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学生竜騎士  作者: 雨後吹雪
一学期
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8/284

模擬戦にて

 あの後、雨の如く飛んでくる火の玉を食らいまくった。

 避けられる訳ないし! 竜装使うの禁止だけならまだしも、腕縛られてたからね? ジャンプしかできないじゃん? そりゃ、予測されるわ。

 そんな散々な目にあったわけだが、服は無傷なんだなぁ〜

 学校指定のこの制服、物理攻撃や魔法攻撃に対する呪語が織り込まれているらしくて、一般人が剣を振り下ろしたり魔法を使ったくらいじゃ傷一つつけられない優れものなんだなぁ。傷がつかないだけで衝撃は凄いからね?

 竜騎士のフロースの魔法食らっても大丈夫だったのは、俺が半竜なのと、あいつも本気じゃなかったからだ。

 フロースが本気だしたら今頃、黒い何かになってただろうね。

 んで、俺をいたぶってスッキリしたフロースと、アティアとミセリアが来るまでドラゴン無しの模擬戦をしようって話になったんだが、勝てる気がしない。

 竜騎士《ドラゴンライダー》同士の戦いは、基本ドラゴンの背に乗って空中でおこなうが、ドラゴンが傷ついたり疲弊したりしたら、地上で戦うことになる。

 ドラゴンの背に乗ってれば魔力制御を任せて俺も魔法を使うがそれ無しとなると、魔法を使えてリーチが剣より長い槍を使うフロースの方が有利に決まってる。

 母さんに教えて貰った戦い方はあんまり使いたくないしなぁ……やったら絶対怒られる。

 ああ、やりたくない……

「そろそろ始めるけどいい?」

 フロースが屈伸しながら聞いてきた。

 むっちゃ、やる気あるやん……

 仕方ないなぁ

「よくないけど、いいぞ」

 俺は竜装シルバードを眼前に構える。サクラナはしまってある。

 フロースは両手で槍を構えている。

 相手の方が有利なら先手必勝しかない!

 全力で地面を蹴って一気に距離を詰める。

 俺の方が速い!

 フロースの防御は間に合わないはず。

 そのまま袈裟斬り——はできなかった。

 斬りかかる瞬間、フロースの足下から火の槍が飛び出してきた。すんでで回避。

「あまいね、クロエ。魔法を忘れちゃいけないよ。悔しいけど速さでは勝てないから、頭を使わないとね」

 あいつ、事前に魔法仕込んでたな。

 んー、速度対策されるとなるとますます不利だな。

 せめて、直接か間接的か阻害の方法がわかればやりようがあるがなぁ。

「はっ!」

 俺の思考はフロースの攻撃に中断される。

 両手で持った槍を全身で使って、踊るように突いてくる。

 防ぐだけじゃきりがないな。

 仕方ない、あの戦い方を使うか。

 それまで剣で受けていた突きを、受け流す。

「えっ!?」

 勢いで攻撃していたフロースはバランスを崩してこちらに倒れてくる。そのまま槍が地面に突き刺さる。

 ——もらった!

 と、思ったが剣を持ってる右腕が動かない。

 見れば地面から伸びる青白く光る鎖が巻きついてやがる。

「いつのまに……!」

 強引に引きちぎろうとするが微動だにしない。

「それは私の合図で発動するように私の竜装、ラディウスに魔法を仕込んでおいたの」

 そう言ってラディウスの先を見せてくる。そこには俺の腕に巻きついているのと同じ鎖が地面と繋がっている。

 地面に刺さった時に発動させたか。

 さてさてマズイ状況だな、このまま蹂躙されるわけにはいかないが打つ手がない。

「さぁ素直にやられなさい、クロエ」

 右手でクルクルとラディウスを回しながらこっちに歩いて来る。

 こうなったら一か八か魔法を使うか……

 どうなるかはわかんないぜ?

 自由な左手に魔力をためる。

 おれの行動を見たフロースが止まる。

「く、クロエ、まさかあなた……」

 おっ、さすがに分かったか。

 だが、時すでに遅し。

 いくぜっ!

「裁きの水槍《ミストルテイン》!」

 呪語を唱えると左手に水の槍が出来上がる。

「止めなさいクロエ! どうなっても知らないわよ!」

 フロースの悲鳴にも似た叫びをあげる。

 もう止められないぜ。

 俺が水の槍を投げようとした瞬間、槍が破裂した。

 全身にとんでもない水圧がかかり吹き飛ばされる。

 やっぱ無理かぁー

今年最後の更新です

来年も毎週月曜更新で頑張ります

色々ありましたが来年もよろしくお願いします


それでは皆様、良いお年を

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