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  作者: 赫映
17/25

どこかにいる柚子

どっか遠く。


檻の中やろか。

狭い。

暗い。

ほんのり寒い。

鉄でできたひんやりした檻。

少し錆びた扉には大きな南京錠がかかってる。


これから私はどこへ行くんやろ。

出口も光も見えない。


私は一人で生きて、稼ぐ。

見世物になるって言われた。

どんなものかは分からんけど、良い仕事ちゃうのはわかる。


けど、大丈夫。

身を粉にして働くんや。

そして昭利さんの元へ。

絶対に帰るんや。


きっとそうすれば、昭利さんはお金の心配をせんで私と暮らしてくれる。

そうや。

夢を叶えな。


そのために私は。

家を出ると決心したんや。

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