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双子と稽古

『タツヤ様やるのはいいのですが・・・土壁作りましょうか?』


「ん?この間つくったやつは?あれ?そういや・・・土が盛り上がってるだけだな・・・もしかして崩れたのか?」


『雨によって崩れましたね、衝撃には強いのですが、水を浴び続けると崩れますよ、もとは土ですから』


「そりゃそうか・・・まぁ俺も黒は使わないから大丈夫だろ?あ、美香達が危ないか」


『そちらの方はケーナと一緒に守りますので、問題はないかと・・・観客が危ないかと』


「あいつらはいいんじゃないかな、怖いものみたさだろうし」


『身内以外は適当ですね・・・まぁ確かに別の思惑が見えるので放置しますかね』






「よっし、達也兄さん」

「ハグの為にも手加減しないよ?」

「「負けられない戦いが始まる!」」

「魔王とでも戦うのかお前らは・・・ってか、待て二人同時かよ」


 双子と10m程距離をとって対峙する。一応ルールとしては能力使用はありだが、殺し合いじゃないから適当に力はセーブしてといった風にはなっているが・・・正直どうなるかわからん。一応回復薬いくつかもらってるから即死しなければ何とかなるだろう・・・多分。


「「いくよ!」」


 やれやれ”思考加速””反応強化””腕力強化””脚力強化””身体頑強””気配察知”二人同時とか聞いてないんだけどな。


 遥は空に跳んだ、そのまま足の裏から空気を噴出し宙に浮き続ける。彼女の能力は”空気砲 lv3”自分が指定した体の部位から任意で空気を排出できるものだ、手の先や足の先などは強めに噴出出来るが、一応どこからでも空気を噴出出来る。宙に浮き続けるほどの出力はレベル3になってから出来るようになった。基本的な身体能力は変わらないが、殴ったり蹴ったりする時に噴出することで威力を出し自分への反動によるダメージをなくしている。元々運動神経はいいので、一歩間違えば自滅しそうなものだが、類稀なる反射神経でもってコントロールしている。遥はこの能力を”空気砲キュービック・ムーブ”と名づけている。

 本来ならこの能力、移動機能なんてなく、手から空気の圧縮弾を撃つのだが、遥が反動で移動も出来そうだねって考えた結果、全身から空気を噴出できるようになったのである。スカートなんて履いた日には大変なことになる。遥はスカートだが、スパッツを履いている。スカートを履くならスパッツは邪道!と心の底から叫びたいものである。


 一方彼方は地上を滑るように移動している。彼方の能力は”回転”ただそれだけである。当初は回転とただ書かれているだけで首を捻った彼方だが、考えた結果自分の周りに回転した何かを生み出せることだろうと結論かくしんした。それによって、彼方は自分の手足の周りに回転する何かを生み出せるようになった。足の横にローラースケートのように回転を生み出すことで地面に触れずに移動できるようになった程だ。攻撃する際は回転された何かをそのままぶつける。接触のダメージではなく回転によって弾かれることで相手の皮膚や肉を抉るのである。抉れなくても地面に叩きつけたり相手の攻撃を逸らすことが出来る。実際彼方はこと姉の傍にいた時一番多く敵を屠っている。以外に武闘派な男の子なのだ。ちなみに彼方はこの能力を”回転(踊る血袋)”と名づけている。名前が凄いエグイ。


 遥は空に上がった後、つま先から空気を噴出し体を丸め足を伸ばしたまま回転しながら達也に攻撃する。確かに普通の人間には反応しづらいだろうが、達也は反応強化により対応は容易なので、横に移動することで避ける。踵が地面に接触する瞬間、足から空気を噴出することで急ブレーキをかけた遥の頭を右手で掴んだ。


