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出戻り

「来たな・・・ってどうした何だか凄く疲れてるように見えるが」

「色々・・・色々あったんです」


 朝になり、何とか重たい身体を引き摺って西門まで来れた。

 久々に風呂に入れるからとはしゃぐ娘達の相手に修羅と化したおじさんの相手・・・ラスボスメリーさんをあしらうのはかなりの気力を使うはめになった。


「・・・大丈夫なのか?」

「疲れてるのは心なんで歩けば回復しますよ」

「心って・・・何があったんだか・・・まぁ出発するか」


 第二回調査団出発。







「まぁ・・・予想通りではありますね」


 特に問題なく、川のカーブしている手前までこれた。手前で止まってるのは大方の予想通り湿地帯になっているからだ、湿地帯だけではなく、湿地帯を南に突っ切る形で川も出来上がっている。カーブの部分から新たに川が出来ているのだ。


「ふむ・・・とにかく、調査は明日だな・・・日が暮れる前に野営の準備だ」


 フリッツさんの号令で各自野営準備をする。


「薪拾いは・・・無理だな、全部湿ってるな」

「さすがに、誰が持ってきてもこれは駄目だね~」

「チチチ・・・」「ガルル・・・」


 気を落とす二人を撫でて別のことが出来るか考える・・・特にないことに愕然としただけだった。


「う~ん、雨のせいか薬草の類も・・・駄目だね。木の実なんて流されていたり腐っちゃってるよ」

「ここに役立たず四人が生まれたのであった」

「う~ん・・・じゃあ私みっちゃんのてつだ・・・むぅ」


 いやいや、旅先でハンバーグ味の豆腐は食べたくないから大人しくしてろ。






「あれ?これベーコン?」

「豚じゃないわよ?熊の燻製肉ね」

「いつのまに・・・」

「出発前にデニスさんにもらったのよ、豚以外ってベーコンって言っていいのかしら?」

「そもそも何で豚だけベーコンなんだろうな?」


 昼食はデニスさんお手製熊の燻製肉を焼いて味わった。

 元の世界の熊を食べたことないから何ともいえないけど、筋肉密度が高いせいか歯ごたえが凄いある、かといって硬すぎるわけでもなく、筋じゃなければナイフもスッと通るし、歯で簡単に噛み千切れる。

 味でいえば、牛肉って感じだなこれ。


「やはり、ミカさんの料理は美味しいですね」

「デニスさん達の腕が良かったんですよ」


 カームさんはベタ褒めしてるけど、そんなことしてると・・・


「美味い!美味いよノザキの姉御!」

「かーっ!酒が飲みたいな!」

「本当だなオルト!いや、デニスが作ってたんだろ?帰ったらデニスにたかろうぜ!」


 全部食われるぞ・・・あ~あ、瞬くまに消え去った。俺の方には手を出させないぜ!


「お前ら・・・俺の肉は?」

「カームの兄貴がちんたらしてるからだぜ!」

「口説いてる暇あったら食えってんだ」

「そうそう、うめぇ・・・っておい、その弓を降ろせ!」


 食い物の恨みは恐ろしい・・・カームさんにより3つの磔が出来るまでそう時間がかからなかった。






「えっと名前が欲しいと?」


 夜の見張り一番目は俺とケイになったんだが・・・美香のワニ君4匹がこちらを円らな目でみてくる。

その手はそれぞれ自分を指差していて・・・名前?と思って聞いたら一斉に頷いてきた。


「これってノザキの姉御の人形だよな?何かごっつくなってないか?」


 ケイの言うとおり、熊型の毛皮をふんだんに使い、中身も高級枕の綿を取り出し使用・・・綿で出力変わるのか?それに色も熊型の毛皮は茶色だが、濃い緑色で染色されている。それに黒色の鎧みたいな物を着ている。そして、それぞれがトムスさん自慢の一品を携えている。大きさも1m30・・・志乃と同じくらいになってるし。それが4匹並んで肩膝をついて懇願してる気配を出している。


「名前ねぇ・・・」


 4匹だから連なった方がいいよな、春夏秋冬・・・鏡花水月とかからつければいいか?一応こいつら騎士っぽいからなぁ・・・円卓の騎士団とか?いや、アーサーとかランスロットくらいしか知らない。何の武器もってたかさえ知らん。番号でつけるか?アインツ、ツヴァイ・・・なんだっけ・・・?うぐぐ。


「兄貴悩んでるんだったら俺が決めようか?・・・お前はリーダーっぽいから無敵隊長で、隣が最強副長でっておい!何で目をそらすんだ!」


 無敵と最強って戦ったらどっちが勝つんだ?美香の人形だから戦国風がいいか。


「じゃぁ槍もちがタダカツ、両手剣の子がヨシテル、二刀流がムサシ、最後に両手に何で盾しか持ってないのかは知らないけど、君はベンケイな?」

「え~!?兄貴何だその名前!?」

「うるさい、一応有名どころだぞ、偉人ばっかりだぞ敬え」


 いや、ケイはどうでもいい、ワニ君達は・・・あぁそれでいいのね嬉しそうに頷いている。一応槍持ちのタダカツがリーダーっぽいから今日の巡回を頼むと散開していった。明日の朝には美香に言わないとな。







