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看護師は若い女の子が鉄板

「とにかくヤナギ様に加護を頂ければ、塩を獲るときにビャクエン様が保護してくださるということですな?」


 町長さんがまとめるように俺に確認してくる。


「そうですね、俺達がとってきた分がなくなる前にルートの確認と護衛は決定しといたほうがいいですよ」

「わかりました、早急に決めましょう。持ってきてくださった塩は充分な量ですが、早く決めることにこしたことはないですしな」


 町長はそう結論すると町に帰っていった。後は・・・先ほどから白炎を拝んでる司祭さんだけか。


『達也・・・この人間もそれなりに力を感じるのだが・・・なぜ白炎を拝んでおるのだ?』


「白いからじゃないの?」


 適当に言ってやると、司祭様が俺の言葉に反応して、俺に詰め寄ってきた!え?何か悪いこと言った?ご、ごめんなさい!


「タツヤ殿さすがですな!?まさかタツヤ殿も信仰なさっておられるのですか!?」

「えっと・・・白信仰?」

「いえいえ、白色だから信仰するのではないのです、白い体を持つビャクエン様だからこそです!しかも竜です!光神様の使徒に違いありません!」

「あぁうん・・・多分違うと思うけど・・・?」

「確かにそうかもしれませぬ、聞けばタツヤ殿に身を捧げているとのこと・・・ヤナギ様のことを考えるとタツヤ殿こそが使徒なのかもしれませぬな」

「やだよ、司祭様騙して俺を攻撃するような神様の使徒なんて」

「ぬ・・・それを言われると・・・あれは私が未熟だったゆえに、光神様を騙る悪魔に唆されてしまったのです。どうか、お許しを」

「あぁいや、別に蒸し返すつもりもなかったんですが・・・ま、まぁ白炎を崇める分には俺は構いませんから、どうぞどうぞ」


 司祭さんはずっと白炎を拝み続けていた、真摯に祈ってるもんだから邪魔しちゃ悪いと思って町に戻った。白炎が困惑していたが、放置だ放置。


「たつにいビャクエン帰っちゃうの?」

「え~!?帰っちゃうのおに~ちゃん?」

「そりゃこいつはここだと生きていけないだろ塩が食料なんだし」


 ケーナとエナが凄く残念そうだが・・・こればっかりは俺にもどうにでも出来ない。体を塩に変化させてさぁ僕の腕をお食べよ?いやいや冗談じゃない、そもそも塩に変化出来ないけどさ。


『いえ、別に力を補給するだけですし、常に食料・・・塩が必要なわけではないはずですよ』


「柳は竜に詳しいのか?」


『詳しいというほどではないですが・・・そもそも精霊や竜は食事をする必要がありません、あのアホビャクエンは嗜好品として好んでいるのでは?まぁ、自身を構成している物質は効率的に吸収できますが。それにタツヤ様から力を頂いているのでしょう?でしたら、生きるだけならむこう100年は補給が必要はないんじゃないですか?』


「俺は一体あいつにどんだけ渡したんだよ・・・別段疲れなかったのに、いや治療の方が力を使うってことか?」


『そうですね、力を渡すだけならともかく、自分と異なる生物を癒そうとすればそれだけ大きな力が必要となりますから・・・ケーナの治療が出来たタツヤ様が異常なのですよ・・・それにあのアホビャクエン、どうやら力を受けきれてないようですよ?余った力は予想ですが住処にでも何らかの形で保存してると思います』


 ガソリンスタンドみたいな扱いになってないか俺?いやいや、許容量オーバーして受け取ってたのかあいつ。道理で力を受け取ってるのに逆に弱弱しくなってたわけだ、泥酔みたいなもんだと思ってたけど。

 そんな話をしていると、聞こえているのかビクビクしてるし・・・確定か。とはいっても別に怒りはわかないから別にいいけどね、気付かなかった俺も俺だし。

 

 双子が2日ぶりに外に出たせいか、空を飛んだり、地面を仁王立ちで滑走したりとやりたい放題やっている。


 ん?何か今おかしい現象を目撃したような?


「ん、たつわたしも空とびたい」

「あれは空を飛んでいるというか・・・跳ねてない?」


 志乃が空を飛びたいそうだが、美香の言うとおり遥のあれは飛んでるというより跳んでるだな、安定してない。落ちたり浮いたり上下運動が激しい、見てるだけで酔いそうだ。


「たつにいお兄ちゃん走るの早いんだね」

「ケーナあれは走ってないよ?」


 彼方のあれは走ってない、どこの世界に仁王立ちで移動するやつがいるんだよ・・・まるで地面の方が移動しているような感じなんだが。

 はしゃぐ双子を見ていると、満足したのか戻ってきた。


「よっし、達也兄さん!早速稽古だ!訓練だ!修行だ!」

「体の調子はいいから、いつでもやれるよ」

「「さぁ、どっちと戦る?」」

「まぁ・・・明日な、俺は明日まで安静にしないと怒られるから今日はやらないぞ」

「「ええええ!?」」


 娘天下だからな、許可が出ない限りは訓練はしませんよ?だから抓るのをやめて志乃?え?そっちに怒ってるんじゃないの?じゃぁ何に怒ってるのさ?


「志乃?優奈とお話して納得したんじゃなかったの?」

「ん・・・」


 抓るのをやめてくれたので、手を繋いでおく。何に拗ねてるのかサッパリわからん。もしかして双子に構いすぎてる?いや?ケーナとエナより適当だよな?


