身体を拭く!?
・・・ゆさ・・ゆさ・・・ゆさ・・
「タツ・・タツ・・」
ん〜?ん?んむ?揺さぶられと共に消え入りそうな声がする・・・真田さん?どうしたのさ?まだ夜中だよな
「トイレ・・・ついてきて」
あぁなぜかホテルのくせに、トイレは共用なんだよな。電気ついてないし暗いの怖いわな
ひとつ頷き抱えあげようとして両腕が拘束されているのに気付く
寝るときにも揉めたが、結局両脇に坂口さんと野崎さん、上に乗る形で真田さんが寝たんだよな・・・ある意味生殺しだろ
とにかく両腕を抜き取り改めて抱え上げようとして・・・おう両手治ってねえよ、ってことで袖を掴んでもらってトイレまでいく
入口で言ってら〜っというと中まで引っ張られた・・・勘弁してくれ
「待ってるから、いっておいで」
「・・・ダメ?」
「ダメです、ほらほらいってこい」
「どっかいっちゃダメ」
「はいはい、いきませんとも」
渋々懐中電灯もって中に入っていった・・・おう、光ないと俺も怖え・・・ビクビクしてたら、いきなり光が顔に直撃
うお眩しい!
「だ、だれだ!?」
ふぁ!?え?え?なにだれ?ん?上の階の太っちょのほう・・・唐沢だっけ?ってまずい!気配察知切ってたのか!ヤバイ一緒にいるのが真田さんってのがまずい!
「なんか声がすると思ったら・・・君は昼頃見た子じゃないか、何でここに?」
落ち着け〜不利な点は真田さんだけだ、おとなしい子だから騒ぎはしないはず
「あなたはさっきの?いやね?両手が治るまで、この建物で療養しようと思いまして。二階にいるんですが、そちらもここに住んでるんで?」
よし、違和感はないだろ
「そういえば、両手が変だったね・・・って怪我してるようには見えないけど?」
「あぁ能力で治してもらってるんですよ」
うん、誰のとは言わない
「そうなんだ・・・それでこんな夜中になにを?」
「トイレの付き添いです、暗いですからね」
「あれ?仲間がいるのかい?」
「ええ、なんなら明日紹介しますよ」
「そうかい?僕たちは三階に滞在しているんだ、唐沢というよ、よろしく」
「如月です、ではまた明日」
うむ・・・なんとかなった、三階にいったな
「真田さん?出てきていいよ」
タタッーと出てきてッヒシとしがみつかれた、とりあえずウェットティッシュを渡し部屋に足早に戻る
さて、口約束してしまったが女に飢えているんなら野崎さんを見せるのもまずいかなぁ・・・今後の展開次第だけど監視と逃亡ルートをしっかり決めるか・・・
「タツ・・・タツ・・・大丈夫?」
「うん?大丈夫だから、おやすみ」
「・・・うん」
こんな小さな子を震えさせるとは、なんて奴らだ・・・寝よ
うむ・・・両腕の強化に結構まわしたから快適な朝である!治癒が遅れたから本末転倒だけどな!
「さて、夜中に唐沢っていう太っちょのほうと遭遇してしまったわけだが」
「えええええ?たつくん、なにしてるの!?」
「・・・ごめんなさい」
「何で志乃ちゃんが謝るの?」
さて、奴らが下に来たらどこに隠れてもらおうかな・・・ってそうか
「真田さん、おじさん達きたらさ?」
「うん?」
「異空間の部屋に坂口さんと一緒に隠れてくれる?」
入口を見えなくすれば、完璧な隠れ家じゃないか
「ん・・・わかった」
「私も隠れるの?」
「人数は少ない方がいいからな」
守るにしても、逃がすにしてもな
「私は守ってもらえるならいいわよ」
「矢面に出すからな、何かしてきたら死力つくすよ」
「そう?フフフ」
やたら嬉しそうなんだが・・・変な人だ
「何か失礼なことを考えてない?」
「滅相もございません」
鋭すぎる
「とりあえず、朝食にしようか」
「そうね・・・手はどうなの?」
「まだ、動かすのは厳しいな」
「じゃぁ昨日と一緒だね!」
「ん、がんばる」
そう、昨日の夕飯どうやって食べたかって疑問に思うだろう?食べさせてもらったのだ・・・つまり、あーんだ!あーん!
