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品質

何でもない日常も書いているから、進まないなこれ!戦闘パートか重要パート以外は読み飛ばしてもいいかもしれませんよ?

「ヂヂヂ」


『ユウナ様そろそろお休みになったほうが・・・トウカ殿も言っておられますよ?』


「むぅ・・・何かが違うんだと思うんだけど」


 高品質ポーション3級以上の物が作れないことに優奈は違和感を感じていた。いや、そもそもそれ一本しか高品質ポーションは出来なかった。中品質ばかりだ、少し手順を変えただけで低品質になってしまった。低品質でも傷に効いて体力回復にも効果的とチェッカー君は保証していたが。

 

 優奈が品質に拘っているのは高品質ポーションの致命傷に効くという一文を見てからだ。中級でも腹痛から重傷までだったのだ、普通に使う分なら低品質でも医療技術的にはかなりの進歩なのだが。

 優奈としては達也は重傷なら自分で何とかしてしまう、問題は致命傷だ。今のところ致命傷は腕型怪物に足を潰されかけた時くらいだが、あれは一応命には問題がなかった。化膿の問題は別としてだ。とはいっても達也が戦い続けるなら・・・守り続けるならあのくらいの傷を負うことがないとも言えない。あっては欲しくはないけど。


 って、あぁ・・・また中品質ポーション2級だ・・・どうやら品質ごとに3級まであるみたいだ。これでもう20本目だが、高速回転出来るのが冬華だけだから捗らない。いや、冬華以外がやったら低品質より下の物が出来る気がする。


「はふ・・・う~ん」

「ほれ、欠伸をしているのじゃから、もう寝るのじゃ」

「ふぇ?あ~うん・・・そうする」

「気を落とすでない、まだ初日じゃぞ・・・ここはいいから寝てきなさい」

「うん・・・たつくんも上かな」

「確か空いてるベットを使わせてくれと言っておったからそうじゃろうな、ほれほれ薬師の弟子が体調不良なぞはだめじゃぞ」

「うん、おやすみ~エネ婆ちゃん、冬華さんはお手伝いありがと~」

「おやすみ、ユウナ」

「ヂヂヂ」


『おやすみなさいませユウナ様』


 柳も優奈について去った後、テーブルの上を片付け始める冬華とエネス婆さん。特に会話もなく二人で片付け終えると地下室を後にする。


「トウカ殿もおやすみになられますかな?」

「ヂヂヂ」

「あぁ私もさすがに休ませて頂きますよ、とはいっても気力は充実していますが」


 二人で達也達が寝ている部屋を覗く・・・優奈が寝ぼけてなのか、美香に抱きついて寝ている押し潰すように。


「う、う~ん?息苦しい・・・って優奈?もぅ・・・抱きつくならこっちでしょ」


 目を覚ました美香は達也の隣を譲り渡した。そしてこちらを覗く二人に気付いたようだ。


「(あら?冬華終わったの?あ、優奈がいるんだから終わったのか、お疲れ様)」

「(ヂヂヂ)」


 小声で会話すると冬華もエネ婆さんに会釈して入っていく。エネスも自分の寝室にいこうとして呼び止められた。


「どうせなら美香の隣で寝ますか?」

「ふむ・・・そうしますかの」


 そうしたい理由もないが、そうしたくない理由もないので美香の提案に乗ってみることにしたエネス。

ベットに横になるとさほど広くはないので優奈越しに達也の寝顔も見える。寝顔を見た限りではあの恐ろしい気配を出せる者と同一人物とはとても思えない。しがみつくかのように顔を押し付けてる優奈は幸せそうだ、エネスは優奈を一撫でした後自分も眠りについた。








 ぬ?左にいたのって美香だったような・・・まだ雨は降ってるみたいだな、日の光がなく薄暗い。眠気がないことから朝だってのはわかるが。って、優奈のさらに向こうにエネス婆さんいるし・・・いや、いいけどさ。

 誰も起こさないようにベットから抜け出して、外に出てみる。


 結構な雨が降っている・・・昨日の夕食後からずっと降っているのか、こうなるとやむまで待って川の様子を最優先で見に行く必要あるな、このまま降り続けるなら湿地か新たな川が出来るかのどっちかだと思うけど。


「ガルル」

「あれ?蒼?起きたのか?っておいこら!」


 何が楽しいのか雨の中を駆け回り始めた・・・犬ってこういうの好きなの?いや、狼だけど。そういや蒼って散歩必要なのかな・・・狼だけど。

 さすがに雨の中散歩する気にもなれず・・・傘があれば行ってももいいけど。満足したのか戻ってきた・・・ってこらこら。


「待て待てそのまま入ろうとするな」

「クゥン?」


 首を傾げてもそこで待て!タオルを持ってきて拭いてやる。プルプルするな!飛び散る!


