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  作者: 赫映
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鹿尾菜の独白

掘り起こした頭蓋骨のその眼窩の暗さと。

少し離れた木の影からこちらを凝視する雛菊姉さんの視線と。


合わせて四つの目に睨み付けられて、私は言葉を失いました。


その時、椿姉さんの言葉を思い出しました。

私を睨み付ける雛菊姉さんの目は、いつも優しかった雛菊姉さんではなく、そう。


人殺しやったんです。


言い様のない寒気に襲われ、目の前が霞みました。

そして私は感づいてはいけない何かに感づいた気がして震えました。


私は頭蓋骨を捨て置き、雛菊姉さんが居るんとは逆の方向に一目散に走りだしました。

かなり後ろから雛菊姉さんの足音が聞こえます。


いつもと違う、どたばたとした足音。


私は大きい岩の裏に隠れて、一夜を過ごしました。

寒さや恐怖や様々な感情がない混ぜになって一晩中、体の震えが止まらんかったんを覚えています。


翌朝。


椿姉さんはいつも、困ったらこの小屋に行きなさいと言っていました。

だから来ました。

町奉行だったなんて、全く知らなかったです。

悪い人を捕まえてくださるんですよね。


昭利さんや椿姉さん、檜葉はもうこの世にいないものと思います。

きっと雛菊姉さんが殺しました。

遺体は見ていませんが。

だからどうか捕まえてください、雛菊姉さんを。


なぜ死んだと思うかって……?

ただの勘ですよ。

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