「ちょ!?女の子の頭鷲づかみとか酷くない!?アイタタタタタ!?」

「上から強襲するのはいいけど、外した場合隙だらけじゃないかそれ?器用なのは認めるが・・・いや、そもそも何でお前空飛べるんだ?」

「痛い痛い!手離して~!?・・・このっ!」

「おっと・・・」


 パンッと音を立てて腕に衝撃が走り、思わず達也はアイアンクローを解除してしまう。遥は外れないと見るや量の手のひらに圧縮した空気を貯め、達也の右腕に挟み込むように噴出したのだ。普通なら骨が折れるか腕が千切れるかするものだが、腕力強化と身体頑強により達也にはダメージはない、多少痛みが走ったくらいだろう。平然としてる達也も達也だが、放った遥も訓練とわかっているのだろうか。そのまま遥は空に逃げていく。


「やっぱりあれって派手なだけだよね」


 いつのまにか達也に肉薄していた達也に彼方は、右手の平に回転している何かを生み出し掌底を放つ。

受けてもいいが、何か妙なものが手のひらにあるな・・・あれは当たるとやばい気がすると直感で判断した達也は手が触れる前に彼方の腕を掴んで止める。そしてまじまじと手のひらで回転している何かをみる。無色透明だから見るというのもおかしいのだが・・・気配察知でも勘としてもそこに何かがあると感じ取れる。


「なんだこれ?」

「あれ?達也兄さん見えるの?なんかねぶつけたらグチャってなるよ!」

「そんなもんを訓練で使うなよお前・・・」

「だって攻撃方法これくらいしかないよ僕?」


 達也が感じているそれは言うならば回転という名の概念といったところだろうか、どんな重量があろうとどんな硬さがあろうと、その回転している概念の前には無意味だ、ただ意思が宿っているものは抵抗が出来る弱点はあるが。つまり達也が回転に対抗出来ると思い込めば接触した瞬間霧散するのだが・・・彼方が理解してないものを達也が理解しているはずもなく、達也は触れないようにしようという結論をだした。


「とにかく、ちょっと試してみるか」

「試すって何を・・・おおおおおおおお!?」


 達也は彼方の腕を掴んだまま、彼方の動きをコントロールするかのように振り回し始める。訓練で冬華と一緒にやってる手押し相撲で習っている合手あいのてだ。もっとも、腕を遠心力でもって振り回しているので、合手も何もないただの力任せに振り回しているだけである。というか、腕一本で振り回されている彼方は腕が痛いのか苦痛で顔が歪んでいる。というか、肩が外れているらしい。


「た、達也兄さん!腕外れたみたいというか痛いんだけど!?」

「あれ?おぉ・・・すまん」


 そのまま離すと危ないと判断したのか上に放り投げる達也。腕の痛みで着地のことを考えられない彼方は気づいたら地面に叩きつけられる直前だった。


「よっと・・・」


 普通の戦闘だったら追撃を入れるところだが、これは訓練だ。達也は地面に叩きつけられる前に彼方を捕まえてやる。体勢的にお姫様抱っこにならざるを得なかった。


「た、達也兄さん・・・」

「おいこら頬を赤らめるな・・・って腕脱臼してるのか?ブランブランしてるが」

「ぶ、ぶらんぶらんなんて・・・達也兄さんのエッチ」


 頬を赤らめる彼方、この子は男だ多少顔は整っているが、男だ。とにかく男だ!


 それはともかく、腕が脱臼しているようなので達也ゆっくりと地面に降ろしてやる。合手で脱臼するのかと使いどころを考えないとと考えているが、合手は関係ない。


「このぉ!私もお姫様抱っこしろー!」


 空からの攻撃は達也の指摘された通り隙が大きすぎると考えたのか、地面スレスレを滑空しながら、回し蹴りを放つ遥。向きが変わっただけでさっきと変わらないスピードなら達也には当たるわけもなく、しゃがむことで達也は遥をやり過ごした。


