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会議は進まず

「みっちゃん頑張って!もう門が見えてきたよ!」

「だ、大丈夫よ・・・ふぅ・・・今回は達也には頼らない・・・ふぅ・・・わ」

「ん、別にたつにたよればいいと思う」

「ふぅ・・・志乃・・・ふぅ・・・女の意地よ!」

「ん、たまにみかも、いみふめいになる」


 今日は俺に背負ってもらってる志乃である。チビ助は優奈が抱きかかえ、その優奈は犬っころに乗っている。どうも誰かを乗せたいらしい、志乃が乗らないことを知ると優奈と美香に擦り寄ってたからな。前世が馬なのかね、この犬っころ。


「たつくんたつくん?」

「ん?どうした?」

「いい加減名前決めてあげようよ?」

「名前って、チビ助と犬っころか?」

「うん!さすがに可愛そうだよ?嫌いなわけじゃないんでしょ?」

「まぁそりゃ嫌いじゃないが」

「だったら、名前決めるの!たつくんがね!」


 期待するように見てくる2人・・・そういや匹じゃなくて人扱いしてるのに名前決めないのもおかしい話かもしれないな。


「わかったよ、考えるよ」

「おお?じゃぁたつくんの宿題だね!町に帰るまでの」

「期限短いな・・・」


 優奈としては、駄目なら仕方ないかなと思って提案したのだが、基本的に達也は3人娘からお願いされれば断らない。前回の名づけの時はともかく、今はカームのこともあって何でも許してしまうのだ。


「ん、リスがふうりん、わんわんがばさし?」

「チビ助のふうりんで少しおお?っと思ったが、ばさしって・・・志乃は名づけは不得意すぎるな」

「ん、たつだめ?」

「俺の宿題だからな」

「ん、他人に見せちゃだめ」

「そうだな」


 苦笑しながら肩越しに頭を撫でてやる。


「ふぅ・・・そうね・・・ふぅ、妹さんは・・・帰蝶きちょう・・・で・・・ふぅふぅ・・・ワンちゃんは・・・ふぅ・・・梵天丸ぼんてんまるで・・・ふぅどうかしら?・・・はぁはぁ」

「帰蝶はともかく犬っころは雌だぞ・・・梵天丸って・・・おいおい、それと疲れたなら諦めて乗せてもらうか背負うぞ?」

「・・・ふぅ・・・いやよ・・・え?女の子?」


 何だ知らなかったのか?犬っころは雌だぞ、水浴びの時に気づいたからな。おや?水浴びを一緒にした俺以外は全員知らなかったのか、いやシリウス姉妹は知っているだろうけど。


「まぁ、それで女の子の名前だろ?う~ん」


 どうせシリウスも欲しがるだろうから、姉妹で揃った名前を考えないとな。






「そうだなシリウスが冬華とうかでチビ助がゆきでどうだ?犬っころは、あおいかな。どうだ?」


 単純に冬に出会ったから冬関係で姉妹の名前をつけて、犬っころは青い毛並みだったので、あおいだ。


「まぁ考える時間はあるから、嫌ならまだ考えるが・・・あぁいいのか」


 蒼が優奈と雪を乗せたまま擦りよってきたので、撫でつつ落ち着かせる。嬉しいのか尻尾は振られているので気に入ったのかな?雪の尻尾は優奈の顔を強打しているくらいだし・・・あ、優奈がポイッした。

 放り投げられた雪をキャッチすると、一際大きな影が・・・伝わるの早いなおい。

 上から降ってきたシリウス・・・改め冬華を避けると地面にビターンッとなったが、ゾンビのように起き上がったと思ったら、抱きついてきたので・・・諦めてなすがままにされる。


「いきなりシリウスさんが飛び出していったんだが・・・なにごとだ?」


 カームさんが驚いて見に来ていた・・・というより一行の足が止まってしまったので、説明する。フリッツさんは頷くと同時にとりあえずここで休憩をしようということで、改めて名前を与えることになった。


「蒼」

「ガルガル!」

「雪」

「チチチチチチチ!」

「・・・冬華」

「ヂヂヂヂヂヂ!」


 名前を呼ばれた順から小躍りするように俺の周りをぐるぐる回り始める。うっとおしい!


