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一撃

 二人が立っているのは一面何もない荒野だ、草の一本もない。整地してそのまま忘れ去られている、そんな場所に白い衣と手寅は立っている。


「さて・・・言い残すことはあるかな?」

「私の邪魔立てするとは、何のつもりです?」

「いやいや、それはこちらの台詞だよね?直接介入・・・いや、自分で手を出したよね君?ルール違反だよ、彼が私のお気に入りじゃなくても、さすがに見逃せないなぁ」

「よく言います、お気に入りじゃなかったら気にもかけなかったでしょうに」

「ま、否定はしない・・・どちらにせよルール違反は君だけど?」

「黙りなさい!‐--が!主の威光を示したのです、貴様には関係ないでしょう」

「いやいや、取り決めを破るんだったら、こっちも好きなようにするよ?まぁ君たち‐‐‐と違って私たちは契約は重んじるけどね?―-―‐はすぐ約束を破るからねぇ」

「貴様!我らを愚弄するか!」

「愚弄してるのはそちらでしょう?・・・まぁ足掻けるだけ足掻いてみたら?消えるのは決定してるけどね」

「黙れ‐--が!」


 白い衣が手をかざすと先ほど達也に攻撃したものとは比較にならない程の光の奔流・・・弾ではなく奔流が手寅がいる場所を薙ぎ払う。


 土煙が上がる、風がないせいか中々晴れない。イライラしたようにさらに一撃・・・もう一撃・・・止まることのない光の奔流が手から放たれ手寅がいるであろう地点を穿つ。


 いや、白い衣は手寅がいることを察知している、察知して攻撃を当ててはいるが一向に手寅の気配が消えない、大きくも小さくもならない気配はただただ佇んでいるだけだ。


「ちっ!腐っても‐--というわけですか」


 ようやく光の奔流を止める白い衣。攻撃を受けた手寅のいた地点は土煙が晴れていくが、酷いものだ。

地面は根こそぎ抉られ、消滅したのか地面が盛り上がっている量と抉られた量が傍目にも釣り合っていない。


「いやいや、君程度で私をどうにか出来るわけ・・・ナイデショウ?」


 白い衣が気圧されるように一歩下がる・・・実際土煙で見えないのに関わらず、手寅のいる地点から凄まじい威圧・・・殺気でない敵意ですらない、何か不吉な何の感知能力もない者でも逃げ出すような


 暗い昏い冥い闇い・・・形容しがたい・・・気配に色がついているかのような・・・そんな気配が周囲を覆っていく。


 そして土煙が逆再生するように、抉れた地面に戻っていき。土煙が晴れる頃には二人が最初に来た時のような地形に戻っている。消滅したはずの土も復元されている。


「なるべく地上に私たちの影響を残すものではないよ、それこそ君達のいう異分子を生み出しかねないよ?」


 白い衣は反論しない・・・いや、手寅の気配に気圧されていて声が出せない・・・かろうじて座り込みはしていないが、指一本・・・息をすることさえままならない。最も手寅達には呼吸はそれほど重要なものではない。地上に降りる姿の時にはある程度必要なことではあるが。あまり体を規格外にしすぎるとそれだけで崩壊しかねない。


「それじゃそろそろ消えて・・・あぁ君の主がやるみたいだね?」


 かはっと思い出したように息をする白い衣、手寅が威圧を解除したらしい。重要ではないとはいえ、長時間しなかった分を荒々しく肩を上下させながら息を吸う。恐怖している思考の中、唐突に止まった手寅の威圧、その手寅から逃れる為に目をあちこといに泳がせ逃走方法を考える白い衣。


 いや、待て?あいつは今何といった?私の主が・・・やる?つまり主が降臨なさり、私をお救い・・・


 そこまで考えたところで白い衣は潰された。ベチャッという音とともに上から下に・・・大きなものに潰されたかのように抵抗適わず一瞬で肉塊・・・いや、骨も残らず粉砕されたので液状になってしまった。