「ふ~ん?わかったけど・・・私がつけようと思ってたのに・・・」

「何だか必死に頼んできたからな」

「もぅ信長とか家康とかつけてあげたのに!」

「まぁ似たようなもんだろ俺がつけたのも」

「そうね、達也も時代劇とか好きなの?」

「有名人でも、名前とある程度何かをしたとかしか知らないよ」

「あら、残念・・・達也も勉強するときに参加しましょうか」


 何か嬉しそうに料理に戻っていったが・・・出来れば数学とかの勉強を教えてあげて欲しいのだけど。この世界で信長が何をしたかって・・・いや、政策とか教えてもらえるならありかもしれないけど。





「さて、どうするか」


 フリッツさんが湿地になった地点を見回す。広範囲が沼みたいになっていて、草とかは生えていないもののその内、湿地っぽく水草がいっぱい生えてきそうである。

 ウォルさんの見解では、新たに出来た川を埋め立てたとしても雨が降るたびにこうなるのが目に見えてるとのことだ、やるならきちんと整備して川の流れを整えてやったほうがいいという話だ。


「向こう側に渡るのが困難になったな・・・幸い川は深くないからここを迂回するだけでいいが」

「だがフリッツ、川をどうやって渡る?幅だけでも結構あるぞ」

「・・・下側にいけば細くなっていたりしないか?」

「池なり湖があるならそれもなくもないだろうが・・・見た感じないだろ」

「・・・帰るか?」

「実際、西側は諦めて南側いくなら一旦戻るのも手だな」

「悩んでいても解決しないな・・・町に戻るぞ!」


 フリッツさんの決定にケイが声を上げた。


「ええ!?昨日出たばっかなのにもう帰るのか!?」

「どうにもならん、西側は諦める」

「ま、まじかよ・・・兄貴達でもどうにかなんねえの?」

「手はあるぞ?」

「え?じゃぁそれ使えば・・・あ、ごめん、何でもない、嫌な予感しかしない」


 ほう、経験が生きたな。投げれば向こう側に行けるぞと言おうと思ったんだけど。荷物を片付けはじめたケイを見つつそう思う。

 まぁ西側は俺達だけで探索した後にでもアルランに伝えればいいだろ、とにかく。


 第二回調査団帰還。






 夕方には町に戻ってこれたが別段驚かれなかった、予想してたのか町長さんも役場にいたので川の様子を伝えた。


「やはり大方の予想通りだったか」

「あぁ町長・・・特に問題なければ明日は南側に行こうと思う」

「ふむ?休まなくて大丈夫か?」

「実質歩いただけだから問題はないキサラギ達も了承済みだ」

「ふうむ、それにしても西側をどうするかだな」

「出来れば有効活用したいがな、湿地を整備すればいい農作地帯になると思うんだが」

「道中の危険はなかったんだな?」

「確かになかったが・・・町にも半日あればいける距離とはいえ・・・いや、そもそも農作地を増やす必要はなかったか」

「北側の農作地が使えればいいんだけどのう」

「問題は護衛か、そればっかりは魔物が出たら逃げてもらって、その後対応するくらいしか手はないんじゃないか?」

「やはりそうなるかのう」


 こういう話ってむしろ対応してくれるだけマシだよな、悪徳領主だったら放置でさらに税率アップとかだろ?


「とにかく南側に何かあってくれるといいんだが・・・この分だと期待は薄いか?」

「何を行く前から腑抜けたことを言っておるんだ、お主は調査団のリーダーだろうが」

「こうも何もないとなぁ、今のところ川見つけて・・・あぁサカグチが回復薬を作ったくらいか成果って。いや、それって調査関係ないだろ」

「確かに、サカグチ殿一人・・・いや、薬師様とで二人いれば済むことだな」

「どんどん調査団の価値がなくなっていくな」

「だから、腑抜けたことを言ってるでないわ!」

「おぉこわ」


 だんだんコントみたいになってきたので俺達はルッドさん宅へ帰ることにする。


「おに~ちゃんお帰り!」

「あぁうん・・・今日はお手柔らかに頼むよ」

「それは、おと~さん次第じゃない?」

「いや、メリーさん次第だろ」







 とにかく明日に備えて休ませてくれ。




旧:8月15日時点

この辺は一気に読む人減りそうだねぇ。

「第3回目調査では俺がやりたかったこと出来るから!むしろ俺も書いてて辛かった!」

なら、適当にカットすればいいじゃないか。

「い、1日更新だから許してくれ、カットとか器用なことが出来ないんだ」


新:8月20日時点

あ~あ、ストック使いきっちゃったよ。1日更新続けられるのかい?15話も使っちゃってまぁ・・・内容が薄いけど。

「今日から午後7時掲載に戻すよ!ストック・・・どうしよう?」

知らないよ、暑いからって自棄になるからだろう?

「や、やれるだけやってやる!」

自己満足極まってるねぇ。

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