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捨て桜
今日もまた、呼んでいる。
私の下で赤子が呼んでいる。
母よ、なぜ私を捨てたのだと恨む赤子はない。
ただ一様に母の愛を乞うている。
何故、命を捨てられるのか。
何故、見殺しにするのか。
かなり昔、私の腕に縄をかけて首を括った女がいた。
そこから私は捨て桜と呼ばれ、死者を引き取る桜と位置付けられた。
花見もされず、誰も近寄らない。
幾度寂しい夜を越えただろう。
泣き止まぬ赤子が泣き止むときは、その命の灯火が消えるときであった
今日もまた、呼んでいる。
私の下で赤子が呼んでいる。
母よ、なぜ私を捨てたのだと恨む赤子はない。
ただ一様に母の愛を乞うている。
何故、命を捨てられるのか。
何故、見殺しにするのか。
かなり昔、私の腕に縄をかけて首を括った女がいた。
そこから私は捨て桜と呼ばれ、死者を引き取る桜と位置付けられた。
花見もされず、誰も近寄らない。
幾度寂しい夜を越えただろう。
泣き止まぬ赤子が泣き止むときは、その命の灯火が消えるときであった
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