「相変わらず、やることが適当だよねぇ・・・対応も処理も監視も何もかもさ?」


【・・・、・・・・・・・、・・・・・・・】


「ふ~ん?まぁいいけど、この人形の残骸・・・もう染みになってるけどどうするんだい?」


 手寅には声が聞こえてるようだ、独り言のようにどこかを見ながら会話を続ける。


【・・・・・、・・・・・・・・、・・・・・・】


「そうは言うけど、残しておけば禄なことにならないと思うよ?その人形程度でも血を一滴取り込むだけで神級・魔王級が即誕生だけど?」


【・・・、・・・・・、・・・・・・】


「別にいいけどねぇ・・・そうだね、植物でも生やしておこうか、これを養分に森にしてみようか。神級・魔王級の森とか面白そうだ。単体よりは分散される分だけマシだろう多分」


【・・・・・・、・・・・・・・・】


 手寅の前に種が落ちてきた。空からとかじゃなく、唐突に中空に現れた。手寅はそれを捕まえる。何の変哲もない、茶色の種だ。


「おや?・・・これを使うのかい?いいねぇ・・・面白そうだから私も承認しよう。まぁ人形の件は自重するんだね、それこそ監視に放っている地上の人形は全て回収するくらいはね?」


【・・・・!・・・・・、・・・・!】


「知らないよ、まともな人形を送り込まなかったそっちのミスだろう?別にいいよ?‐--もそちら側と殺し合える口実はいつでもいくらでも欲しいところだし?」


【・・・・!?・・・・・・・・、・・・・・・・】


「まぁ何柱かは気付いてそうだけど・・・まぁ直接見た私が何も言わなければ、大丈夫じゃないかな?私としてもお気に入りにちょっかいを掛けられたから、介入しただけだしね?本来ならこれを口実にアソンデモラウところだったよ」


【・・・・!・・・・・・・・・・・!】


「あぁうるさい・・・とにかく、この件はこれで決着さ・・・人形の件さっさと対応するんだね」


【・・・・・・・・!】


 会話を断ち切るかのように思念が切れると手寅は、中空から現れた種を地面に出来た染みの上に落とす。


 地面に落ちた種は一瞬で発芽し、根をはり地面の染みを養分として急激に成長していく。


「ふ~む、単純に考えれば世界樹・・・あたりが出来そうだけど。仮にも聖なる者の屍骸を養分としてるし・・・でもそれじゃぁ私が面白くないなぁ・・・達也君も別に聖人じゃないしね?」


 手寅は呟きながら手を伸ばし自分を避けながら成長を続ける植物に手をかざす、人指し指だけを伸ばすと指の先が針に傷つけられたかのように穴が空き・・・血が一滴・・・一滴・・・成長を続ける植物の上へ落ちる。


 植物は意思のない身であっても、それを良くないものと判断したのか避けようとするが、それを手寅は威圧をすることで動きを止め、受け入れさせる。


 植物に垂れた血は侵食するように赤黒く脈動しながら広がり、成長を続ける植物の上から上書きするかのように植物の身を侵していく。


「ふふふ・・・一滴とはいえ私のじゃ大きすぎたかな・・・ちょっと調整はしてあげよう」


 ある程度侵食したところで、侵食をやめその範囲で育つように指令を送る・・・その後はリンクを完全に切る。繋がっていたままでは自分から養分を取りかねない。一滴とはいえ私だ。


「よしよし・・・それじゃ、私も帰るかな・・・達也には説明いるかな?いや、介入はルール違反って言ったばかりだし、あちらから繋がろうとしない限りは辞めておこうかな?志乃ちゃんのには驚いたけど、あれは私が迂闊だったね」


 そう呟きながら、手寅は薄く・・・薄く消えていく。その場にいた痕跡を存在をなかったかのようにするかのように消える。


 手寅が消えた後でも植物はその場所を成長の為に使うことはなかった。広大に広がっていく森の中で人一人分が立っていたような場所に、草が生い茂ることは終ぞなかった。

 一日一人増えていくブックマーク、今日ようやく100人突破。

「1日1人・・・それは同じ人が登録していたりするんじゃない?」

 そ、そんな訳ないし!か、感想も受け付けてるよ!

「・・・本当にいいのかい?」

 な、なんですか?

「どう考えても誤字脱字報告で埋まるよ?これ?」

 あ・・・えっと、友人にも手伝ってもらってるから・・・えっと感想頂戴?

「媚びるな気持ち悪い」

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