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いざ調査へ

「む~おに~ちゃん早く帰ってきてね?」

「善処するよ」

「けーなお土産ほしい!」

「お土産?え、えっとまぁ善処するよ」


 エナとケーナにいってきますと言い。


「タツヤ君しっかりね、君も怪我をしないように」

「はい、ルッドさんも頑張ってください・・・主にメリーさんのことを」

「あらあらタツヤさんお気をつけて、帰ったらいいことしましょうね?」

「ほら!こういうのをどうにかして下さいよルッドさん!」


 メリーさんの茶目っ気にあたふたし。


「では、お気をつけて」

「はい、いってきます」


 町の声援を背中に受けて調査団出発。


”気配察知 強””範囲強化””思考加速””視力強化””聴力強化”


 俺は黒塊を取り出して背中に背負っておく。

 優奈達には武器は持たせていない、重荷になりそうだし武器の訓練はまだしてないからな。

 基本的に全員歩きだ。

 総勢12名。

 俺達4人とシリウス姉妹、フリッツさん、ケイ、ウォルさん、カームさんのまともな人員とレイクとオルトの二人組だ。

 先頭はカームさんフリッツさんウォルさん、中央に俺達4人と姉妹、後ろはケイとレイクとオルトで進む。


 仮に俺達がいた町をアルランの東にあると仮定して今進んでいるのは北だ。

 こちら側は収穫地帯なので、すっかり刈り尽くされた農地を横目に、進む。

 2時間ほど歩いただろうか、農地の端までたどり着いた。

 小さな丘が多くあり、俺が巨人型と戦った跡はまだある。


「とりあえずここまでは来たな、このまま真っ直ぐ進んでみよう」


 この調査では何かを見つけることを目的としている。

 森、川、山・・・それに町、そういったものを見つけて位置を把握しておきたいとのことだ。

 海も見つけたいが、この世界にあるのかもわからないからな・・・いや、あるとは思うけど。

 海はともかく塩は人間には必要だから早急に何とかしたいものだけど、俺達の分だけだったらスーパーの倉庫から大量に頂いているので、問題ないけど・・・町に提供しても仕方ないだろうし。

