表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱者の一撃天を穿つ  作者: 文学おじさん
【第一章】牙を研ぐ弱者
2/39

2話・友達

まだ説明が続きます、すいません<(_ _)>

 自分が異世界にいると思ってからは意外と気持ちが楽になった。

 全く何の情報もない位なら異世界にいると思いこんだ方が幾分かましだったのだ。



 「そんな訳で妖精さん、俺はこの世界の事が全くわからないんだ。だから色々と教えてもらえないか?」


 俺がそう言うと妖精は俺の肩の上で足をパタパタさせながら答えた。


 「まーいきなりでよく分からないけど、貴方は此処とは違う世界から来たって事なのね。なら説明がいるのも仕方ないか」


 「とりあえず私の名前はミリィよ、次からは名前で呼んでよね。そしてこの世界はイルマージュと言うの…」


 ミリィの話しは長かったが掻い摘んで説明すると、この世界はイルマージュと言う。

 そしてオーラム(人間族が支配する大陸)ナーラム(獣人族が支配する大陸)ウーラム(魔族が支配する大陸)の三大陸もとい三勢力が住む世界の総称がイルマージュなのである。


 この三勢力は互いに不干渉を決めているので大陸間での争いなどは表面上起きていないとの事だ。

そして今俺がいるフェアリーフォレストはオーラムにあるのだと言う。

 オーラムにある小さな森に結界を貼り、フェアリーフォレストは存在しているらしい。


 「まっまぁ一応この世界の事は分かったが、魔物の説明がまだだぞ?いやそんな事よりどうやって倒すんだよ魔物なんて」


 俺は不安げに聞く。


 「そんなの訓練したりレベル上げたりすれば弱い魔物位人間族でも倒せるわよ?まさかレベルすら知らない分けないわよね?」


 何て事だ、この世界にはレベルと言う概念が有るのか…


 「勿論知らん、と言うかレベル何てもんどうやって確認するんだよ」


 「まさかレベルすら知らないとは、そんなのステータス見ればわかるでしょっ取り敢えずステータス開いて確認しなさいよ」


 ステータス?え?聞き間違いじゃないよな?この世界にはレベルがありステータスでそれを確認出来るって言うのか?分からない、本当に意味が分からない。

 「ステータスの見方が分からないんですが…」

 俺がそう言うとミリィは天を仰いでいた。

 「はぁ…ステータスと念じれば良いわ、そうすれば確認出来るから」

 こんなの常識何だから間違っても他人に確認取らないでね!と念を押された。


 ふぅ…取り敢えずステータスの確認をしてみようか。

 そして俺はステータスと心の中で念じてみた。

 すると目の前に半透明のモニターが浮かび上がってきた。


 名前:日高斗真(ひだか・とうま)

 年齢:17

 種族:人間族

 称号:弱者


 Lv.1

  HP:30

  MP:12

  力:6

  体力:4

  耐久:16

  敏捷:3

  魔力:2

 SP:1

 〈スキル〉

 無し


 「おぉっ見えた!!何か色々と残念だけど見えたぞステータス」

 現実では有り得ない事が起こり興奮してしまう。

そして称号の弱者を見て落ち込む、何とも忙しい事だ。

 しかし耐久がやけに高いのは何でだ?もしかして不良達にボコられていたからだろーか…

 何だか複雑な気持になってしまった。


 「そんなにはしゃがれると流石に反応に困るわね…まぁこれで少しは私の言っていた事が分かったんじゃないかしら?」


 ミリィの問いにウンウンと何度も首を縦に振り答える。


 「でもさミリィ、ステータスは見れたけどSPってのはなんなの?後スキルってのも」


 ミリィに聞いた所、SPと言うのはスキルポイントでスキルはスキルポイントを消費して覚えるものらしい。

 因みにスキルポイントはレベルが上がる時に貰えるとの事。

 スキルの習得や強化はステータスのスキルを選択すると行えるらしい。

 また、スキルやスキルポイントの事を神からの恩恵などと言う人もいるらしい。


 そして俺はステータスを出しスキルを選択する。

するといくつもの習得出来るスキルが浮かび上がってきた。


 〈スキル〉

 剣術E:必要スキルポイント5

 格闘術E:必要スキルポイント5

 槍術E:必要スキルポイント5

 火魔法E:必要スキルポイント10

 水魔法E:必要スキルポイント10

 などなど上げたらキリがない程に浮かんでいる。

 しかしどれも取れない、俺のSPは1よっ!