「柳さんの時も思ったけど、意外に達也っていい名前つけるわよね」

「私もたつくんにつけてもらおうかな?」

「ん、ゆうなはゆうな」

「さすがに違うよぉ志乃ちゃん、機械の名前だよ」

「ん・・・ゆうなが作ったのはゆうながきめるべき」

「あ、それもそっかぁ」


 美香としては喜ぶ3匹・・・いや、達也がいうのだから3人と呼ぼうと考えその3人を微笑ましく思いつつ少し羨ましく思い、志乃は達也が満更でもなさそうなので良かったと考え、優奈は機械の名前考えてもらおうかなと考えていた。優奈については志乃に指摘されて考え直したが。


「つまり?シリウスのことをこれからはトウカと呼べばいいわけだな」

「ちっこいのはチビ助じゃなかった・・・えっとユキか、わかったぜ兄貴!」

「狼はアオイですね、不思議な響きですが悪くないですね、キサラギの世界の名前なんですかね」

「は~名付けとか親にでもなったつもりかよぉキサラギはよ」

「いいじゃねえか、お前も子供できればわかるぜ?」

「そりゃレイクお前は結婚してガキもいるけどよぅ」


 レイクは妻子持ちだったのか・・・つまりリア充だったのか!







 

 休憩も終えて、美香を励ましつつ夕方には町に帰ってこれた。

 西から帰ってきたのには驚かれたが、見張りがきちんと機能していたらしく入り口には主だった町の住人が出迎えてくれた。真っ先にかけてきたのは


「おに~ちゃ~~~~ん!」

「た~つ~に~ぃ~!」


 エナとケーナの二人だったが。予想はしていたので抱きとめてからただいまと言っておく。


「「おかえり!」」


 二人の頭を撫でてから町に入る。







「といった訳で北側は特に何もなかったな、北西については聞いての通りだ」


 フリッツさんの説明が終わり町長さん達、町の主だった人は唸る。


「北西に大きな川か・・・しかもカームの見立てでは氾濫の危険大ということじゃな」


 町長さんは川の氾濫が気になるらしい。まぁ直接町に被害が出そうな感じだったからな無理もない。


「堤防を作ったりは難しいのですか?」


 秘書のカリスさんがそう提案するも、やはり労力と効果の兼ね合いがとれないので却下される。とにもかくにも雨に降ってもらわないことには川については対応が出来ないという結論が出る。

 ふと思って俺の首に纏わりついている柳に聞いてみる。


「柳って雨を降らせられないのか?」


『小規模ならともかく広範囲には厳しいですね、その場にある水を操るのは簡単ですが、生み出すとなると莫大な力を消費しますので難しいです』


 生み出せるのかよ・・空気中の水分とかじゃなくて精神力やら魔力やらを消費して作れるのか。

 俺達はフリッツさんとウォルさん、それにカームさんに任せて会議の外から眺めている状態だ。まぁ調査には参加したが護衛の名目が大きいし・・・こっちはこっちで、優奈がエネス婆さんと二人で白熱している。


「で、これが打ち身に効いて・・・こっちがゴメの実と同じ効果みたいなの」

「ほうほう・・・こっちはルーガの茎と効能が同じなのじゃな」

「で、この赤いのと黄色い実を調合すると回復薬が出来るみたいなんだ!」

「なるほどのぅ・・・しばらく町に留まるのでしたかの?タツヤ殿」

「え、あ、はい、そう聞いてます」

「ならこちらを最優先で調合するかのユウナ?」

「うん!」


 そう結論づけた薬師組が移動しようというので、そちらの護衛はシリウス・・・冬華に頼むことにする。


「シリウス、護衛頼んでいいか?」

「・・・ヂヂ」

「何で不服そう・・・あぁ、冬華護衛頼む」

「ヂヂ!」


 俺がつけたんだが、慣れるまで時間がかかりそうだな。優奈達が出て行った残っているのは俺と膝の上のケーナだけだ、その後も会議は続いた。


 基本的には調査は継続するが、川に関しては保留・・・柳が堤防を作れば?と俺が提案するも精霊様にそんなことはさせられません!と言われて却下されてしまった。『私は構わないんですけどね』とケーナと俺にだけ言ってきたが、まぁ人間側のプライドの問題だな。