 異次元ボックス自体はともかく、中に入ってる物は極力情報を漏らさないように気をつけてはいる。

 が、いざとなったら人間どういう手段に出るかわからないからな。


「ん、たつ・・・今を考える未来はいい」

「・・・そうだな・・・いや、心を読むな頼むから」

「遠い目をしていたからじゃないかしら?」

「たつくんのパターンは見切ったよ!」


 小さな丘をいくつか越えると草原が広がっており、ずっと向こうには山があるのがわかる。

 丘を越えたあたりで、フリッツさん達先頭集団が足を止めた。

 追いついた俺達も混ざり話し合う。


「ふむ・・・見える限りだと何もない・・・と思うのだが」

「そうですね、ずっと草原が続いてるように見えます・・・冬でよかったですね、夏だったら草が伸びてて先が見通せなさそうだ」

「そうだな・・・川がないかとかもわからなかっただろうな」


 焦れたのかケイが急かしてきた。


「どうすんだ?フリッツさん」

「そうだな・・・一旦休憩にしよう、その間に決める」


 フリッツさんの決定で各々休憩する、昼飯には早いし・・・調理担当の美香は仕込みくらいはするみたいだ。

 手伝ってもいいけど、先に方針を決めたい。


「このまま進んで山の手前まで行ってもいいとは思うが・・・どう思うキサラギ」

「そうですね・・・枯れてるおかげで地面が見えますし、沼があるとかはないと思いますが、見晴らしがいいのは問題ですね」

「そうだな」

「問題って何がだよ?」


 不思議そうなケイ、とオルトとレイク。

 フリッツさんが嘆息しつつも説明する。


「見晴らしがいいってことは進んでる俺達は遠くからも丸見えってことだ」

「あーそうか、隠れる場所なさそうだもんな」

「馬で駆けるならともかく人の足じゃ逃げるのも限界がある」

「じゃぁどうするんだよ?帰るのか?」

「何でだオルト・・・キサラギ達がいた町はここから見て東側だったな?」

「まぁそうですね東南っていったところですか」

「そうか・・・じゃぁ北西に進むとしよう、木が疎らに生えているくらいで進むのもそう難しくないだろう」


 ケイが頷きカームさんがちょっと先を見てくると離れ、シリウスもついていった。

 ウォルさんが美香の手伝いにいきオルトとレイクは渋面を作ってる。


「どうしたオルト、レイク」

「いやよう俺達男はいいけどよう嬢ちゃん達はいいのか?」

「そもそも何でついてきたんだ?町で大人しくしてればいいじゃんか」

「町が安全とは限らないからだよ」

「あん?あーまぁそうかもしれないな」

「なるほどな・・・何だよキサラギそんな驚いた顔して」

「え?いや、理解してくれるとは思ってもいなかった」


 俺達を何だと思ってやがる!と憤慨してたけど、割と本当に驚いた。

 まぁそれだけで日頃の行いを相殺も出来ないのがこの二人だけどな。

 カームさんが戻ってくる前に志乃の様子を確認しておこうかな。





「志乃?まだ歩くけど歩けそう?」

「ん、がんばる」

「チチチチチ」

「うん?どうした?」


 何かを背負う仕草をするチビ助・・・あぁなるほど。


「チビ助が背負ってくれるのか?」

「チチ!?チチチチ」


 無理無理!とでもいうように首を振る。

 まぁ俺が背負えばいいだけだからな。

 ふと帰ってきていたシリウスが自分を指差している。


「あぁシリウスがいざとなったら背負ってくれるってことか?」

「ヂヂヂ」


 頷くシリウス・・・まぁ志乃の体調見て頼もうかな。


「ん、たつの手があいたほうがいい?」

「そう・・・だな、俺よりもシリウスにお願いしような、けどシリウスは先行してもらってるから場合によりけりだな」

「わかった・・・みかは?」

「私は大丈夫よ、訓練の成果が出てるのかしら?」


 1週間そこらで成果がどれほどでるのかはわからないけど、足腰が鍛えられているのは間違いない。


「私は全然へっちゃらだよ!」

「優奈は元々心配してないよ・・・いや、そういう意味じゃないから泣きそうになるなよ」

「うう?心配する必要もないって・・・ひどい」

「ん、たつひどい」

「達也は優奈の体力があって助かるって言ってるのよ」

「そうなの?」

「まぁそうだな」

「じゃぁ頑張る!」


 背負うにしても俺とシリウスで二人までだから頑張ってくれ。


 カームさんが戻ってきて、特に気になる所は無いとの報告を受けてまた進みだす。

 農地までは道があったけど、ここからは獣道さえない。

 成人男性でも舗装されてない道を歩くときは必要以上に体力を消費させられる。

 この面子でこういう場所を歩きなれてるのはシリウス姉妹とカームさんだけなので、3人の先導でなるべく消耗しないように歩くが、太陽が真上に来たあたりで最初に志乃がバテた。


「ん・・・たつ・・・ごめんなさい」

「いや、倒れる前に言ってと言ったろ?これでいいんだよ」

「ふぅ・・・そうよ・・・これ結構しんどいわよ?」

「そうだね、仲良し二人組のおじさんも大分疲れてるよ?」


 黒塊を腰に固定しちょうど鞘で志乃が座れる調整する、間にクッションも挟んだのでお尻が痛くなったりもしないだろう、志乃が首に回した手を解かない限りは俺の両手も空くからな。

 志乃を背負ったところで後ろを見れば、オルトとレイクも大分息が上がっていた。

 いや、フリッツさんもケイもウォルさんも疲れてる様子なので、そろそろ休憩が必要かもしれない。

 といっても何もないところで休憩するのは逆に疲れるとのことで、カームさんとシリウスが休憩場所を見つけるまでは皆頑張れ。




 それから大体1時間は歩いただろうか。

 ようやくカームさんが休憩場所となる、湧き水がわいてる場所を見つけたので一同立ち止まる。


「はぁ・・・はぁ・・・とりあえず昼休憩にしよう、存外しんどいなこれは」

「フリッツさん私はシリウスさんと周りの安全を確認してきます」

「すまんなカーム」

「いえ、私の仕事ですから」


 そういってカームさんとシリウスは周りを確認しにいった。

 一応気配察知の範囲には何もいないけど、地形が安全かは俺にはわからないからな。

 美香がさっき仕込みをしていた料理を志乃と取り出す・・・というか、ほとんど出来てるなこれ、後はパンに挟む肉を温めるだけか?