「あーあー足も泥だらけじゃないか」

「ハッハッハッハ」

「朝から興奮しすぎだ、とりあえずこれでいいだろ・・・後で風呂入れるか」


 共同用の風呂なら入れるだろ。


「あれ?蒼?起きてたの?それに達也も」

「ガルルル」

「おはよう美香」


 いつものごとく最初に起きて朝食を作っていたようだ。蒼は美香の足元をぐるぐる回っている。


「蒼どうしたの?やけに興奮してない?」

「何か雨が嬉しいらしいぞ、さっきも外で駆け回っていたからな」

「あぁどうりで達也がタオルを持っているわけね」


 とりあえず遅くまで起きていた人以外を起こすか。


「ほらほら、起きてご飯食べれ~」

「ん、おはよたつ」

「おに~ちゃん、雨降ってる!」

「たつにいだっこ~」

「はいはいおはよう、ケーナは自分で歩く!」






 朝食後風呂にいくことになったので、志乃に傘を出してもらう。柳は悪いが優奈とエネス婆さんを見てもらうことにした。冬華も起きてきたのでついてくるそうだ。

 雪は美香が蒼は俺が抱えている。風呂に入るとはいえ、汚れられても困る。町の皆は雨が降ったことに驚きはしたものの習慣なのか、家からは出ないようだ。


「とりあえず・・・ここは混浴だめだから俺は一人で入ってくる」


 颯爽と宣言して一目散に男湯に逃げる。後ろからえー!?の大合唱が聞こえたが聞こえないなぁ!

 脱衣所を抜けて浴室に入る。毎日掃除してる人がいるのか、清潔な感じが保たれていた。この前はよく見てなかったけど、蒸気対策はきちんと考えられていた、雨の浸入も防いでいる。

 向こう側が凄く騒がしいが、俺は堪能し続けた。




「もぅ!たつにいまた置いてった!」

「おに~ちゃん帰ってきてから冷たい!」

「そんなことはないけどな」


 エナとケーナが大層ご立腹で帰りは二人を交互に背負うハメになった・・・雨降ってるのに。蒼は籠に入ってもらって肩から提げる形で運んだ。

 エネス婆さんの家に戻ると優奈は起きたらしく、テーブルの書置きと朝食が綺麗になくなっていた。食べてすぐ地下にいったのか。

 それを見て冬華も手伝いに地下に降りていった。他のメンツはすることがないので、ひたすらトランプをしていた。






 昼頃ボードルさんとフリッツさんが尋ねてきた。ずぶ濡れで。


「おぉここにおりましたか探しましたよ・・・おぉありがとうございますノザキ殿」


 美香にタオルをもらいながらお礼を言う町長を見て何かあったのかと考える。


「雨で何か問題発生しました?」

「いやいや、そういうことじゃないんですが。もしやヤナギ様が何かしてくださったのかと思ったのと、キサラギ殿の見解を聞きにきたのです」

「雨は自然現象みたいですよ、俺の見解というと川についてですか?」

「そうです」

「と言われても、ウォルさんの見立て通りになると思いますよ?やむ気配がないですし」


 そこまで言ったところでフリッツさんが反応する。


「ほらみろ、キサラギは大工じゃないんだからウォルに聞いたほうが早いだろ」

「そうはいうがなフリッツ、どちらにしろヤナギ様への確認は必須だろうが。ともあれ、解りました。とにかく雨が明け次第になりそうですな」

「そうですね・・・あぁケーナどうします?一度ご自宅へ帰した方がいいですよね?」


 と言った途端ケーナが町長さんに抱きついて無言で上目遣いで見始めた・・・あ、これ終わったな。


「ぬ、ぬぅ・・・申し訳ないのですが、ケーナをお任せしてもよろしいですかな?」

「了解です、お預かりします」


 苦笑しながら、了承を伝える。ケーナは満面の笑みを浮かべるとトランプに戻っていった。


「くくく、敏腕町長も娘には勝てないか」

「うるさいわ、フリッツ!貴様もとっとと結婚せい!」

「年寄りの小言は聞き飽きたよ・・・それでキサラギ」

「はい?」

「いつやむかとかわかるか?」

「俺を何だと・・・わかりませんって」

「そうか・・・町長とりあえず町の護衛を強化するか交替時間を短くしたほうがいいだろう」

「む、それはそうじゃな」

「あぁ、じゃあなキサラギ、雨が止んだ後の調査は頼むぞ」

「はい、あまり雨に濡れない方がいいですよ」


 おう!と声を出しながら二人は走っていってしまった・・・あ、傘渡せばよかったかも。






 結局この雨は3日ほど降り続けた、大雨じゃないから被害はなかったが優奈以外のちびっ娘のフラストレーションは溜まりまくる結果となった。



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