『面倒なものですね、ケーナに頼めば済むものを』


 切羽詰ってるならともかく、子供に大人が頭下げることはないだろうな。いや、下げろとは言わないけどケーナだから頼まないってのもあるかもしれない。そもそも精霊信仰あるなら、災害時とか不作時ならともかく、予防でお願いはしないだろう。風呂建設の為に柳を使った俺ってもしかしてヤバイ?『いえ、私としては頼られるのは問題ありませんよ?別に町の守護者とか、土地神とかではないですからね』つまり柳は個人だが、町側からしてみれば信仰の対象物になってんのね。『面倒なものですね』生贄を捧げられるようなことはないようにしろよ?『そんな馬鹿なことをするんですか?』する可能性はそれなりにあるからな。

 勝手な思い込みで、生贄を用意するのが人間だ。しかも異変によって世界が変わってしまった状況だそれこそ神にでも祈るってのが頻発しそうだしな。


『生贄ですか・・・人間の命なんて私はいりませんが・・・何かに使えるんですか?』


 人間側が代価を差し出したことが、人間側には大事なんだよ。保証というか、何もしないよりは何かをするの駄目な例だな。


『難儀な種族ですね』


 脆弱だからこそ知恵を絞ってきたのが人間だからな、力を得た今の状態なら多少は・・・いや、逆に力を持つ物がでたことで生贄とか、供物とかの代償が頻発しそうだな。アルランは大丈夫だとは思うけど。


『そうなのですか?』


 実際に会話できる守護者(仮)がいるからな、どちらかというとケーナの護衛はしっかりした方がいいだろうな。ケーナさえどうにか出来ればと考える奴が出てきそうだ。『それは・・・』何も考えずに殺していいと思うぞ。『それでいいのでしょうか?』優先順位の問題だろ?お前が守りたいのは町か?人か?

『ケーナです』別に神じゃないなら一個人でいいだろ、強力ではあるけど最強ではないんだから。

 まぁケーナが死なない程度にケーナの意思に添う形で動けばいいんじゃないかね。


『そうします』


 そんな話をしている内に今日はここまでにするようだ。脳内会話してたから、全く議会の内容聞いてなかった。まぁ何も決まらなかったみたいだしいいか別に。

 

「キサラギ殿、回復薬作成にはどれくらいかかりますかな?おや、サカグチ殿やノザキ殿が見当たりませんな」


 ボードル町長が聞いてきたので答える。


「ええ、その回復薬作成にエネス婆さんの家に行きました。美香達は付き添いで、どれくらいかかるかはまだわかりませんね。難しい調合とは言っていましたけど」

「ふむぅ?その回復薬とやらは本当にそこまでの効果が出るのですかな?」


 司祭様が懐疑的だが、効果については俺にもわからん。


「実際に使ってみないことには何とも言えませんね」

「そうじゃのう、出来たら凄いとは思うが・・・いや、結果を待つとしようかの」


 優奈達を迎えにいくといったら今日はケーナ一緒にいる!と言うのでボードルさんにお預かりしてもいいですかと許可を取る。許可を貰えたので、会議に使っていた町役場から出てケーナと一緒にエネス婆さんの家に行く。


「たつにいだっこ!」

「え~、少しは歩こうか?」

「え~?」


『ケーナ少し歩きましょう?疲れたらタツヤ様はちゃんと抱っこしてくれますよ』


 とか言いながら道中は歩いていった。体力が戻ってきているのか足取りに問題はなかった。甘えたいだけなのだろうけど、ここはケーナの為に頑張ってもらう。






「・・・たつにいおんぶ~」


 といっても限界はあったらしく、エネス婆さん家手前で動けなくなってしまったようで座り込んだ。


「まぁがんばった方かな」


 脇に手を入れて抱き上げる・・・4歳児くらいの体格だよなぁ・・・『これからです』抱き上げるたんびにそう思ってるな。


「たつにい疲れた」

「うむ、まぁ後は任せとけ」


 といっても、もう目の前何だけどな。

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