「ふぅ・・・一応温めなくてもいいけど、火を起こすなら温めましょうか・・・スープもあるし」


 スープ系は作り置きで入れておいたので、改めて作る必要は無い・・・保温も出来るからな。

 暖かいものと冷たいもの同時にいれても熱が伝播しない不思議空間なので、やりたい放題だな。

 埃は溜まらないが、零したりしたら汚れるので掃除は結構必要なのが難点だけど。

 いや、倉庫で埃が溜まらないって難点にはならないか。


 ともあれ、元気な俺と背中で回復できた志乃となぜか元気な優奈とで、食事を用意し配る。

 配り終えた頃シリウス達も帰ってきたので、皆で食べる。

 フリッツさんに報告しているカームさんの話を聞きながら。


「とりあえずは、周囲に危険なものはありませんでした。ただ私の知識もどこまで通用するかわかりませんが」

「いや、助かる・・・俺達だけじゃ湧き水さえ見つけることは出来ないだろうからな」

「それで、シリウスさんが言うにはもう少し・・・いえ、人間の足では遠いかもしれませんが、川があるそうです」

「川?」


 フリッツさんがシリウスを見やる。


「ヂヂヂヂ、ヂヂヂヂヂ」

「シリウスさんが言うには水の匂いが強くなってきているので、大きな川・・・もしくは湖があると思いますだそうです」

「なるほど・・・それでは今日はそこまでを目標としよう」

「皆さんの消耗具合を見ると何とも言えませんよ?」

「む・・・確かにキサラギに背負ってもらうわけにもいかんしな」


 勘弁して下さい、息絶え絶えなおじさんを背負いたくは無いです、いや女だったらいいって訳でもないけど。


「ま、まじか?まだ歩くのかよ?これ美味いけど、これだけで回復しねえよ」

「仕方ないぜ、訓練よりはマシだと思って歩くしかねえよ」


 オルトとレイクも文句はいうけど何だかんだと頑張るからな・・・倒れても知らんけど。





「よし、出発するか」


 フリッツさんの掛け声と共に一同歩き出す。

 俺は志乃を背負うためしゃがむ・・・あれ?


「ん、次はみか」

「志乃は大丈夫なのか?」

「しりうすがついていてくれる、それまではあるく」

「そうか・・・じゃぁ美香いいぞ」

「え?あ、うん?でも休憩したわよ?」

「食料的には美香が生命線だからないいから甘えとけ」

「えっと・・・うん、じゃぁお願いします」


 こっそり”脚力強化””身体頑強””気配察知 強””範囲強化””聴力強化”かけなおしてっと。

 美香は志乃よりも背が高いから黒塊は手で支えないと上手く背負えなかった。

 疲れ果てたわけじゃないので、いざとなったら降りてもらえばいいか。

 

「よし、行こうか。優奈は大丈夫か?」

「うん、大丈夫。たつくんがんば!」


 たまに優奈は何やら植物を採集したり何やら怪しげなモノで何かを確認しているけど、元気なもんだな。

 





 聴力強化している俺の耳に美香の息遣いとは別に水の音が聞こえ始めた。


「シリウス?もしかしてそろそろか?」

「ヂヂヂ」


 志乃を背負っている・・・というか手が届かないので担いでいるシリウスに確認を取ると頷いた。


「達也?目的地近いのよね?降りるわ」

「ん・・・まぁそうだな」


 名残惜しそうにしながら美香は降りる、俺としてもまぁ・・・うん感触を楽しんでいたから名残惜しい・・・アイタ!?


「たつくん?」

「ごめんなさい」


 ふ、不可抗力だからいいじゃないか!え?駄目?担がれている志乃にも睨まれた俺は深く反省することを要求された。


「フリッツさんもう見えてきましたよ・・・川・・・いえ湖?」

「はぁ・・・はぁ・・・そうか、とりあえず着きそうなんだな?」

「ええ、ほらケイもウォルさんも頑張って」

「大丈夫・・・だぜ・・・カームの兄貴・・・俺はまだ・・・いける」

「・・・ケイ・・・ふぅ疲れたなら疲れたでいいぞ、俺も疲れた」

「ウォルさん駄目だぜ・・・疲れても顔に出したら男は・・・いけないんだ・・・兄貴を見ろよ」

「あれと比べられてもな・・・」


 何かウォルさんに失礼なことを言われてるけど、まぁ俺のは能力のおかげもあるしな。

 

「ぐへ・・・ぐひゅ・・・ぐへへえ・・・」

「オ、オルト・・・もう少しだから頑張れよ・・・はぁはぁ・・・ってかお前キモイ」


 とにかく脱落者なしで湖にたどりつく俺達・・・いや、これ川?どっち?