 「はぁ…こんなんでどうやって魔物と戦うんだよ、スキルは取れないし…レベルは低いし…」

 悲壮感を漂わしながら言う。


 「別にスキルポイント使わなくてもちゃんと訓練すればスキルは身に付くわよ」

 まさに天からの言葉である、弱者な上にスキルも持たない俺がレベルを上げるのは難しい。

 いや、実際には魔物を見た事が無いので難しいと思うだけなんだが、ミリィの話しが本当なら俺でも訓練次第で戦える様になるという訳だ。


 「因みにだけどさミリィ、ここら辺の魔物と俺ならどっちが強い?」




 「魔物よ!!」


 「ですよねー!!」


 何てたわいも無いやり取りをしてしまった。


 「そんな事より貴方忘れてないかしら?もう随分と長い時間話したのにまだ名前すら名乗って無いじゃない」


 そう言えば色々と有り過ぎて名乗るのを忘れてたっけな。


 「ゴメンゴメン、俺の名前は日高斗真さっきも話した通り異世界人だ。」

 自己紹介を済ますとミリィがいきなり肩から飛び立ち手を突き出してきた。

 何なんだろと不思議がっているとミリィが口を開いた。


 「これだけ長い時間一緒にいたんだもの、私達はもう友達よね?友達になるなら握手をしましょう」


 満面の笑みで言うミリィ。

 俺もそんなミリィに笑顔で答える。


 「よろしくミリィ」

 そして小さな小さな手を優しく握り握手を交わした。

 そして俺はこれからの事をミリィに相談した。


 「なぁミリィ、俺はこれからどうするべきだと思う?取り敢えず元いた世界に帰る事が出来るならそうしたいが現状では無理そうだし…」

 不安げに聞く俺にミリィは答えた。

 取り敢えずはフェアリーフォレストを抜け人間族の住む村に行く事、そこで情報収集すれば良いんじゃないかと言う事だった。

 そして森を抜けるにも魔物と戦わなければならない、そして森を抜けても村までは魔物が生息しているので戦うのは必須と言う事だった。



 どうするべきかな…戦うにしても俺じゃ弱すぎるし…

 そんな事を言いながらチラチラとミリィに視線を送る。


 「はぁ…仕方ないわね、そんな小動物見たいな瞳で見られたら助けるしか無いじゃない…」


 ミリィは優しかった。

 取り敢えずは森を抜けるまではミリィが護衛をしてくれる事になった。

 なんと妖精は魔法が得意でそれなりに強い魔法が放てるので森の魔物位どうってことは無いらしい。

 しかし問題は森を抜けた後である、間違いなく死ぬ。

 手も足も出ずに殺られる自信がある。


 「なぁ?何か武器になりそうな物とか無いよな?」





 「んー…あっ、そうだわ!」

 ハっと閃いたような顔して直ぐにミリィは飛んで行ってしまった。


 孤独だ…時計が無いので分からないがもう1時間近く(体感)帰ってきて無いんじゃないか?

 しかも此処には弱いながらも魔物が出るんだろ?

 死ぬんじゃないか俺…急に不安が押し寄せてくる。

 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…

 恐怖が心を埋め尽くしていく。

 体はガタガタと震え目の焦点は合っていない。

 知ら無い人が見れば間違いなく危ない人と間違われるだろう。


 「うー重いわ…ちょっと斗真!そんな所で震えてないで手伝いなさいよ!!」

 遠くの方からミリィの怒気を帯びた声が響いた。

 声のする方へ視線を向けると、ミリィは自分の身の丈よりも遥かに長い刃物を担ぎながらこちらに向かって飛んできていた。

 俺は直ぐにミリィの元に駆け出した。


 「ミリィ…この剣は何?」

 ミリィの手から剣を受け取り質問する。


 「よく分からないんだけどさ、ここがフェアリーフォレストになる前のただの森だった時に探索しに来ていた人間族が置いていった物らしいわ、別段特別な力も感じないし只の鉄の剣ね」


 ミリィは肩で息をしながら答える。


 この形の剣昔ネットで見た事あるな、確か【ファルカタ】とか言う名前だったかな。

 どうやらミリィはこのファルカタを取りに行っていたらしく相当に疲れていた。

 こんな小さな体で俺の為にこれだけでかいファルカタを運んできてくれたのかと思い少しだけ感動して泣いたのは内緒である。


 「取り敢えず森を抜けるまでには剣術スキルを身に付けなさい、じゃなきゃ絶対に死ぬから。死ぬ気でやれば問題無く身に付く筈よ!私は剣何か振らないから良く分からないけど」


 凄く…無茶ぶりです…



 そんなやり取りの後、俺達は森の外側へ向け足を進めるのであった。


次は戦闘回ですかね

アドバイスや指摘、批判などあれば是非お願いします

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