「ぬ~!よけるな~!」

「やだよ、何か当たる直前何を出してんだお前?」


 まさか全身どこからでも屁・・・いや、やめておこう殺される気がする。えっと、何が遥の体から出てるの?と考えるも、まさか空気砲とは思いつかず思考停止する達也。


「何か、今ものすっごく失礼なこと考えなかった!?」

「ははは、ナンノコトカネ」


 達也の顔を睨みながら遥が怒る。怒られる原因に心当たりがある達也は顔を逸らした。訝しげに達也を遥は見ていたが、とりあえず一発入れる!と気合を入れなおし、再度空に飛び上がろうとする。それに反応して達也は遥が跳んだ直後に遥の足を掴む。


「きゃ、きゃー!達也兄さんのエッチ!下から覗きこもうだなんて!」

「スパッツなんだから見せ・・・スパッツってやつじゃないのか?いや、そもそも何でスカート履いているんだお前は」


 スカートを抑えながら空に逃げようとする遥、スパッツ履いてるのだから気にしなければいいものを、それでも覗かれるのは恥ずかしいのか、キャーキャーいいながら達也を掴まれていない足で蹴ろうとするも適当にいなされる。それに二人分を浮かべるのは出力が足りないのか、達也の足は地面についてしまう。

 地面に足がついたらこちらのもんだ、達也は掴んだ足を思いっきり引っ張る。片足を掴まれているせいか上手く逃げることが出来ずに地面に引き摺り下ろされる遥。

 そのままお姫様抱っこをしてやる達也。まさか私がしてって言ったから?と思って期待するような目で見る遥・・・。これは訓練である。


「え、えっと・・・く、くるなこい!」

「何で目を閉じてんだお前?」


 目を閉じた遥を不思議そうに達也は見ていたが・・・まぁいいかと判断して止めを刺すことにする。

 遥が何もないことに目を恐る恐る開ける、そこにはいい笑顔で達也が手を自分の頭に当てようとしている・・・そんな姿を最後に頭の痛みと共に遥の意識は落ちた。


 膝をついて右手をフリーにして”右手変化 白”で目を瞑ってる遥の頭に当てる・・・何か動揺してる遥をよそに繋がりを作って・・・衝撃を与えて強制的に気絶させた。おぉ・・・出来るもんだな。

 これでとりあえず二人とも戦闘不能だし終わりかな、気絶した遥を地面に横倒しにして彼方の様子を見に行く。


「あれ?自分ではめたのか?」

「うん・・・痛かったけど頑張った」

「さすが男の子」

「えへへ」


 少し涙目になっているが、頑張ったなと頭を撫でてやる。志乃を呼んで回復薬を出してもらい・・・低品質をかけてみる。


「おぉ・・・痛みが引いていく凄いねそれ」

「これで十分なのか・・・まぁ重傷じゃないからそりゃそうか」

「凄いね・・・動かしても痛くなくなったよ、ありがとう達也兄さん」

「うん、まぁお礼は・・・優奈にも言えばいいよ、優奈が作ったやつだし」

「ん、たつはるかねてる?」

「あぁそうだった・・・えっと志乃?」

「ん、なに?」

「遥を運ぼうと思うんだけど・・・俺がやるのは駄目か?」

「ん、たつがんばれ」

「いいのか・・・さっきので本当に機嫌直ったみたいだな」

「ん、寝るときにもしてもらう」

「あ、おに~ちゃんわたしも~」

「たつにいケーナは?ケーナは?」

「はいはい、チビッ子組はやってやるからとりあえず、遥を運ばせてくれ」


 地面に横倒しの遥を抱っこして休憩所になってるところに運ぶ。気絶させたはいいが、いつ起きるかはわからんな。


『ところでタツヤ様?白はいいんですか?』


「首を叩いて気絶とかあるみたいだけど、やり方わからんし・・・俺の力だと折れかねんからな・・・白なら傷つけることはないだろ?」








 達也がそう言った後、柳はじっと達也を見ていた・・・柳の脳裏には初めて白を見たときから・・・ケーナの治療をしてもらった時からある違和感が頭に浮かんでいる。


『白と黒・・・使用用途が逆な気がするのは私の気のせいでしょうか?』

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