 俺達の前方には巨大な水の流れが北から西へ続いている。

 ちょうど緩やかにカーブしている地点みたいだな。

 水の流れはゆっくりで、木々のせいで湖と錯覚しそうになるけど、流れが続いているので川みたいだなこれ。

 向こう岸は・・・かろうじて見えるけどたまたまここが太いのか、それともずっとこんな感じなのかは判断がつかない。

 しばらく一同巨大な川を眺めていたが、我に返ったフリッツさんの号令の元、野宿の準備をする。

 

「あ、だめだ先に排除しないといけなさそう」

「なに?何かいるのか?」

「川から何か来てますね・・・陸に上がってくる・・・のか」


 ザバァッと水から巨大な蛙が出てきた、全長4mはあるだろうか、高さは3m程の巨大な蛙がノッシノッシと水の中からこちらに歩いてくる。

 非戦闘員の3人を後ろに下げ、とりあえず俺とシリウスで対峙してみる。


「ゲコゲコゲコ」

「ヂヂヂヂヂヂ」


 爬虫類と哺乳類って会話できるもんなの?

 しばらくゲコゲコ、ヂヂヂヂと二種族が会話しているのを眺める・・・カームさんも傍に来た。


「カームさん何を話てるかわかります?」

「シリウスさんの方はともかく・・・蛙の方はわからん」

「ですか・・・シリウスは何て言ってるんですか?」

「あぁ・・・貴方の場所を荒らすつもりはない、ここで一晩野営をするだけです。と言っているが」

「へえ、話し合いでどうにかなるもんなのか」


 のんびり見ている俺に反してシリウスは必死だ。


「ゲコゲコゲコ」

「ヂヂヂヂヂ!ヂヂヂヂヂ!」


 ふと、こちらをシリウスが見て、こちらに戻ってきた。


「なんだ?和解成立したのか?」

「ヂヂヂヂヂヂ」

「・・・キサラギ、戦う準備したほうがいいぞ」

「つまり?」

「全く話がわからなかったそうだ」

「お前何してたの?」

「ヂヂヂヂ!」

「ノリでどうにかなると思ったらし・・・っ!避けろ!」


 カームさんの声で3人共後ろに下がる。

 3人がいた空間を蛙の舌が薙ぎ払った。


”思考加速””反応強化””腕力強化””脚力強化””身体頑強””気配察知”


 強化を切り替え、黒塊を鞘から抜いておく。


「うーん、蛙って食べられるんですかね」

「馬鹿なことを言ってる場合か!どうするんだ!?」

「どうするも何も・・・シリウスお前左な」

「ヂヂヂ!」

「いや、了解したってまさか食べる気か!?」

「いやいやいや、食べるって決めたわけじゃないですよ、どちらにしよ排除は必要ですけど」


 シリウスが左に回りこむように移動しはじめたので俺は右から回り込む。


「あんまり、時間かけたくないから」


 黒塊を握り締め・・・蛙は左右についてる目で俺とシリウス両方とも見てるらしいがどちらに対応するか悩んでいるのか、動きが止まった。


「これで帰ってくれたら嬉しいな!」

「ヂヂヂ!」


 シリウスに合わせて急加速して、蛙に袈裟懸けに斬りかかる。


「ゲコ!?」


 機敏な動きで跳ぼうとしたらしいが、俺とシリウスの速さに間に合わなかった。

 シリウスが横腹を殴ったことでこちらに向って浮いた蛙をそのまま叩き斬る。

 ザシュッ!蛙の皮膚がどれだけ硬いかはわからないけど、斬り初めから斬り終わりまで特に突っ掛りもなく切れた。


「ゲゲゲゲ・・・」

「ヂヂヂ・・・」


 刀身一杯使って斬ったので体の半分ほどは切ったかもしれない・・・手で押さえようにも届かないのでもがいてる蛙、いやもがけばもがくほど傷口広がると思うけど。


「ゲコゲコゲコゲ!・・・ゲ・・・ゲ・・・コ」

「あーあー暴れるからどんどん千切れていくな・・・」

「ヂヂヂヂヂ」

「キサラギ止めを刺すべきだと言ってるぞ俺も同感だ」

「そうですね」


 蛙の首の横に立ち黒塊を上段に振り上げ頭を唐竹に斬る。

 今度は音もなく頭を斬り飛ばした。


「何かでこぼこしてる割には切れ味いいな」


 黒塊を見ても蛙の体液が多少ついてるくらいで刃こぼれはないようだ。

 とりあえず川で洗ってから拭いて鞘に収める。


「それで、フリッツさんこれ食べます?」

「食べるのか・・・?小さなものならともかく、これをか?」

「食べたことはないけど、案外上手いとか聞いたことありますけど」

「この大きさの蛙をお前らの世界では食ってたのか!?」

「あぁいや、普通の蛙がです」


 全員集まって協議する・・・まぁ美香が判断するべきかもしれないけど、美香は嫌がりもせずに触ったりしていたが、カームさんに話を聞いている。


「でも、これって毒とかないのかしら?」

「あぁそういう蛙もいるな」

「そうなると・・・私には毒があるかわからないわよ?どうするの達也?」


 そうだな・・・俺が食べて、毒があったら白で治療・・・アホか!

