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  作者: 赫映
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昔話

今日もまた、泣いていた。

桜吹雪を浴びながら一人寂しく、母を想って一人の赤子がさあさあと泣いていた。


その子は誰にも望まれることのなかった子。

樹齢百年を超すその木の下で、寂しく死を待つ子。

どこかの遊女がどこかの男との間に身ごもった子。


いつしか捨て桜と呼ばれた、その見事な桜。

聴色(ゆるしいろ)の花をうんと咲かせ、誰でも来いと誘う桜。

花見もされず、手入れもされない状態で赤子の養分を吸って生きているのだとまことしやかに(ささや)かれる。

誰も真実を知らないまま。

聴色(ゆるしいろ):庶民にも着用を許された薄い紅色のこと。

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