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  作者: 赫映
18/25

雛菊の真実

殺される前に殺す。

当たり前の心理よね。

私は間違ってない。

きっと。


椿も昭利さんも、柚子が家を出ていったと信じてくれているし。

私以外真実を知る人はいないわ。


少し予想外のことと言えば。

昨日に引き続き連続で捨て桜に赤子が捨てられたこと。

私が外へ出ていった良い言い訳になったけれど。

運は私に味方してたようね。


柚子は、鹿尾菜が成長してきたら私を……。

ううん、すぐにでも殺そうとしていたに決まってる。

だからしょうがないのよ。

私だって死にたくないもの。


捨て桜の根本に大きな穴が開いていたからそこへ詰めて埋めた。

ぎゅうぎゅうで、とても窮屈そうだった。

一応入ったんだから、安らかに眠ってね。


いつも見ている捨て桜だから、穴があるとかは事前に知っていた。

まさか柚子を埋めることになるとは思っていなかったけど。


どうしたら死ぬのか分からなかったから、料理用の包丁で体を刺して刺して刺しまくった。

しばらくして動かなくなって。

なにも答えなくなった。


「私が出ていくから!雛菊のこと追い出したり、殺したりせんって考え方改めたから!!」


「お願い助けて、絶対に危害は加えへんから、お願い。」


「出て行って稼いでまた帰ってくるから、見逃して。ごめんなさい。」


どれもこれも信じられない言葉ばかりだった。

私のことを殺すと言った口と、同じ口から発せられている言葉だから。


柚子は必死で命乞いをしていた。


今となっては柚子が口走ったこと達はどれが真実だったかわからない。

働きに出ると言うのが真実だったなら。

きっと今柚子は働きに出る夢を見ているわ。


あの世で。

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