「えっと、志乃?抱っこする?」

「いい・・・手つないでて」


 拒否された!手は繋いでていいらしいけど、俺は一体何をしたんだ!?愕然としてると美香に肩を叩かれた。


「(ちょっとナーバスなだけだから手を繋いでるくらいで丁度いいわよ)」

「(気難しいなおい!)」


 ナーバスモードの志乃を気にかけつつ、町に戻ることにする。優奈のところによるか。





― 薬師の家 ―


「はい、捻挫みたいだから、寝る前にこれを塗ってね?明日には動かせると思うから」

「うへへ、すまんなぁ嬢ちゃん」

「お大事に~」


 優奈の手当てに終始目元をだらしなくしていた男は、治療が終わっても居座ろうとしたが、冬華が首根っこを掴んで外に連れて行く。優奈が帰ってきてから薬師の家は大盛況だ。訓練が始まってから確かに利用者が増えたが、これは増えすぎだ。頭が痛いから見てくれとか、お腹が痛いから薬をくれとか、とにかくひっきりなしに患者が来る。優奈にあからさまにセクハラをする輩がまだ出てないのが不思議なくらいだ。だらしない顔をして居座ろうとするのは適宜冬華が追い出している。さらに、明らかに仮病っぽいものは雪と蒼が協力して追い立てている。

 

 これでは、回復薬の作成が行えない。優奈は別段焦ってはいないようだが、エネスとしては自分に出来た初めての弟子で、孫のように可愛がっているのだ。優奈が薬についてエネスに学んでいる理由を知っている身としても心苦しい・・・というか、こいつら痺れ薬でとりあえず動けなくしてやろうか?と物騒なことを考えている町の医者である。

 

 いっそのこと優奈と冬華は回復薬作成に行ってもらおうかと思ったが、優奈から手当ての練習にもなるのでやらせてくれと言われては、エネスは嫌とは言えない。結果として帰ってきてから回復薬の作成は一本も行えていないのだ。


「うお・・・またえらい人数がいるな・・・全部怪我人かよこれ」

「ん、いっぱい・・・みんなうできった?」

「そう簡単に腕は切れないわよ志乃」

「ヤナギ~ユウナお姉ちゃん手伝ってあげる?」


『・・・ほとんどは仮病に見えるのは私の気のせいですかね?』


 いつのまに来たのか、達也達が家の中にいた。達也達はエナが双子に町を案内するというので任せてケーナを伴って、優奈の様子を見に来たのだ。来たはいいが、家の外にまで行列が出来ていたので、空き部屋の窓から中を覗き込んで異空間で入ったのだ。不法侵入である。


「おぉタツヤ殿いつのまに・・・すまぬのうユウナ目当てで男共が無駄に集まりよってな・・・回復薬も出来とらん状態なのです」

「優奈目当てって・・・仮病なんですか?」

「それもいるのはいるんですが、トウカ殿がすぐに追い出してくれます。ユウナが見てくれることに気付いた馬鹿な男共が訓練で無茶をするようになってのぅ・・・私だけじゃ手が回らんのじゃ」

「あぁ訓練で・・・実際怪我の治療に来てるなら文句は言えないですね。優奈が嫌がってないなら仕方ないかな?」

「嫌がってはおらんのだが、調合する暇がなくてのう」


 とはいっても治療出来る人間は限られているし、エネス一人じゃ厳しいのは本当だ。エネスとしてはここで達也が怒って威圧でもしてくれないかと期待したのだが、拍子抜けしたことに達也は怒りもしなかった、むしろ優奈のやりたいようにさせろと言うではないか。

 エネスは憤慨した、年甲斐もなく血が騒いでいる。乙女の気持ちを何だと思って折るのだこやつは!いや、達也としては優奈の好きなようにさせているだけである。むしろその邪魔をしているこの馬鹿共だ!こいつらが問題なのだ!エネスは決意して今も治療に来た男を睨みつける。貴様ら明日からは覚悟せよ!


「え?何で俺婆様に睨まれてんの?ちょっと打撲が酷いから薬もらいに来ただけなのに?」

「あれ?ケイ君も怪我しちゃったの?」

「お、おう、なんだ今はユウナが治療してくれんのか?・・・ほら・・・背中なんだけどな」

「おぉ・・・これは痛そう、えっと・・・これを塗り塗り」

「冷た!?って何か冷や冷やしてるのに温かくなってきたぞ?」

「塗り塗り・・・うん、熱くなってきてるなら効いてる証拠だよ・・・ちょっと夜しみるかもしれないけど我慢してね」

「お、おう・・・ユウナの手すべすべしてんだな」

「はい、おしまい!」

「た、たすかった・・・って兄貴!?」


 傍で見ていた達也にようやく気付いたのか、慌てふためいてケイは外に出て行った、いや逃げて行った。その様子を達也は何だあいつ?と思った程度で別にケイに対して何も思ってない。ケイの自意識過剰である。まぁ、すべすべしてるなんて言ったから死を覚悟したのかもしれない。


「ば、婆様?何で怒りながら薬を処方してくれてるんですか?」

「ふんっ!貴様ら明日からは覚悟しとくんじゃぞ!」

「婆様どうしたのさ?」


 私の可愛いユウナの邪魔をするものは許さん!


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