 逡巡する俺達をよそに優奈と志乃が何やら機械を持ってきた。


「私の出番だね!」

「優奈?それなんだ?」

「安全?危険?俺に任せろ!危険チェッカー!チェッカー君だよ!」

「お、おう?」


 優奈の手元にあるのは・・・これ電池とかの電力残量を調べるやつじゃないか?それに・・・ポータブルゲームあたりの液晶だけが横につけられている。


「なぁ優奈?俺にはそれが電池の電力残量調べるやつにしか見えないんだけど?何か改造はされてるみたいだけど」

「電池?違うよ!安全?危険?俺に任せろ!危険チェッカー!チェッカー君だよ?」

「あぁ、うん・・・それでそれを使うとどうなるんだ?」

「もぅ!話聞いてる!?安全かどうかわかるんだよ!」

「そうか・・・え~と、うん・・・どうやって使うんだ?」

「えへへ、見たい?しょうがないなぁ・・・えっとね、この先っぽを対象物にくっつけるの」


 先端に電池を挟んで調べるタイプらしく、二又の間に蛙の肉を挟むと・・・液晶画面に何かが映る。


「えっとね・・・おぉ毒はないみたいだよ?食べられるみたい、みっちゃんこんな感じ!」

「え?うん?え?なにこれ!?・・・確かにこれを見た限りでは食べられるみたいだけど本当なの?」

「大丈夫!実験済みだから!」


 後ろから液晶を覗けば、蛙の全体図が映り、毒物の有無、効能、使える素材・・・みたいなことが表示されている。

 え?何だこれ?


「優奈?例によってこれは何で動いてるんだ?」


 電力調べるやつって電池とか必要なかったよな?でも液晶はどうやって映っているんだ?


「え?何でって・・・私?」

「つまり・・・また気合か、多分精神力か何かだろうけど」

「これでギルド発足に近づけるよね!?」

「そうだな・・・これって他にも使えるのか?」

「うん、ここに来るまでに毒キノコとか毒草とか、薬草とかいっぱい見つけたよ?」

「あぁ採集してたのはそういうことか」


 優奈を信じた美香が足の肉を切り取り焼いた。

 とりあえず俺から食べてみる。


「鶏肉?みたいな味だな、結構美味しい?」

「ん、たつ私もたべたい」

「あぁ食べてみ」

「んぐ・・・とりさん?」

「やっぱそんな感じだよな」


 優奈の意外な一面を見れて、美味しいお肉もありつけたのは良かった。

食べきれない分は埋めといた、さすがに保存する気にはならない。

 




「それじゃあ野営の見張り番はワニ君でいいわよね?」

「本当に大丈夫なのか?」


 野営の見張りの順番を決めようとしたところで、ワニ君なら不眠不休で出来ると美香が言い出した。

 自動で動くので、美香が止めようと思わない限りは警戒を不眠不休でしてくれるらしい。

 戦闘力はともかく、機敏だし頭も良いので任せてもいいんだけど・・・実績が足りないからな。


「誰しも最初は戸惑うものでしょ?大丈夫よ!」


 美香が渋るフリッツさんを説得しようとしているが、さすがにぬいぐるみに任せるのはと困惑している、そこへカームさんが耳打ちをしてる。


「(フリッツさん、俺が起きてますから美香さんに任せましょう、大丈夫そうなら明日以降も任せられますし、彼女を信用してみては?)」

「はぁまったく、わかったわかった。ノザキのワニ君?に任せる」

「本当?よっし、ワニ君達がんばってね?」


 ビシッと敬礼するワニ君4匹、大きさは1m程。

 喋ることはできないので、鍋と棒を渡し何かあったら鳴らすように伝え、就寝する。 

 カームさんは焚き火の傍で寝ている・・・まぁ起きてるんだろうな。

 俺も起きてようかな?とも思ったが。


「ん、たつはやくねるお腹温める」

「たつくんたつくん、この草エネ婆ちゃんのとこだと薬草だったけど、ここでは毒草みたい何でだろ?」

「ワニ君達大丈夫かしら?」

「チチチチ」


 と、はしゃぐ4人の相手で大変で気づいたら寝てしまっていた。


「ヂヂヂヂヂ」


 シリウスが一応警戒するといったように見てきたので、まぁ大丈夫かなおやすみ。


優奈は当初無能系ヒロインだったんですが、どんどん役立つ子に。

友達が優奈を活躍させると怒るんですが、仕方ないですよね?

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