに鑑定士さんと対面に座らされている。

 こうして鑑定によって自分の力を測ってもらうのは久しぶりだった。


「いやはや、驚きました。私も長年、鑑定士を務めていますが……ここまで多彩なスキルを所持している方は見たことがありません。しかも、どの系統のスキルもハイレベルまで磨き上げている」


 鑑定士さんは私の魔術、武術の修得状況について驚いたように言及してくれる。

 つい最近まで、私はそれが誇りだった。


 聖女とは光属性の魔術と治癒術さえ使えれば良いという風潮があったが、それだけでは足りないと頑張っていたから……。


 それに私だけSランクスキルに覚醒していない負い目もあった。


 この数多くのスキルは私がゼノンさんたちに近づくために磨き上げた努力の結晶なのである。

 非凡な人間だけが開花出来るというSランクスキル。


 劣等聖女だと揶揄されるような私はどんなに頑張っても、その領域に足を踏み入れることはできなかった……。


「失礼しま~す! ソアラ様~~! お世話になります~! ルミアと申します~! 今日からソアラ様のマネージャーを務めさせて頂きますね~!」


 バンと勢いよくドアが開くとツインテールで銀髪の元気な少女が入ってきた。

 よく見ると猫耳としっぽが生えている。


(この子、獣人族(アニムス)みたいですね。初めてみました)


 獣人族(アニムス)というファンシーな動物と人間の中間みたいな見た目の一族たちがこの世界にはいるのは聞いていた。非常に少数で珍しい一族ということも……。


 スキルとか勇者とか、ファンタジーゲームみたいな世界だから驚きはしなかったが、初めて見るとなかなか衝撃的だ。


(見た目的には年齢は十三歳前後に見えます。この方が私のマネージャー……? すっごく可愛らしい方ですね)


 私はその可愛らしい見た目の虜になっていた。動きやすそうなスカート丈の短いメイド服のような衣装もより彼女の魅力を引き立てている。


 ニコニコと笑いながら私の手を握るルミアさんは愛くるしくて抱きしめたくなってしまった。

 前世は猫好きでしたし……。猫グッズいっぱい持っていましたし……。


 でも、それよりも気になることがあった。


「あの、マネージャーとは何ですか?」

「あはは、そうですよね~。中々ピンと来ないのは当然ですよ~。世界中でも多忙すぎるフリーターは稀ですから~。簡単に申しますと~、いま現在……ソアラ様の仕事は殺到しております~。既に一ヶ月先の予定まで埋まっているんですね!」

「い、一ヶ月ですか!?」

「は~い! 一ヶ月です~!」


 思わずはしたない声が出た。

 私は確かに受付の方になるべく多くの仕事を入れて欲しいと頼んだし、どの仕事をするのかの取捨選択も委託した。


 とはいえ、ちょっと鑑定をして貰っている間に一ヶ月先の仕事まで埋まっているなんて信じられない。


「ですから~、多忙であるソアラ様のスケジュール管理や体調管理や遠出する際には宿の手配など身の回りのお世話をさせてもらうのがギルドマスターから仰せつかったマネージャーとしての私のお仕事というわけです~」

「そ、そんなことまでわざわざ……」


 うーん、なるほど……。

 ルミアさんが管理しなくては追いつかないほど忙しくなるということは理解した。 


 勇者ゼノンのパーティーを追放されたことは悲しかったが、その経験は無駄ではなかったらしいことにも少しだけ元気が湧いてくる。


「それでは、ソアラ様~。初仕事は三日後、治癒術士さんが、法事などでしばらくパーティーを抜けるのでその穴を埋めて欲しいとの依頼です~」

「分かりました。お任せください」


 ルミアさんが分厚いメモ帳を取り出してスケジュールを読み上げてくれたので、私はそれに返事をする。


(すごいですね。本当にスケジュールがパンパンみたいです)


 その後、ルミアに案内された宿に向かい、私は入浴などを済ませてベッドに横になった。


 こんなに寝心地の良いベッドは今世では初めてかも。この宿ってもしかしてかなりお高いのでは……。

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