羨ましい?そうだろそうかもな、けど夕飯全部食べるまでだと割と疲れるんだぜ、順番で喧嘩もするしなぁ、張り合う必要無くね?
「今日は負けないよ志乃ちゃん!」
「返り討ち」
「たつくん、あーん」
「あーん」
俺はマシーン
「たつ?あーん」
「あーん」
雛鳥の如く
「次はこっちだよ!」
「あーん」
早く食べ切ることが、上手く切り抜ける唯一無二の最適解
「ん、こっちのが美味しい」
「あーん」
にしても野崎さんのご飯は美味いな
「達也美味しい?」
「美味しいよ、野崎さんは料理上手だよな」
「趣味というか、料理は好きなのよ」
「凄い美味いわ、助かる」
「「むぅ」」
ぬお!?そんな一気に押し込めないでくれ、モグモグ
そんな感じで朝食を終えて、最初にするべきなのは
「お風呂だね!」
「そう身体を綺麗にするのは、衛生面からみても最適解・・・って違うわ!」
「えー?志乃ちゃんもお風呂入りたいよね?」
「うん」
「とは言っても、ここの設備じゃ無理じゃない?」
真田さんの能力で、持ち運びは出来るけど今は何も持ってないからな
「今日のところはお湯とタオルで我慢するんだね」
「まぁしょうがないよね・・・っあ!」
「俺は別の部屋に行ってるから、終わったら呼んでな」
余計な事を言われる前に逃走・・・え〜
「真田さん?離してください」
「何で別の部屋いくの?」
「いやいや、裸見られるの嫌だろ?見ちゃいかんですよ?」
「・・・?背中拭いて?」
「私も!あ!でもタツくん・・・手が・・・」
「一応、痛みとかはないから拭くだけなら、何とか出来ると思うが」
ってもさ?十歳と十四歳だっけ?俺から見れば子供だけど、まずいだろ・・・
「まぁいいんじゃない?私も拭いてもらおうかな?」
お前もかブルータス!あれ?逃げ場ない?ってか野崎さんの男嫌いは何だったのか
結局目隠しをすることで妥協する俺である、ヘタレ!意気地なし!って声が聞こえる気がする・・・だってこいつら普通に可愛いよ!?気の迷いで襲ったらまずいだろ!?
見えぬ相手に逆ギレしてると、準備できたようだ
「じゃぁ私からね?よろしく達也」
あれ?最初にラスボスの野崎さんですか?っていうか、あなたはまずくないですか?いいの?触っていいの!?
あかんテンションがおかしい落ち着け俺
「達也?」
「はいはい、ただいま」
生暖かいタオルを持ち、正面の背中?を適当に拭き始める
柔らかい・・・違う!素数だ!1?あれ1って違くね?もぅ終わった!?な、南無阿弥陀仏・・・ぬおおお
「ちょ、ちょっと痛い痛い!」
「あ、ごめん」
「もぅ優しくしてよね」
「善処します」
無心に優しく丁寧にだ!あかん、意味がわからん
「みっちゃんは胸おっきくていいよねぇ・・・」
「ずるい」
「志乃は、まだまだこれからよ・・・優奈は・・・頑張れ?」
「何を!?」
ええい、具体的な描写はやめろ!ってか野崎さんってそんな胸あったっけ?着痩せとかそういう?
「ん、お疲れ様ありがとう」
「どういたしまして」
天国か地獄かわからんが一人目を突破、次!
「タツ、よろしく」
「任せとけ」
真田さんか・・・子供すぎるから欲情はしないな懐いてる子をお世話するのは慣れてる
ん?慣れてる?兄弟がいたのか俺?
考えていても手が勝手に拭いていく・・・背中の割には凹凸があるような?
「あ〜!志乃ちゃん前はずるいよ」
「気づかないタツが悪い」
そうか・・・この膨らみは所謂・・・おっぱいか!って馬鹿野郎!
あれ?よく考えたら、こんな小さい子の身体拭くのに何で動揺してるんだ?一つ覚悟?納得?が決まると拭き始める
・・・野崎さんならともかくねぇ・・・そのまま坂口さんもサクッと終わらせる
「あ、あれ?なんか納得がいかないよ?」
「タツ・・・喜ぶべき」
うるさい、もっと育ってから誘惑するんだな!困るけど!